哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

アジサイの最後は(墨彩画)

2012-07-31 06:23:06 | 墨彩画
落つることなく紫陽花のしぶとさは
花弁にあらず萼(がく)なるがゆゑ         樋田哲仙

 アジサイの花と我々が呼ぶところは花弁ではなく額である。、植物学ではそうなるらしい。花は中央部にほとんど目立たない大きさで、これが花かと驚く。このことが長持ちの重要な秘密となる。花弁は落ちるが、萼は落ちない。色こそ枯葉色に変化していくが晩秋になってもしぶとくへばりついている。放置すればいつまでも無残な姿でさらけ出すことになる。 にほんブログ村 美術ブログへ

日本の滝百選猿尾滝(写真)

2012-07-29 05:57:58 | 写真
猿尾滝走る道路の案内に
立ち寄りてみる滝の百選        樋田哲仙

 兵庫県香美町の国道9号線で突然あらわれた猿尾滝に立ち寄ると日本の滝百選とある。2段の段瀑で。上段が39m、下段が21mの高さ60mとなる。6月下旬の雨期ながら細い滝である。日本の滝百選となると全国に散らばっていて山深く簡単にはいけないのが普通である。この滝はすぐ近くまで車で行けるからありがたい。

気象情報に思う(墨彩画)

2012-07-28 05:41:22 | 墨彩画
梅雨あけて赤一色の日照りなる
天気画面は薔薇咲くごとし        樋田哲仙

 梅雨があけて太平洋高気圧が日本列島へ広がり、天気情報は日照りマークが各地をうめつくしてテレビ画面は赤一色となっている。まるで真っ赤なバラの花が咲いたようだ。毎日眺める天気情報はしばらくの間変化はない。この暑さで熱中症の患者数もうなぎのぼり。今夏搬送された人は11、000人を超え、死者は51人となっている。夏本番とはいえ、始まったばかりである。

笠置山磨崖仏弥勒菩薩(写真)

2012-07-26 06:06:40 | 写真
笠置山上りて知るは頂に
巨岩を刻む磨崖の二体           樋田哲仙

 京都府笠置町にある標高289㍍の笠置山は歴史の山で、南北朝時代後醍醐天皇の行在所が置かれたことで知られる。山頂に笠置寺があり巨岩に信仰を求める磨崖仏の弥勒菩薩と虚空像菩薩の2体が座す。前者は高さ16㍍の花崗岩に線刻されているが長年の風雨で尊像が消えて判然としない。鎌倉時代の作とあるが残念である。

スズメの逆上がり(墨彩画)

2012-07-25 05:14:44 | 墨彩画
幼らに早く知られて雀ほど
人の暮らしに近き鳥なし       樋田哲仙

 スズメは人間の暮らしに最も身近なところで生息して子供から親しまれている。山間部では天敵が多くて生きられない小鳥である。草の実、雑穀、虫を主食にしているが、コメを食べる害鳥とも益鳥ともなる。保育所や幼稚園で子どもは童謡から名を知る。体長15㌢の小鳥はぴょんぴょんと足を揃えて跳ねるホッピングを得意とする。

剣豪の里の一刀石(写真)

2012-07-23 05:43:47 | 写真
山深く岩が一刀両断の
ごとくにあるは剣豪の里        樋田哲仙

 芳徳寺からさらに奥へ徒歩で10分ほど進むと天立石神社がある。新しさの残る鳥居が意外であり、清掃も行き届いていて村人がこまめに行っているのだろう。小さな境内にある巨石が真っ二つに断ち切られて自然の造形であるから不思議である。柳生一族の剣豪の里にふさわしい。ここへは別ルートでたどれば車で近くまで行ける。

ハスの実(水墨画)

2012-07-22 05:32:01 | 水墨画
願ふ世に輝き咲きて実を結ぶ
浄土の蓮の二週間後は          樋田哲仙

 ハスは仏教にかかわりが深く寺院の池や沼に多く見かける。。時に悪臭のする泥田から長い茎を伸ばして華麗な16弁の花をつける。一点の陰れもなく咲くことから仏教の浄土の世界にかかわりを持つ。7月下旬が盛りで3日間で花弁を落とし中の実は盆前に成熟する。子供の頃よくおやつとして食べた。しこしことして歯ごたえがあり楽しくもあった。

柳生藩主菩提寺芳徳寺(写真)

2012-07-20 06:04:24 | 写真
無念なり見ずして去りぬ芳徳寺の
柳生一族累代の墓所           樋田哲仙

 芳徳寺は柳生藩主柳生家の菩提寺である。石舟斎の子宗矩の開創、沢庵宗澎の開山となる。ほどなく焼失。現在のものは寛永年間に再建。二度目の訪問となるが、記憶のない部分が多い。帰宅後観光案内で寺の裏側に墓所のあること知り、惜しい限りである。それにしても案内表示があってもいいのではないだろうか。再度の訪問には見落とすことしまい。

池にオモダカ(墨彩画)

2012-07-19 06:11:16 | 墨彩画
オモダカとクワイの見分けつけがたく
今しばらくは注意して見む         樋田哲仙

 姿形はきわめてよく似ている。生育環境も池、沼、水田となり、クワイの根茎は正月の食用品とされ、里イモよりもかたくておいしい。クワイは葉は浅い緑で柔らかい。オモダカは昨年山田池で見かけたが濃緑色で、硬く、表面が筋だっているように感じた。アジサイの咲くころに黄色の小さな花を見た。もう少し違いを注意深く観察する必要がある。

柳生の里の十兵衛杉(写真)

2012-07-17 05:40:38 | 写真
落雷に十兵衛杉は枯死すれど
天空を指す剣豪の里         樋田哲仙

 柳生の里に十兵衛杉がそびえる。江戸初期の剣客柳生宗矩の子として新陰流を修め、名をとどろかせた柳生十兵衛の名を冠している。諸国漫遊の旅立ちに際して、墓前に杉を植えたとされる十兵衛杉は「昭和42年二度もの落雷に立ち枯れた。現在も白骨木として立っている。樹齢350年の銘木は威厳を保ちつつ、里のシンボルとして名は生き続ける。