これも、東京野菜。
東京都港区の竹芝桟橋から南へ約160kmのところにある新島で
古くから栽培されてきた「あめりか芋」です。
あめりか芋は、一般的には「七福」と言われています。
とってもかわいい白いさつまいも。
いただいたものの中でも一番大きなものが8cm、
一番小さなものは4cmほどでした。
生の状態でカットしてみました。
肉色も白いですね。
新島にさつまいもが伝わったのは、享保20年と言われています。
砂地のため稲作ができなかった新島では、
さつまいもが導入される前までは、
麦、里芋、栗、大豆、ささげ、大根などがわずかに採れる程度で、
たびたび飢饉に襲われていました。
そのような中、さつまいも栽培が成功し、
さつまいもは島民の重要な食料になるだけでなく、
島外にも出荷できる作物へと成長していきました。
様々なさつまいもが新島に導入される中、
なぜ、この「あめりか芋」が島民に愛され、
定着していったのでしょうか?
その理由には、あめりか芋の持つ2つの特性が考えられます。
●あめりか芋がやせ地を好む。
砂質の新島の土壌は、保水力が低く、肥料分を保つ力が弱いのですが、
その性質はさつまいも栽培に向いています。
特に、あめりか芋はそのような土壌を好むようです。
●あめりか芋は長期の貯蔵ができる。
稲作のできない新島では、昭和30年代頃までは、
さつまいもと麦が主食でした。
そのため、秋に収穫したさつまいもは、翌年の麦が収穫できる5月頃まで
貯蔵しておく必要がありました。
そして、その時期まで腐らずに保存できたさつまいもが、
このあめりか芋でした。
こうして、新島の人々の生活を支えてきたあめりか芋。
でも、なぜ「あめりか」なのでしょうか?
広島県の久保田勇次郎氏が明治33年に
アメリカから日本に導入した品種だから
という記述を見つけました。
【オーブンで40分焼いたあめりか芋】
レトロ感が漂うこの平仮名の表記もすてきだと思います。
さあ、どんなふうにお料理に使いましょうか。(^^♪