薬物からの影響下で作られたロックをサイケデリック・ロックというが、これはロック全般にとって単なる1ジャンルにとどまらない。もっと広範な影響力をもっている。
20世紀最大のロックバンドといえばザ・ビートルズである。日本でも人気が高く有名だからわかりやすい。セールス的にも全音楽ジャンル通じてひとつのグループ がキャリアを通じて叩き出した最高の通算売上を記録している(1枚のアルバムでの最高セールスはマイケル・ジャクソンの「スリラー」である)。彼等のレパートリには明らかにサイケデリックと呼びたくなるものが幾つかある。カム・トゥギャザーなんかそうだね。詞に関していえばストロベリフィールズなんかもそれっぽい。また、彼等のうちのどなたかは薬物問題で日本入国に引っかかっていたりもする。
そのビートルズを表のナンバーワンロックバンドだとすると、裏のナンバーワンと呼びたくなるのがピンク・フロイドだ。彼等の代表作「狂気」はのべ742週に渡ってビルボードTOP200に居座り続けたのである。連続ではないにせよ約15年たった1ッのアルバムがランクインし続けたのだ。まさにモンスターアルバムと呼ぶに相応しい。
なぜこのアルバムはそこまで売れ続けたのか。そしてなぜ表のでなく裏のナンバーワンなのか。それは、この名作「狂気」がアメリカでドラッグパーティの定番BGMになっていたから、だというのだ。ちゃんと調べた訳ではないから真偽の程は定かではないが、仮にそうだとすると上記のとんでもない記録も頷ける。実際作品の内容も異世界にトリップする様な感覚があるので実にフィットしそうである。あまり表だって彼等をナンバーワンと呼ぶのも躊躇われるというものだ。
以上の様に20世紀のロックバンド裏表のナンバーワンが薬物文化の影響下にある。そんな状況で「薬物なんて廃絶だ」と私の様な濃ゆいロックファンが力説したところで説得力はない。そこらへんが実に痛いところである。
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