博客 金烏工房

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『天盛長歌』その4

2018年10月22日 | 中華時代劇
『天盛長歌』第19~24話まで見ました。

魏知こと鳳知微が「擢英巻」を読み解き、「血浮屠」の件を告発しようとした瞬間に、「血浮屠」残党の頭目である馬夫たちが乱入して一同を襲撃。寧弈が傷を負うものの、襲撃はあっさり鎮圧。そして皇太子寧川が長年密かに「血浮屠」の残党を養い、政敵の抹殺に利用してきたことが露見し、東宮に幽閉されることになります。一方の知微は天盛帝寧世征にその才能が認められ、側近として出仕することに。

皇太子が少数の「殺人部隊」を抱え込み、自分に批判的な人々を抹殺してきたと言えば、昨今報道を賑わせているサウジアラビアのムハンマド皇太子によるジャーナリスト殺害事件を連想してしまいますが、このドラマの制作・放映はこの事件より前のことなので、もちろん寧川の描写に参考にできたはずがありません。またもや中国歴史ドラマが世間の動きや事件を先取りしてしまった事例ということになるでしょうか。

幽閉以来ヤケとなり、東宮で酒浸りの日々を送る寧川。寧弈に一矢報いようと、母方の叔父にあたる常海が動き出します。まず常海が街中で知微の目の付く所で、青溟書院で彼女が出会った馬夫を彷彿とさせる下人・長吉をいじめ、彼女が長吉を庇って自分のもとに引き取り、随従にするように画策。そして長吉を通じて、寧弈への皇帝の賜酒に毒を仕込ませ、毒殺を図ります。

しかし寧弈は賜酒を宗正寺で監禁されていた頃からの随従・霍老三に与え、彼が死亡したことから陰謀がバレバレに…… で、常海が太子に累を及ぼさないよう自首するとか言い出します。常海ひょっとしてバカなの?もう後がない寧川とか、年若いその同母妹の韶寧公主が軽挙妄動するのはしかたないと思いますが、政治的な経験が豊富という立ち位置の常海が素でバカなのは演出的にかなりまずいと思うのですが……

賜酒の件は父皇の耳にも入り、更に以前から8年前の三皇子処断の件は寧川の陰謀ではないかと疑っていたところ、顧衍らによって確証がもたらされ、名誉回復がなされます。かつ寧川が18年前に寧弈の功績をかすめ取るような形で顧衡と大成王朝の九皇子を討ち取って太子の地位を得たことが露見し、いよいよ太子の地位を廃され、皇族用の監獄と言うべき宗正寺へと送られます。

しかし寧川は常海の支持を得て性懲りもなく謀反を決意…… しかし造反を察知した天盛帝は寧弈と顧衍を鎮圧に差し向けます。ここで唯一の身寄りである兄を説得しようと韶寧公主が造反の現場の承明殿へと駆けつけます。それを知った天盛帝は韶寧を傷つけてはならんという勅命を鳳知微に託します。三皇子の仇である寧川を殺る気満々の寧弈を前に、敢えて寧川の人質に取られる知微ですが、寧弈は弩で知微の足を狙い、動揺した隙に配下に寧川を射殺させます。中華時代劇の名物「人質なんて気にしない」が炸裂w

常海は生きて捕らえられますが、知微の伯父秋尚奇ら多くの臣下が助命嘆願の奏牒を寄せる中、彼を処断してしまいたい天盛帝は、敢えて彼を憎む寧弈に常海を審問させます。寧弈は造反に関わりのない常海の本家筋閔国公常遠に罪をかぶせるような発言をし、常海が激高して彼に刃を向けたところで自ら殺害。もちろん天盛帝もこういうことになるとわかってて彼に任せたわけで、ここでこのドラマの「きたないなさすが」タイムがやってまいりましたw そして彼の深謀遠慮によって体よく始末されてしまった常海の後任として、知微が長年辺境を守ってきた七皇子寧斉の召還を提案。この提案も天盛帝の仕込みです。

一方、寧川の仇として寧弈を狙う韶寧公主は、知微を人質に取ったということで彼を魏知府へとおびき寄せ…… ここまで展開が極めて遅いことが本作の唯一の不満点だったのですが、ようやく話が大きく動き出しました。

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