哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

堺荒川(こうぜん)公園

2010-02-28 06:50:20 | 写真
四阿に強く香りの流れゐて
憩ひつつ詠む荒川の梅       樋田哲仙

 堺市山手の宮山台に梅の荒川公園の存在をミニコミ誌で知った。本数も敷地も触れず、見ごろとあるだけだった。朝の好天を確認して1時間余自動車で訪ねた。元は神社所有地で市が取得した17㌶の広大さ。昭和59年~60年にかけて梅50品種、1400本を植栽した一大梅林となっている。大阪城梅林が有名で開花時には観梅客で賑わうが、広大さ、本数その比ではなく立派な梅の公園である。

春を待つ水草(水墨画)

2010-02-27 06:52:51 | 水墨画
柔らかき光に葦の芽吹くかに
春一番はいまだ吹かねど         樋田哲仙

 25日は南よりの暖かい風が吹いた。春一番の発表かと思われたが、中国四国地方のみで、近畿地方には未発表となった、。もう一つ風が弱かったのだろう。春一番は立春から春分までの間に日本海に低気圧が発達し、10間平均風速8㍍以上吹かねばならない。さらに、大阪、京都、奈良、和歌山、姫路のうちの3個所で満たす必要がある。条件不足であったようだ。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

古今集第二番袖ひちて(書)

2010-02-26 06:49:10 | 
袖ひちてむすびし水のこぼれるを
春立つけふの風やとくらむ      紀貫之

 夏には袖の濡れるのも構わずに山の清水を飲んだが、冬に凍てついてしまっても、立春の今日には風も暖かくて解けて流れていることだろう。「ひつ」は濡れること。「むすぶ」は凍てること。「こぼれる」は文語では下二段で連体形にはこぼるるとなるのだが。この歌は立春に詠んでいる。

マラソンボランティア(写真)

2010-02-25 06:38:14 | 写真
沿道に迎へて選手支援する
ボランティアらの声温かし        樋田哲仙

 泉州国際市民マラソンを支援するボランティアは6千人。参加する選手の3千人をはるかに上回る。沿道に立ち、観客の監視、交通の誘導から選手らに飲み物を手渡しなど多岐にわたる。学校の陸上部、自治体の体育協会、教育委員会、防犯委員会、婦人会など多彩となっている。マラソンは多数の支援なくして成り立たない。また、天気もままならず、悪天候も時にある。運営する各関係者にご苦労さんといいたい。

ひな飾り(墨彩画)

2010-02-24 07:05:53 | 墨彩画
鴻巣の産地の意気のひな壇は
日本一の高さと誇る        樋田哲仙
 ひな人形の産地として380年の歴史の埼玉県鴻巣市の市役所にピラミッド形の巨大ひな壇をニュースで見た。開催中の「鴻巣びっくりひな祭り2010」の飾りは29段、6・45㍍の高さで日本一という。今年は6回目で毎年高さを更新し2段アップ。ひなは県内外から集められた1766体。今後も高さを更新し続けるそうだ。一方、徳島県勝浦町のひな壇も自称日本一を誇る飾りがある。はてさて。 にほんブログ村 美術ブログへ 

古今集第一番年のうちに(書)

2010-02-23 06:58:54 | 
年のうちに春は来にけりひととせを
去年とやいはむ今年とやいはむ      在原元方

 年内というのに、もう立春が訪れた。立春が来たからには過ぎ去った1年を昨年と呼ぶのだろうか。それとも正月が来るまでは今年と呼ぶべきだろうか。原則新年と立春は同じであるが、平安期の陰暦ではうるう年があり、同じ月が繰り返されて、12月中に立春が来ることがある。これを「旧年立春」という。まさにこの歌はそれを詠んでいる。今回から古今集を掲載する。

泉州国際市民マラソン(写真)

2010-02-22 06:44:59 | 写真
マラソンの厳しさ耐えて参加者の
活力見れば若さ戻り来       樋田哲仙

 泉州路に春を告げる第17回泉州国際市民マラソンが快晴の21日(日)に行われた。午前11時に堺市浜寺公園をスタートし泉佐野市りんくう公園までの公認コースで招待選手を含む市民ランナー3千人の男女が参加した。毎年終盤近くの海沿いにカメラを構えて往復の様子を収めた。来年秋には大阪マラソンが新設され、東京マラソンに匹敵する3万人規模の市民ランナーが見られることになる。

川の流れに輝き(水墨画)

