博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

2014年5月に読んだ本

2014年06月01日 | 読書メーター
カクレキリシタンの実像: 日本人のキリスト教理解と受容カクレキリシタンの実像: 日本人のキリスト教理解と受容感想
日本の「カクレキリシタン」がケガレやタタリ信仰など日本的な要素を取り込んで土着化しており、もはやカトリックとは別の宗教となっていることを述べている。歴史的な展開とともに民俗学的調査の成果も多く盛り込まれている。しかし少なくとも江戸前期頃には行政側の弾圧を受けつつも変容を経ながら生き延びてきた信仰が、現代の過疎化・高齢化によって消滅しかかっているというのは複雑な気持ちになるが…
読了日:5月5日 著者:宮崎賢太郎

日本とドイツ 二つの全体主義  「戦前思想」を書く (光文社新書)日本とドイツ 二つの全体主義 「戦前思想」を書く (光文社新書)感想
同じく光文社新書で出てた『日本とフランス 二つの民主主義』のドイツ版みたいなのを期待していたが、まったく違っていた。こちらは1870年ごろから1945年までの両国で全体主義が形成されるに至るまでの思想史の展開をまとめている。
読了日:5月10日 著者:仲正昌樹

軍隊を誘致せよ: 陸海軍と都市形成 (歴史文化ライブラリー)
軍隊を誘致せよ: 陸海軍と都市形成 (歴史文化ライブラリー)感想
明治期の師団・連隊の誘致活動やその経済効果、鉄道・水道などのインフラ整備との関係について。現代の企業や工場、大学の誘致などと共通する問題が多いなあという印象。
読了日:5月12日 著者:松下孝昭

誰も知らない『西遊記』―玄奘三蔵の遺骨をめぐる東アジア戦後史
誰も知らない『西遊記』―玄奘三蔵の遺骨をめぐる東アジア戦後史感想
戦時中に南京を占領していた日本軍によって発見された玄奘の遺骨(とされるもの)をめぐる日本・中国・台湾交流史。本書を読んで思ったが、仏教教団を中心とした近現代東アジア交流史なんてこれまでちゃんとまとめられてこなかったのではないか。
読了日:5月22日 著者:坂井田夕起子

文字答問 (平凡社ライブラリー)文字答問 (平凡社ライブラリー)感想
白川静による講演の際の質疑応答や読者からの質問の手紙に対する回答20件をまとめたもの。名刺の起源は中国戦国秦漢期の刺・謁にあるとするが、考古遺物で刺・謁と見られるものが存在するかどうか注意することにしたい。
読了日:5月26日 著者:白川静


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