哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

木曽義仲と芭蕉の眠る義仲寺(写真)

2008-03-31 06:49:31 | 写真
義仲に添ひて芭蕉の墓建つる
義仲寺こそは侘び寂びの満つ      樋田哲夫

 大津市・義仲寺は旧東海道を挟んで琵琶湖に面した景勝地であったらしい。現在は埋め立てられて湖は遠くなっている。800年前平氏討伐に挙兵した木曽義仲は北陸路に大勝したが、なぜか頼朝の不興を買い、命で都へ上った範頼、義経に敗れた。その地が義仲寺である。後年芭蕉がなんども訪れ、遺言により義仲と眠る。

鈴とネズミ(墨彩画)

2008-03-30 07:52:48 | 墨彩画
                 (はがき大)
光陰のことわざにぞある子の歳も
早に過ぎたり四分の一       樋田哲夫

 光陰矢のごとしのことわざにあるように、早くも子歳が3ヶ月を過ぎた。陽春を迎えるのはよいが、それだけ一緒に年齢を重ねて寂しいものだ。その間にいろいろな事件が起きた。安易に人を殺す理由が誰でもよいという。中国から輸入された食の農薬混入事件。日銀総裁不在。道路特定財源の問題など次つぎと起こる。 にほんブログ村 美術ブログへ

蝶・鳥の 芭蕉(書)

2008-03-29 05:08:15 | 
蝶・鳥のうはつきたつや花の雲         樋田哲夫

 新聞の「桜だより」の欄にはつぼみや咲きはじめとある地がほとんどだが、五部咲きが登場しだした。28日のJR西日本調べによる。いよいよ春本番である。芭蕉は蝶や鳥が浮き立つと詠んでいるが、春の暖かさに浮き立つものは蝶や鳥ばかりではない。春らんまんから新緑を迎え、地上の生物、植物すべてが寒さからの開放に躍動する季節となる。

西国三十三札所穴太寺(写真)

2008-03-28 06:45:34 | 写真
患へる人らの部位をみ仏は
受けて触りの黒光りせり          樋田哲夫

 亀岡市の穴太寺(あのうじ)は丹波屈指の古寺である。度重なる兵火に現在の本堂は江戸後期の再建である。その堂内には室町時代の木彫涅槃(ねはん)像があり、参拝客が自分の病む部位を仏に受け止めてもうよう、自由になでることができるため黒光りしている。他の寺の外陣に見かける賨頭慮尊(びんずるそん)に似ている。

虎の叫び(墨彩画)

2008-03-27 07:43:47 | 墨彩画
ペナントのあすに始まり虎ファンの
高き叫びは天に届くや          樋田哲夫

 2008年のセ・リーグ開幕を明日に控えて、永いペナントが始まる。阪神タイガースの選手一同はきのう地元の西宮神社に必勝祈願を済ませた。2003年の優勝から遠のいているので熱烈な虎ファンの叫びは天まで届くか。あすの開幕戦の対横浜線は京セラドームだが高校野球で甲子園は使用でずロードはやむええない。 にほんブログ村 美術ブログへ

見かへれば 来山(書)

2008-03-26 04:48:28 | 
見かへれば寒し日暮れの山ざくら           小西来山

 来山はこのブログ初登場。大阪の薬種商に生まれ家業は弟に譲り談林派の西山宗因に学ぶ。「門松や冥土の旅の一里塚」が来山の句とあり不思議に思った。一休宗純の歌に「門松や冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」があるからだ。一体これはどういうことなのか。山ざくらはソメイヨシノより少し遅く咲き花と新芽が同時となる。

西国三十三札所松尾寺2(写真)

2008-03-25 06:50:17 | 写真
お大師に命のあるを喜びて
般若心経静かに唱ふ        樋田哲夫

 松尾寺の大師堂は本堂と渡り廊下でつながり、雨や雪の心配はない。堂宇の周囲は雪が残り冷え冷えとして老体にはこたえる。大師堂に足を踏み入れると奥はうす暗くお姿は判然としないが、現在無事命のあることに感謝して般若心経一巻を唱える。その間不思議に寒さはどこかへ消えている。

鳩ノ巣渓谷(水墨画)

