博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『小さな中国のお針子』

2006年08月26日 | 映画
『小さな中国のお針子』(2002年、フランス)

1971年、時は文化大革命の真っただ中。山奥の農村に下放されてきた二人の青年は美しいお針子と出会い、教育を受けられなかった彼女を無知から救い出すことを誓い合う。三人は隠れて西洋の小説を読み合ったりして親しく付き合うようになるが……

『山の郵便配達』の劉が下放青年の一人を、周迅がお針子を演じています。個人的に周迅といえばどうしてもドラマ版『射英雄伝』の黄蓉役を思い浮かべてしまいますが、この作品では純朴ながら芯の強い少女役を演じています。それでも彼女が西洋の小説を隠し持っている知識青年から本を盗み出そうと二人の青年をそそのかしたりと、所々でお転婆な姿を見せてくれます(^^;)

二人の青年はそんな彼女に惹かれていきますが、彼女自身は青年達から読み聞かされたバルザックの小説に感化され、またある事件がきっかけとなってだんだんと変わっていきます。そして最後にはほろ苦い結末が待ち受けているわけですが、このあたり、同じく文革期の都会の青年と農村の純朴な少女との恋を描いた『初恋のきた道』とはだいぶ雰囲気が違いますね。

ちなみに作品中で主人公の青年達が北朝鮮の『花売り娘』という映画を見るシーンがありますが、先日読んだ『中国10億人の日本映画熱愛史』によると、この映画は金日成原作のミュージカルを映画化したもので、1972年9月から中国で公開されて大人気を博したそうです……
コメント (2)
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