まあ徒然
・氷壁:井上靖の小節。実話のザイル切断事件をもとに書かれた。新製品のナイロンザイルは既存ザイルに比べてはるかに丈夫だが、鋭角の岩にかけると容易に切れる。これにより主人公の親友は命を落とす。作品内ではこの事故が友人と自分の不備でないことを証明するために、再び主人公が登山し命を落とすところで終わるのだが、現実世界では再現実験の捏造と泥沼の訴訟劇が続く。ザイル切断の再現実験において担当した大学教授はこっそり鋭角を丸め、ザイルは切れなかいとの捏造データを発表した。実はこの教授は山岳会の大物で、ザイル会社と山岳会に癒着していたのだ。このインチキ報告によりナイロンザイルの耐久性は改善されず、その後もザイル切断の事故は続くのである。最初の事故の遺族の兄たちは再実験や訴訟を行い、ナイロンザイルの新しい規格基準と謝罪を20年後に勝ち取る。捏造を行った企業はあっという間にネットで叩かれ葬られる現代に比べれば何とも遅い歩みだが、水俣病などを思えば、50年前の日本は今以上に暗黒社会だったのだ。遺族による全ての記録がここで読める。
Wikipedia:ナイロンザイル事件
「公開実験前、篠田はロープの原糸メーカーの研究室での実験で、φ8mmナイロン製ロープがφ12mmのマニラアサ製ロープに比して鋭角の岩角では20分の1の強さしかないというデータを得て、石岡にも「ナイロンザイルは岩角で切断する。公開実験でもそうなるだろう」と言明した。しかし公開実験の際に、参観者には知らせずに90度の岩角に1mm、45度の岩角には2mmの丸みをつけて実験を行った結果、ナイロン製ロープは麻製ロープに比べて数倍も強いという誤りの結果が得られ、そのように報道がなされた。」
・モンパルナスの灯:1958年フランス。モディリアーニを描いた映画。ジェラール・フィリップを初めて観たのだが一目で惚れた。顔良し、姿良し、演技良し。これこそ名優という佇まい。他の作品も観てみよう。35歳で逝去(モディリアーニと同じ)
・ユトリロ:実家でユトリロの展覧会の目録を眺めていてユトリロの人生を知る。母親は私生児(父親不明)、ユトリロ本人も私生児(父親不明)。母親は画家であり、いわゆる「芸術家的」な人生を送った人。若いときはモデルをしながらロートレック、セザンヌ、サティなどと交際、画才に目覚め画家となるが、その後もユトリロの友人と結婚など波乱万丈である。ユトリロはそんな母親のせいか、若くしてアル中となり精神病院への入退院を繰り替えす(生涯)。精神安定のために勧められて始めた絵画がはまり、膨大な作品の制作後に母をしのぐ画家となる(しかし決してアル中が治ったわけではない)。ユトリロの作品は主に風景画、それもモンマルトル周辺を限定に描いたが、写生はあまりせずに写真はがきからの引き伸ばし(模写)が多かった。ただしこの時代の写真はモノクロなので色はユトリロの感性と観察による。ユトリロは色使いが絶妙なんだよな・・・。ユトリロとモディリアーニとは短いながら親交があり酔いつぶれながらお互いを讃えあったとのこと。
・真田丸:三谷コウキは嫌いだが、この作品はなかなか面白く、録画で毎度遅刻だがいまだ続けて見ている。相変わらずの三谷演出は鼻につくが、確かな俳優陣のおかげ(ジャニーズ完全排除)で一定以上の作品に仕上がってきていると思う。特に真田家の歴史の空白をうまく使って、既成の事件を絡ませているのがよい(最近は幸村(信繁)の大阪人質を生かして秀吉の話で盛り上げている)。脇役では大谷吉次がよい。女性陣では草笛光子かな。真田十勇士はでるのか?幸村は大阪で死ぬのか?鹿児島へ落ちるのか?秀頼の父はもしや幸村では?真田幸村の逸話は学研まんがから柴練作品まで読んでいて思い入れがあるので、是非是非失速せず面白いままに終わってほしい。
・鶴田・谷津vsハンセン・天龍
オリンピックコンビvs龍艦砲である。ヘビー級による肉弾戦こそがプロレスの醍醐味である。三沢川田たちの四天王プロレスの原点がここにある。終盤のドロップキックとジャンピングニーの乱れ打ちは興奮のるつぼだ。結局最後まで元気なのは鶴田というのが笑える。80年代・・・最高!
