この私が婦人体温計を買った。
基礎体温を測って自分の排卵期を知りたいため、ではない(知れるものなら知ってみたい)。
入浴中の体温の変化を測るためだ。
なぜ婦人体温計かというと、普通の体温計に比べて、表示精度が1桁細かい0.01℃単位で、医療機器として認可されているその性能のためだ。
体温を正確に測るために、外気が触れる脇の下ではなく、口にくわえて舌下で測る。
だから真の体温(深部体温)に近いのだ。
防水性があり、口にくわえやすくなっている。
風呂での使用に向いている。
なぜ入浴中の体温を測りたいかといえば、入湯の最大の健康効果が、体温上昇による免疫力のアップにあると言われている※からだ(1℃程度の上昇がいいようだ)。
※この言説、まことしやかに流布しているが、実証データにはお目にかかっていない。そもそも「免疫力」の指標って何?
人間は恒温動物で、体温調整機能がある。
それが数分の入湯で本当に体温が上るのか、上るとすればどのくらい上るのか、を知りたい。
自分の身で。
女性が基礎体温を毎朝測り続けるのはつらいようで、そのためたった30秒で手短かに表示される「予測検温」なる機能があるが、その値は不正確なので5分測る「実測検温」でなくてはならない(その不正確さは私も確認)。
入湯中は体温計を口にくわえているだけなので、いたって楽。
5分じっと待つのは退屈なので、ジップロックで防水したiPadで読書しながら湯に浸かっていればいい。
そして5分たつとアラームで教えてくれる。
ただしその間、口は閉じて外気を遮断し、呼吸は100%鼻からにする。
わが家の風呂は、温度と湯量が自動設定なので、入湯中の湯温は一定に保てる。
浴槽の設定湯温は40℃にしている(下らないようときたま自動的に加温される)。
浴槽は長いので、首から下を湯内で伸した姿勢に保てる。
この条件で、計測開始(いずれも5分後の値)。
その前に、入浴前に自室で測って、36.30℃。
浴室に入って、シャワーでかけ湯をして一回目の5分間の入湯で36.53℃。
浴槽から出て、洗髪などをして、二回目の5分間の入湯で36.94℃。
そのままさらに5分間入り続け、 じわりと額に汗がでた10分後で37.44℃。
気持ち的にはここで風呂から出たかったが、ためしにさらに入り続け、
汗がしたたり、鼓動が耳奥でひびくのを我慢しながら15分後で37.81℃。
ここが我慢の限界で、浴槽から飛び出した。
すなわち、二回目の入湯10分後で入浴前より約1.0℃上昇、15分後で約1.5℃上昇した。
このような計測は実は数回やっているので、この傾向はある程度一般化できる。
まず、一回目の入湯での体温上昇効果は低く、二回目の入湯で体温はぐんぐん上昇する。
そして二回目の10分入湯で1℃上昇し、気持ち的にもこの程度が丁度いい。
15分入湯は湯温40℃でもつらかった。
やはり体温が38℃近くなると、正常な状態ではない感じになる。
体温の上昇率は二回目の5分~10分の間が一番高く、効率がいい。
10分~15分での上昇率が下ったのは、体温調整機能がフル回転したのだろう。
この作動を無理して突破しようとすると、調整機能が疲弊して、熱中症(のぼせ)になってしまう。
というわけで、私にとって、湯温40℃の場合、一度目は軽く暖め、二度目に10分入って体温を1℃上昇させるのがいいようだ(一般には深部体温1℃上げるには41℃で10分、40℃なら15分といわれているが、このように実測してみると少なくとも個人差があるので、自分の身で確認すべきだ。さらに2℃上げるとかえって体によくないと言われているので、その意味でも体温測定で管理したい)
今後は、湯温41℃の場合や入浴剤を入れた場合の体温測定をしてみる。