博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『春秋淹城』その4

2011年08月19日 | 中国歴史ドラマ
『春秋淹城』第19~24話まで見ました。

越軍との戦いに敗れた呉王闔閭は、足を負傷して這々の体で淹城に逃げ込みますが、実はこれも越の策略のうち。呉王闔閭が淹の領内で死ねば淹と呉との関係悪化は避けられず、淹は越と同盟せざるを得なくなるという算段。ここで越の難民の振恤にあたっていた羅敷が、それと知らずにうっかり闔閭一行と接触し、食糧や薬を差し入れますが、越の刺客に襲撃された闔閭は淹から逃亡し、呉の領内に到達すると同時に絶命。その後、呉では太子波が夫差によって謀殺され、夫差が王位を継いで越への復讐を誓います。

一方、淹国では闔閭に刺客を放ったのが公孫宇ではないかと疑われ、公孫宇は心ならずも再び宮廷を追われることに。しかし老子の哲学を身に付けた彼は地位や身分に連綿とせず、商人として第二の人生を歩み始めます。ここでわざわざ義父范蠡の人生を先取りしなくてもいいじゃないかという気もしますが(^^;)

で、馴染みの茶屋の若女将阿約から資金を融通してもらい、米屋を開業しますが、阿約はそのために店を担保に借金までしたとのこと。やはり公孫宇が女を騙すタイプと見た私の目に狂いは無かった!(この時代に米屋という商売があったのかとか、店を担保に借金という制度があったのかというツッコミはこの際置いといてくださいw)

令尹の盧常は急に楚国と連絡がつかなくなったことで動揺し、(実はこれは楚の策略なのですが)今まで反対していた娘と軍人木墩との結婚を承諾し、木墩を鉄砲玉に仕立てて伯淹暗殺を目論見ますが、肝心の木墩が拒否。おまけに楚国では盧常の暗殺計画をリークして淹国を混乱させようと画策。きたないな、さすが(以下ry

越は淹との同盟を推進するため、伯淹に句践の義妹芙蓉(その正体は単なる越の宮女なのですが)との結婚を強要。伯淹はそのために相思相愛であった女将軍碧蓉との結婚を諦めざるを得なくなり、それが原因で芙蓉は輿入れ当初から淹国宮廷で微妙な立場に立たされることに…… 句践が謀略のために美女を外国に派遣するという展開も、西施の話を先取りしてますね(^^;)

越では更に呉との会戦後に凶作に見舞われ、淹に食糧調達に出向いた范蠡はたまたま公孫宇の米屋に立ち寄り、彼に米の取り引きを持ちかけますが……

ということで、この作品は前にも触れたように春秋時代のほとんど架空の国淹国を舞台としているわけですが、架空の存在を史実に落とし込むのが絶妙にうまい。このドラマの脚本家はネ申!! 

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