2010-02-21 07:15:01 | 水墨画
やうやくに雨水の過ぎて陽の差せば
川の流れに輝きの増す        樋田哲仙

 春に一歩近づく雨水は2月19日で、虫の出始める啓蟄は3月6日だ。さらにはでお水魯へと急ぎ足に春に進む。まだ2月であるが日差しは新年の頃とは明らかに強さを増している。3月に入れば気温も上がり、春へと加速する。今年は50年続いた気象庁の桜の開花予想も民間に譲った。先日の民間会社の予想では例年より4,5日早そうだ。 にほんブログ村 美術ブログへ 

百人一首第百番百敷や(書)

2010-02-20 07:02:49 | 
百敷や古き軒端のしのぶにも
なほあまりある昔なりけり       順徳院

 朝廷の権威も落ち、内裏の御殿も古くなって軒端にしのぶ草が生えている有様。威光の高かった時代が懐かしく忍ばれて仕方がない。順徳院は後鳥羽天皇の子。鎌倉幕府北条義時追討の承久の変で失敗し佐渡へ配流。その地で崩御した。朝廷から武家の時代へ完全に移行した時代である。今回で百人一首は終了。次回からは古今和歌集に挑戦し掲載予定。

水仙郷から沼島(写真)

2010-02-19 06:54:55 | 写真
水仙に酔ひたる道の頂は
見下ろす海のはるかに沼島        樋田哲仙

 水仙郷は上り始めて頂上までは時間はかからない。甘い香りに酔いながら道の左右に目を奪われてしばらくで峠に出る。急に視界が開けて壮大な太平洋が眼科に飛び込む。数本の梅の木の香りも溶け込んで仙境にたどり着いた思いになる。海の遥には沼島が浮かぶ。ここまでが兵庫県で、北は日本海までと南北に長く本州を輪切りして貫く。

また雪が(水墨画)

2010-02-18 06:02:28 | 水墨画
今夜からあしたにかけて関東に
雪降るほどの今年の寒さ      樋田哲仙

 関西でも日中は冷たい風が吹いた。日課の散歩に家を出てすぐに戻って軍手をはめた。家並みを抜けるとまともな風にフードを立てた。2月中旬はまだまだ寒い。夜のニュースで中国地方日本海側、関東、東北地方太平洋側には今夜から明日にかけて雪と報じた。えッ、また雪か、うんざりするの声が関東から聞こえて来そうだ。 にほんブログ村 美術ブログへ 

百人一首第九十九番人もをし(書)

2010-02-17 06:09:39 | 
人もをし人もうらめしあぢきなく
世を思ふ故に物思ふ身は        後鳥羽院

 天下のことは北条に抑えられてしまって、朝廷の権威も落ちて思うようにならない。世の中を立て直してよくしようと思うのだが、悪人が悪政をするので恨めしく思っている。後鳥羽院は北条の専横振りを滅ぼそうとして失敗、隠岐へ流島。その地で崩御。平安時代最後の天皇。

水仙郷遊歩道の曲折(写真)

2010-02-16 06:51:25 | 写真
上り来し道の曲折すさまじく
返りて見れば花消えるかに       樋田哲仙

 水仙郷の遊歩道は45度の急斜面を上るため、曲折がきつくアクセントとなっている。進むときはそれほど感じないが、上方で振り返ると水仙の中の遊歩道は目を奪われ、周辺の花が、一瞬消えるかのように錯覚する。駐車場からの高低差はたいしたことはないのだが。一帯は水仙の甘い香りに包まれ、仙境を作り出している。

思い出の峰(水墨画)

2010-02-15 06:05:35 | 水墨画
神経の痛みに山を控えれば
歩きし峰の浮かび来るなり        樋田哲仙

 ひどいことはないが2~3年前から足の神経痛が出た。普段の暮らしには何の支障もなく道を歩くかぎり他人には不自然さは感じられないはずだ。ただ、階段や坂となると急に速度が落ちる。以来好きな山歩きは休んでいる。よく歩いた和泉山脈の峰々は時々浮かんでくる。気候がよくなり、花粉の心配もなくなればどうかと思うのだが、今は山を思い出すだけだ。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

百人一首第九十八番風そよぐ(書)

2010-02-14 07:15:50 | 
風そよぐ楢の小川の夕ぐれは
みそぎぞ夏のしるしなりける       従二位家隆

 風がそよそよと楢の木の葉に吹きわたる奈良の小川の夕ぐれは涼しくて秋の気配を思わせるが、大祓の禊が行われているから、まだ、夏の証拠といえよう。禊は身の穢れを洗い落とす行事で、6月と12月の末に行われる。ここでは6月の方。ならは楢と奈良の掛詞。藤原家隆は俊成に師事し、新古今集の選者の一人。