This Is The 1、という表現には、二通りの意味が考えられる。
ひとつは、100%という意味。理系でないと馴染みがないかもしれないが、パーセントとは単に0.01、1/100の事であって確率を表す単位ではない、というか確率は無次元数なので元々単位なんてないのだけど。従って、100%=100×0.01=1、即ち1=100%だ。
つまり、This Is The Oneとは物足りない所、至らない所がない、漸く"1人前"になりました、というニュアンスが込められている。このアルバムは、全体として確固たる世界を単独で作り上げていますよ、何の助けも注釈も要りませんよ、といった感じだろうか。
もうひとつは、"2以上では無い"という意味。普通の日本語で言えば"無二"、即ち唯一無二、これは他では聴けない、ここでしか聴けない二つとないものですよ、という事だ。オリジナリティに対する自信表明といったところか。
両者を併せると、0<1<∞、1つのものとして自立・確立していて他者にも依存しない。This Is "The One"とは、そんな"大人としての完成品"という思いが込められたアルバムタイトルなのだ。
だからこそ、実質的なアルバムタイトル曲である"This One"の副題が"(Crying Like A Child)"たりえる。"子供みたいに"泣く為には、ひとりの大人でなくてはならない。幾ら大人びた歌唱を披露できるからといって15の時に光がこの曲を歌ったとしても、「Like A Child、ったっておまえまだ子供じゃないか」と言われるのがオチである。自身も周囲も光が大人になったと自然に思えるようになったから、こういう歌が堂々と歌えるようになったのだ。
なお、実際の歌詞の中でのThe One、This Oneはそういった意味では用いられていないので要注意。てか、この『This One's For The Happiness』ってどういう意味なんだろ。ここから一年半後に『Goodbye Happiness』してしまう訳だが…。今度訳詞を読みながら考えてみるか。
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