博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『陳情令』その10(完)

2020年04月20日 | 武侠ドラマ
『陳情令』第46~最終50話まで見ました。

これまで金光瑶を温若寒、金光善亡き後の「仙督」と奉ってきた玄門の徒の一同も、思思と碧草の告白によりその非道を知ることに。

魏無羨と藍忘機は、金光瑶が何かを隠しているらしい雲萍の観音廟へと潜入。そこで金光瑶が僧侶たちに何かを懸命に掘らせていますが、どういうわけか別々に隠されていたはずの首と胴体がつなげられた聶明玦の遺体を納める棺桶が発掘されたのでした……

そこへ藍㬢臣、金凌、江澄、聶明玦の刀霊に憑かれた温寧、藍思追らも駆けつけ、これまでの謎が明かされます。無羨は16年前になぜ剣を捨てて詭道術法を編み出したのか?金子軒の死の真相は?思追と温苑の関係は?そして金光瑶を一歩一歩追い詰める謎の人物の正体は……?

【総括】
ということで現在WOWOWで日本語版が放映中につき、ラストの詳細は省略。

昨年『長安二十四時』と同時期に中国で配信されていた本作。評価の方も『長安二十四時』と同程度に高評価を得ているということで、「え、なんで?」という感じだったのですが、実際に見てみると高評価にも納得。単なるBL古装ではありませんでした。

崖落ちで死んだはずの友と16年後に再会という第1~2話の展開は、当初は金庸『神雕侠侶』の楊過と小龍女の男&男版という印象でしたが、話が進んでいくと、魏無羨と藍忘機との関係は、グッドエンドルートに乗った金庸『笑傲江湖』の曲洋と劉正風という感じになっていきます。2人の関係に音楽が介在するのも、曲洋と劉正風のそれを連想させます。

原作者やドラマ制作スタッフがどこまで意識しているのかはわかりませんが、私の目からは、本作は非常に丁寧に作られた金庸作品のオマージュとして映りました。このあたりは、前に見た『青雲志』が『笑傲江湖』の単なるエピゴーネンにしかなっていなかったのと対照的です。また、チャイニーズゴシックホラーというか伝奇風味が最初から最後まで一貫して見られたのもポイントが高いです。イケメン推し、BLということで本作を敬遠している方々にも、是非騙されて見て欲しいと思います。

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