”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

小麦色だね

2016-06-03 13:14:23 | “農”

袋井市では、田植えの終わった田んぼと並んで

このような風景が目に入ってきます。

 

   

小麦が収穫の時期を迎えています。

この地域では、水田を小麦や大豆の栽培にも利用しています。

   

小麦の生まれ故郷は、中央アジアから中近東の乾燥地帯。

 

日本に伝わったのは4~5世紀と言われていますが、

次の理由で、なかなか栽培が広まりませんでした。

 ・小麦の栽培は、日本のようなじめじめした気候よりも乾燥地を好む。

 ・収穫時期が梅雨時と重なるため敬遠されてきた。

 ・湿地を好む米の栽培の方が広まりやすい。

    

しかし、8世紀頃になると、

小麦の栽培を奨励する動きが現れました。

理由は、小麦は盛夏までに収穫ができるので、

稲に比べて、夏の干ばつや台風の影響を受けにくいから

というものでした。

   

収穫時期は6月頃で変わらないのに、

それが敬遠される理由にもなり、また奨励される理由にもなり…。

小麦が本格的に栽培されるようになるまでには

紆余曲折があったことでしょう。

  

   

小麦色の景色を見るたびに、

私は七夕に食べられる素麺のことを考えます。

  

七夕に素麺をお供えしたという記録は、

延喜式という平安時代の書物に記されています。

もちろん、この時代の素麺というのは手延べ素麺ではなく、

中国から伝来した索餅(さくべい)という

小麦粉と米粉を混ぜて作る麺ですが・・・。

   

七夕に素麺をお供えする理由として、

 ・索餅(さくべい)を食べると、1年間無病息災で過ごせるという

  中国の伝説にあやかった。

 ・素麺を天の川や織姫の糸に見立てた。

などの説がありますが、私は、

小麦が無事収穫できたことを神様に報告し、感謝し、

次も豊作であることを願う

その気持ちが込められているように思います。

 

 

コメント
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