1回の入浴で入湯(浴槽の湯舟に浸かること)が1回だけという人が自分の周囲にいて、驚いている。
それって意味がない。
もっとも私は幼少時よりの習慣として2回以上入っていたのだが、温泉ソムリエの勉強をしてそれが正しかったことがわかった。
実際、婦人体温計を口にくわえて入湯してみると(最近はもっぱらこうしている)、1度目の入湯(体温を確認するため5分入っている)では、体温は36℃台のまま。
いったん浴槽から出て、体などを洗って、もう一度5分入ると、体温は37℃を優に越える。
これでOK。
何がOKかというと、入湯の真の効果は、表皮付近を暖めることではなく(すなわち主観的に暖まったと感じることではなく)、深部体温を上昇させることにあるから。
深部体温を上昇させることで、免疫力が大幅にアップする(らしい)。
つまり、体内の細菌、ウイルス、そしてガン細胞の元を熱死させる。
そして、表皮付近の毛細血管だけでなく、それこそ全身の血液循環がよくなる。
これが入湯の本来の効果である。
そう、深部体温を上げる入湯は、それだけで健康を増進させるのだ。
深部体温を上げるには、熱すぎない湯温(40℃程度)を長めに入る。
熱い湯だと、深部体温が上る前に表皮付近だけが熱くなって入湯が辛くなる。
ただし、漫然と長湯をするのも心理的に辛い(退屈する)。
うれしいことに、短い入湯を複数回に分けても長湯に等しい効果があることがわかっている(私も自分の体温測定で確認済み)。
つまり、まずかけ湯をして入湯し、湯から出て体を洗い、そしてもう1度入湯する。
これで深部体温がきちんと上昇するのだ。
実は温泉ソムリエ協会では一回の入浴で3度入湯することを勧めている。
確かに2回より効果がありそうだ。
でも2回でも効果があることがわかったから、少なくとも1回でなければいい。