哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

田の神様への祈り(水墨画)

2011-12-31 06:18:23 | 水墨画
収穫を無事に済ませて田の神へ
深く祈るは農家の思ひ       樋田哲仙

 現代人は祈ることを忘れ去ったようだ。神仏の存在を否定して科学的とも、理知的ともいえる考えが頭脳の大部分を占有しているのだろう。昔といっても、そんなに遠くない時代だが、なにかにつけて感謝の念を重んじ暮らしの中に取り入れていた。農産物の収穫にも漁師なら漁獲にも、社寺の古木にも山岳に信仰として神を崇め生きていた。今はすっかり感謝することの行為をどこかへ忘れ去ってしまった。  にほんブログ村 美術ブログへ

敦盛と直実の一騎打ち(写真)

2011-12-29 06:07:25 | 写真
敦盛と直実ここにまみえるは
武士の定めか一の谷とは      樋田哲仙

 参議平経盛の子敦盛は源義経方の武将熊谷直実と一の谷で騎馬にあいいまみえて討たれた。15歳の若年であった。1184年の一の谷の戦いである。鵯越えの奇襲に平氏には油断があったのか。須磨寺を訪ねて、その騎馬戦の様子が再現されている。平家はこれ以降西へ敗走し、遂に壇ノ浦で終焉を迎えることになる。写真の左が敦盛

牛を見ると思うこと(水墨画)

2011-12-28 06:50:58 | 水墨画
昨年は口蹄疫が宮崎に
畜産農家狂ひて襲ふ       樋田哲仙

 牛を見ると思う。平成23年3月宮崎県南部に突如発生した口蹄疫が畜産農家の牛、豚を襲った。強力な伝染力で健康な状態のうちから、拡大を防ぐために28万頭の牛、豚が殺処分された。その被害額は1400億、関連で950億と畜産王国の地域経済に大打撃を与えた。7月になってようやく終息泉宣言が出された。鳥インフルエンザと異なり感染経路は判然としない。 にほんブログ村 美術ブログへ

寒ぼたんの囲いは高い((写真)

2011-12-26 06:21:01 | 写真
雨雪と霜によけれど寒牡丹
囲へる菰の腰高かりし      樋田哲仙

 春に華麗な花を開く春ぼたんは和傘で日覆をするが、一方寒ぼたんは風雪からの守りで藁で囲う。どちらも花へのいたわりと目に映り、風情を醸し出す。だが、絵に見る寒ぼたんは光景があまりにもかけ離れている。ほたんの丈が高すぎて菰にせざるを獲ないのだろう。下方がすけすけで吹きさらしも同然である。画は実景を写しているのではない。画家が都合よく筆を走らせていることになる。

馬の背に振り分け荷物(水墨画)

2011-12-25 06:15:06 | 水墨画
労役に馬を使ふは懐かしき
子供の頃に見て以来なく       樋田哲仙

 馬を農耕の労役にする時代から離れてもう古い。まだ、自動車の普及しない子供ころ、荷馬車は見たことがある。荷物の移動手段として、原始的ながら、当寺はごく自然のことだったようだ。それを見たのは、ほんの短い期間でトラックに変った。峠を越える時代劇の映画の一場面はよく見たのだが。私より年若い人は見ていなはず、今昔の感がある。 にほんブログ村 美術ブログへ

寒ぼたんと晶子の歌碑(写真)

2011-12-23 06:53:16 | 写真
寒牡丹盛りの過ぎて染寺は
文人たちの句歌碑をめぐる         樋田哲仙

 石光寺は別名染寺とあるが、前者の寺名が圧倒的に高い。天智天皇の御世からの創建で古刹であり、文人たちの訪問を多数憂げている。句歌碑は与謝野鉄幹、晶子夫妻、阿波野青畝、釈迢空、皆吉爽雨、桂信子外多く見られ、境内は決して広大ではないのにたいしたものである。背後に歴史ロマンの二上山を控えている。写真の歌碑は晶子の「初春や当麻の寺へ文かけば奈良の都に住むここちする」

待たれる来年の金環日食(墨彩画)

2011-12-22 05:53:33 | 墨彩画
良くぞ生く確かめみたきは来年の
五月下旬の金環日蝕       樋田哲仙

 来年5月21日、日の出直後に始まる金環日食は世紀の天体ショーで、日本列島の大部分の太平洋側に観測されるという。後5ヶ月に迫ってきた。40代50代に聞いたときは果たして生きていられるか、遠い先のことと思った。よくぞここまで生きてきたものだ。健康に恵まれ、どうやら観測できる射程に入った。南部へ行くほど美しい金環になるようだ、後は天気を祈るばかりだ。 にほんブログ村 美術ブログへ

石光寺かんぼたん(写真)

2011-12-20 06:27:06 | 写真
ニュース見て今年も寺を訪ねども
牡丹の盛り見ること難し       樋田哲仙
 奈良葛城市にある石光寺は寒ぼたんで名高い。花の名のおある寒ぼたんから寒中の花とばかり思っていたが、今年の盛りは11月下旬だったそうだ。入山する前に受付での説明である。今年も外したことは間違いない。少しはまだ観賞できるとのことで中へ入ったのだが。どの花にしてもタイミングの難しく、3日に上げず訪ねばならない。

川に湯気立つ季節(水墨画)

2011-12-19 05:37:56 | 水墨画
                             はがき大
  
けあらしの立つ川に手をいれなくに
寒さに震ふ今朝の冷え込み       樋田哲仙

 気温と水温の差が大きいとき、蒸発する水分が霧となるのは秋ごろであり、冬場はけあらしと呼ばれる。急に冷え込み強風が吹くとながれがはっきりと見える。大河や湖面に見られる。これから北国では時々見られるだろう。海面ではけあらしは見たこともなく霧ぐらいである。 にほんブログ村 美術ブログへ

須磨関守稲荷神社

2011-12-17 05:15:59 | 写真
須磨の地は高貴の人ら風光に
心をば寄す古歌のあまたに       樋田哲仙

 山陽電鉄須磨駅近くの食堂の従業員に関守稲荷神社を尋ねても分からない。これでは目的の神社はたいしたことはないと予想はつく。が、直ぐに見つかった。こじんまりとした朱塗りの稲荷さんである。須磨は貴人が多数訪れて古歌を残している。藤原行平、家孝、孝信、俊成、寂蓮法師などの名が記されている。百人一首第78番「淡路島通う千鳥の鳴く声に幾夜寝覚め須磨の関守」源兼昌の歌碑も建っていた。本日でブログ2400回。