”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

あめりか芋

2016-03-13 10:26:46 | 在来種 伝統野菜

これも、東京野菜。

 

  

東京都港区の竹芝桟橋から南へ約160kmのところにある新島で

古くから栽培されてきた「あめりか芋」です。

あめりか芋は、一般的には「七福」と言われています。

   

とってもかわいい白いさつまいも。

いただいたものの中でも一番大きなものが8cm、

一番小さなものは4cmほどでした。

   

生の状態でカットしてみました。

 

 

肉色も白いですね。

 

   

新島にさつまいもが伝わったのは、享保20年と言われています。

砂地のため稲作ができなかった新島では、

さつまいもが導入される前までは、

麦、里芋、栗、大豆、ささげ、大根などがわずかに採れる程度で、

たびたび飢饉に襲われていました。

そのような中、さつまいも栽培が成功し、

さつまいもは島民の重要な食料になるだけでなく、

島外にも出荷できる作物へと成長していきました。

   

様々なさつまいもが新島に導入される中、

なぜ、この「あめりか芋」が島民に愛され、

定着していったのでしょうか?

  

その理由には、あめりか芋の持つ2つの特性が考えられます。

●あめりか芋がやせ地を好む。

 砂質の新島の土壌は、保水力が低く、肥料分を保つ力が弱いのですが、

 その性質はさつまいも栽培に向いています。

 特に、あめりか芋はそのような土壌を好むようです。

 

●あめりか芋は長期の貯蔵ができる

 稲作のできない新島では、昭和30年代頃までは、

 さつまいもと麦が主食でした。

 そのため、秋に収穫したさつまいもは、翌年の麦が収穫できる5月頃まで

 貯蔵しておく必要がありました。

 そして、その時期まで腐らずに保存できたさつまいもが、

 このあめりか芋でした。

 

   

こうして、新島の人々の生活を支えてきたあめりか芋。

でも、なぜ「あめりか」なのでしょうか?

広島県の久保田勇次郎氏が明治33年に

アメリカから日本に導入した品種だから

という記述を見つけました。

 

   【オーブンで40分焼いたあめりか芋】

   

 

レトロ感が漂うこの平仮名の表記もすてきだと思います。

さあ、どんなふうにお料理に使いましょうか。(^^♪

 

コメント
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