博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

2015年4月に読んだ本

2015年05月01日 | 読書メーター
日本の歴史21―近代国家の出発 (中公文庫)日本の歴史21―近代国家の出発 (中公文庫)感想
先日読んだ伊藤之雄『伊藤博文』と表裏をなすような内容。(著述時期は40~50年離れているが……)巻末の解説で本書初版刊行後の「五日市憲法」の発見について補足されている。
読了日:4月5日 著者:色川大吉

風と共に去りぬ 第1巻 (新潮文庫)風と共に去りぬ 第1巻 (新潮文庫)感想
新訳ということで手に取ってみたが、かなりすらすらと読み進められる文章になっている。こんな今の日本の小説みたいな感じでいいのかと不安に思わないでもないが、出版当時はこういうノリで読まれていたのかなと。
読了日:4月8日 著者:マーガレットミッチェル

風と共に去りぬ 第2巻 (新潮文庫)風と共に去りぬ 第2巻 (新潮文庫)感想
この巻の終盤でようやくスカーレットに感情移入できるようになってきました。主役には相応の苦難と成長が必要ということでしょうか…
読了日:4月11日 著者:マーガレットミッチェル

中国の歴史 -- 東アジアの周縁から考える (有斐閣アルマ)中国の歴史 -- 東アジアの周縁から考える (有斐閣アルマ)感想
これも副題と主題が転倒している例か。一般に朝貢する側に極めて有利とされる朝貢貿易も、清と朝鮮との朝貢貿易に関しては朝鮮側の負担が大きかったとか、ベトナム(鉞南)国号成立の過程とか、個別のトピックにはやはり参考になるものがある。
読了日:4月13日 著者:

民俗学・台湾・国際連盟 柳田國男と新渡戸稲造 (講談社選書メチエ)民俗学・台湾・国際連盟 柳田國男と新渡戸稲造 (講談社選書メチエ)感想
日本民俗学の創始には、新渡戸稲造の台湾総督府赴任、そしてその新渡戸の招請による柳田国男の国際連盟委任統治委員就任といった海外経験が大きな影響を与えていたとする。第六章での、柳田の「一国民俗学」が台湾・朝鮮といった植民地に対する同化政策と相反する観点から唱えられたもの、すなわち日本に固有の文化があるのと同じように、朝鮮・台湾などにも固有の文化があることを認める考え方であっとする主張が新鮮。
読了日:4月15日 著者:佐谷眞木人

我的中国 (岩波現代文庫)我的中国 (岩波現代文庫)感想
中国の旅日記というか紀行文学的な作品。本書の初版が出たのが2004年、およそ10年前ということだが、本書に描かれる中国の風景も急速に過去となりつつある。たとえば何箇所かで言及される各地の「CD・VCDショップ」などは、ネット配信・動画の普及によって商売として成り立たなくなっているのではないか。
読了日:4月18日 著者:リービ英雄

平和憲法の深層 (ちくま新書 1122)平和憲法の深層 (ちくま新書 1122)感想
日本国憲法第九条はもともと主権制限条項として設けられたものであったが、日本側の意向で平和条項を追加し、平和主義と結びつけられた等々、改憲派にとっても護憲派にとっても都合の悪そうな知見が盛り込まれている。最終章では、総力戦を前提とした戦争の時代が終わり、軍隊が「紛争をなくすには大きすぎ、平和を確立するには役に立たない存在」となった今、冷戦時代のセンスのままで九条を変えたところで「新たな脅威」に対応できるのかと問い掛ける。
読了日:4月21日 著者:古関彰一

中南海――知られざる中国の中枢 (岩波新書)中南海――知られざる中国の中枢 (岩波新書)感想
中南海の建築物(第1章)、中南海をめぐる現代中国政治史(第2章)、中央政府の政治制度(第3章)、中央官僚のキャリアの解説(第4章)と、話題がやや散漫になっている感がある。前半2章と後半2章で別の本と見た方が良いかもしれない。(なお、私が読みたかったのは前半の話)
読了日:4月30日 著者:稲垣清


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