週末にRADWIMPSの野田洋次郎のバズりツイートが流れてきてて。日付をみると7月16日なんだとか。なんで10日も経ってからやねんと思ったがなるほどこれは延焼し続けるなと納得の見事な内容。たった二つのツイートで人種差別と優生思想(ナチスとホロコーストを即座に連想させる)、婚姻強制、異性婚観蹂躙、性的嗜好、各種ハラスメント(セクシャル、モラル、セカンドレイプなど)、国家介入、基本的人権、いじめの構造、Twitterでの言葉遣い、などなど、昨今話題になっている要素を尽く詰め込んだなんとも密度の濃い逸品。しかもこの週末は嘱託殺人事件で尊厳死や安楽死も話題になり更に障害者施設大量殺人事件から4年というタイミングで、まぁなんだろう、ダブル役満どころかトリプル役満という凄まじさ。自らのキャリアを犠牲にしてまで昨今話題の諸問題への意識を喚起し皆で議論させた功績たるや涙無しでは語れない。
……などと私まで半分冗談みたいな口調で話さなくてもいいか。いや余りに常識外れなので俄には信じ難くてな。二つ目のツイートでダメ押しすることで「きっとタチの悪い冗談なんだろう」というこちらの微かな期待を見事に打ち砕いてくれた。ここまでの有名人がこんな並外れた失言(私がレーベルの社長なら違約金を払ってでも手を切るよ)をするだなんて戦後教育の失敗の象徴みたいなものだろう。由々しき事態なんてものではない。商業邦楽勢の危機だと思った方がいい。「売れてる歌を歌ってるヤツはあんなんだ」と思われたら市場自体の存在価値がヤバくなる。あの超特大ヒット映画「君の名は」のサウンドトラック担当グループだぜ。もう4年も前だけど。
いちばん懸念されるのは、妄信的なファンが件の2つのツイート(引用する気は全く無いので知りたい人は自分で検索してください)の内容を支持する事だ。若いどころか幼い子達までいるだろうから悪影響は計り知れない。別にファンでもない私は何もしないが、所属レーベルは責任をもって対処するべきだと思う。ここは日本だからそうはならないが、ドイツならあわや逮捕だぞ。
これを他山の石とするにも、宇多田ヒカルはこういった発言から最も遠い人物だ。寧ろリスナーやファンに新進的な考え方を啓蒙する立場といえる。
今思い返してみても、危なっかしい発言といえば害獣駆除に関するツイートとシスジェンダーのことを“straight"と表現した事くらいだろう。前者は本人が気づいて即刻削除したし、後者は指摘から始まる議論自体が実りあるものだったと結論づけていて対話自体は前向きな雰囲気で纏まった。しかも終始英語だったから日本語圏では全く炎上しなかった。どちらも、何も問題ないどころか問題提起&喚起として非常に有意義だった。
そんな感じなのでヒカルに関して失言や炎上は全く心配していない。私が心配しているのは寧ろ……という話からまた次回。
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