Hansen & Tenryu vs Tsuruta & Yatsu (06.12.1989)
・氷壁:井上靖の小節。実話のザイル切断事件をもとに書かれた。新製品のナイロンザイルは既存ザイルに比べてはるかに丈夫だが、鋭角の岩にかけると容易に切れる。これにより主人公の親友は命を落とす。作品内ではこの事故が友人と自分の不備でないことを証明するために、再び主人公が登山し命を落とすところで終わるのだが、現実世界では再現実験の捏造と泥沼の訴訟劇が続く。ザイル切断の再現実験において担当した大学教授はこっそり鋭角を丸め、ザイルは切れなかいとの捏造データを発表した。実はこの教授は山岳会の大物で、ザイル会社と山岳会に癒着していたのだ。このインチキ報告によりナイロンザイルの耐久性は改善されず、その後もザイル切断の事故は続くのである。最初の事故の遺族の兄たちは再実験や訴訟を行い、ナイロンザイルの新しい規格基準と謝罪を20年後に勝ち取る。捏造を行った企業はあっという間にネットで叩かれ葬られる現代に比べれば何とも遅い歩みだが、水俣病などを思えば、50年前の日本は今以上に暗黒社会だったのだ。遺族による全ての記録がここで読める。
Wikipedia:ナイロンザイル事件
「公開実験前、篠田はロープの原糸メーカーの研究室での実験で、φ8mmナイロン製ロープがφ12mmのマニラアサ製ロープに比して鋭角の岩角では20分の1の強さしかないというデータを得て、石岡にも「ナイロンザイルは岩角で切断する。公開実験でもそうなるだろう」と言明した。しかし公開実験の際に、参観者には知らせずに90度の岩角に1mm、45度の岩角には2mmの丸みをつけて実験を行った結果、ナイロン製ロープは麻製ロープに比べて数倍も強いという誤りの結果が得られ、そのように報道がなされた。」
・モンパルナスの灯:1958年フランス。モディリアーニを描いた映画。ジェラール・フィリップを初めて観たのだが一目で惚れた。顔良し、姿良し、演技良し。これこそ名優という佇まい。他の作品も観てみよう。35歳で逝去(モディリアーニと同じ)
・ユトリロ:実家でユトリロの展覧会の目録を眺めていてユトリロの人生を知る。母親は私生児(父親不明)、ユトリロ本人も私生児(父親不明)。母親は画家であり、いわゆる「芸術家的」な人生を送った人。若いときはモデルをしながらロートレック、セザンヌ、サティなどと交際、画才に目覚め画家となるが、その後もユトリロの友人と結婚など波乱万丈である。ユトリロはそんな母親のせいか、若くしてアル中となり精神病院への入退院を繰り替えす(生涯)。精神安定のために勧められて始めた絵画がはまり、膨大な作品の制作後に母をしのぐ画家となる(しかし決してアル中が治ったわけではない)。ユトリロの作品は主に風景画、それもモンマルトル周辺を限定に描いたが、写生はあまりせずに写真はがきからの引き伸ばし(模写)が多かった。ただしこの時代の写真はモノクロなので色はユトリロの感性と観察による。ユトリロは色使いが絶妙なんだよな・・・。ユトリロとモディリアーニとは短いながら親交があり酔いつぶれながらお互いを讃えあったとのこと。
・真田丸:三谷コウキは嫌いだが、この作品はなかなか面白く、録画で毎度遅刻だがいまだ続けて見ている。相変わらずの三谷演出は鼻につくが、確かな俳優陣のおかげ(ジャニーズ完全排除)で一定以上の作品に仕上がってきていると思う。特に真田家の歴史の空白をうまく使って、既成の事件を絡ませているのがよい(最近は幸村(信繁)の大阪人質を生かして秀吉の話で盛り上げている)。脇役では大谷吉次がよい。女性陣では草笛光子かな。真田十勇士はでるのか?幸村は大阪で死ぬのか?鹿児島へ落ちるのか?秀頼の父はもしや幸村では?真田幸村の逸話は学研まんがから柴練作品まで読んでいて思い入れがあるので、是非是非失速せず面白いままに終わってほしい。
・鶴田・谷津vsハンセン・天龍
オリンピックコンビvs龍艦砲である。ヘビー級による肉弾戦こそがプロレスの醍醐味である。三沢川田たちの四天王プロレスの原点がここにある。終盤のドロップキックとジャンピングニーの乱れ打ちは興奮のるつぼだ。結局最後まで元気なのは鶴田というのが笑える。80年代・・・最高!
Hansen & Tenryu vs Tsuruta & Yatsu (06.12.1989)