2008-03-24 06:30:57 | 水墨画
若葉よし紅葉もよし奥多摩の
清き流れは奇岩を縫ひて          樋田哲夫

 立川からJR青梅線で奥多摩へ向かう終点近くの鳩ノ巣から白丸は絶景の渓谷と平行して50分ほどのハイキングに適し、夏場でも水は手を浸けると冷たく疲れを癒してくれるという。季節にはマス釣りの人らでにぎわい、絶景は数馬峡橋から眼下40㍍の清流が最高とか。日本には他国にない景勝地がいくらでもある。にほんブログ村 美術ブログへ

花びらの 抱一(書)

2008-03-23 05:54:12 | 
花びらの山を動かす桜かな        酒井抱一

 抱一は江戸後期の絵師。播州姫路藩主酒井忠j以の弟。若いころから俳諧(はいかい)や狂歌、浮世絵に才能を発揮して、尾形光琳に私淑し、琳派の装飾的な画風を受けついだ。桜は遠くから見るともう花ではない。ピンクの山と化す。風が強く木々の枝を揺らせば山が動く感がある。全山染め上がる吉野山ではまさにこんな光景となろう。

西国三十三札所松尾寺(写真)

2008-03-22 07:50:37 | 写真
桜待つ里に若狭の松尾寺は
雪の残りて春まだ遠し        樋田哲夫

 舞鶴市の秀峰で別名若狭冨士の青葉山(699)の中腹に松尾寺はある。下界の里は桜の開花を迎えているが、北国で標高の高い松尾寺境内は雪が大量に消え残り寒さが厳しい。札所は概して高い山腹に立建てられている。機械動力のない時代によくもこんなに高い山に建設されたことに感心させられ、一層霊験あらたかになる。

鯉の滝登り(墨彩画)

2008-03-21 07:12:45 | 墨彩画
ありえなきことが絵になる何ゆえに
滝登りする鯉の雄雄しさ         樋田哲夫

 コイは急流を嫌う淡水魚で滝を登ることありえない。川の深みに静かにして動きはほとんどしない。なぜ画材となるのだろう。フナに似ているが、2対の口ひげを持ち、やや細身である。60㌢にもなり、時には主と呼ばれるほどの1㍍をこすものもいる。琵琶湖や淀川ではすんでいると聞く。食用にもなり養殖魚である。 にほんブログ村 美術ブログへ

さまざまの 芭蕉(書)

2008-03-20 06:51:30 | 
さまざまの事おもいだす桜かな      芭蕉

 いよいよ桜の開花も間近となった。昨夜のニュースは2回目の開花予想を発表した。大阪は3月26日となっていた。桜の名所は多数あるが、一度出かけたところは外して、まだの場所を探してみる。青春18切符を利用すれば、範囲はずいぶん拡大する。気分は桜を見る前から様々なことを考えさせてくれる。ましてや桜を見ればなおさらである。

福知山三段池公園(写真)

2008-03-19 07:23:31 | 写真
人気なき三段池の公園の
春の陽漏れる松林を行く       樋田哲夫

 福知山中心街から東北部の丘陵地に市民の憩いの場所として三段池公園がある。整備された環境の中に総合体育館、児童科学館、公園動植物園がある。広大な自然の池を外周する遊歩道があり、青い池の水は松林を映し出して閑静なたたずまいであった。桜の咲くころは大勢の人が訪れて公園全体が賑わうだろう。

赤いツバキ(墨彩画)

2008-03-18 06:24:48 | 墨彩画
古事記にも万葉集にも記される
椿なる字は日本の文字        樋田哲夫

 椿は漢字ではなく、日本が作り出した国字である。古くからある花木で古事記にも万葉集にも詠まれている。革質の葉で光沢があり常緑樹である。演歌歌手の小林幸子が歌う「雪椿」はどんな花を咲かせるのだろうか。豪雪地帯にも咲く力強さがあるのか、歌詞は不出来な男にほれてしまった女の健気さが歌われている。 にほんブログ村 美術ブログへ

妹よ来よ 虚子(書)

2008-03-17 06:45:27 | 
妹(いも)よ来よここの土筆は摘までおく        高浜虚子

 土筆はスギナの地下茎から早春に生ずる胞子茎。土手や空き地の草むらに芽を出す。筆の形をしていることからこの字を当てている。食用となり、子供たちにも親しまれる一つでもある。この句は妹思いの兄が全部を摘まず、妹に残しておくという兄妹愛がにじみ、子供ながら気遣いが幼気(いたいけ)で美しい。