哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

古今集第二百八十七番秋はきぬ(書)

2012-06-30 05:13:19 | 
秋はきぬ紅葉は宿にふりしきぬ
道ふみわけてとふ人はなし       詠み人知らず

 寂しい秋になった。紅葉は我が家の庭にいっぱい散っている。その紅葉に埋まった庭の小道を踏み分けて、私を訪ねる人は一人もない。

潮岬灯台(写真)

2012-06-29 06:10:01 | 写真
穴蔵のごとき階段抜け出でて
灯台よりの本州南端        樋田哲仙

本州南端は紀伊半島・潮岬のことで、灯台が熊野灘の海難防止の働きをしている。チケットを購入する際受付の女性が日本の灯台で登れるのは4ヶ所だけですと教えてくれた。階段の急は理解できるが、最後に体がやっと抜け出せるだけの狭い穴のようなところがある。リュックを背負っていたら通れない。建設当時は観光で人を入場させる意はなかったのだろう。

アサガオ咲き始める(墨彩画)

2012-06-28 06:19:43 | 墨彩画
研修の終はりし帰途に塀を這ふ
朝顔早も花の咲きをり        樋田哲仙

 アサガオの咲くシーズンは夏と相場が決まっている。では正確にいつごろ咲き始めるかは知らない人も多いだろ。そろそろ時期が来ているのだがと、外出時に注意をしていると、3日前研修帰りの途中民家の塀で確認ができた。日本古来の種類ではなく、洋物である。この種は一旦咲き始めると12月まで楽しめる。数も千、万と和種のものとは桁が違う。にほんブログ村 美術ブログへ

本州最南端の潮岬突端から(写真)

2012-06-26 05:36:41 | 写真
いかなるも潮岬に意を持ちて
外洋見れば地球は丸し        樋田哲仙

地球の球体は共通の認識である。今回、本州最南端の潮岬展望台からはるか外洋を眺め、微かなに弧を描いて地球が丸いことを実感した。器具を使用することなく意識さえすれば視界に確かめられる。日本は島国で、各地の突端に立てば簡単に確認できる。宇宙の不思議さ、目に見えない引力の謎を抱きながら一考するのも時にはよいだろう。

梅雨半ばで荒れ模様(水墨画)

2012-06-25 05:52:14 | 水墨画
六月といふのに早も各地には
梅雨の末期に近き雨降る        樋田哲仙

 今年は台風4号が8年ぶりに本州に上陸し、台風5号が温帯低気圧にくずれて雨を大量に降らせた。さらに、九州北部の長崎、熊本、大分などでは活発化した梅雨前線が停滞して、160ヶ所を越える土砂崩れが発生した。まだ、4・5日前線は停滞しそうだ。まるで梅雨まっきの荒れ模様である。和歌山市内でも浸水騒ぎで被害が出ている。早く、雲が取れて山の峰峰がすっきとと顔を出して欲しいものだ。にほんブログ村 美術ブログへ

今年の柳生花しょうぶ園(写真)

2012-06-23 06:07:32 | 写真
これまでに三度訪ねて寂しさよ
蕾乏しき花しょうぶ園       樋田哲仙

 随分間隔を置いて柳生花しょうぶ園は三度目である。偶然花しょうぶ園を運営する主人と話をする機会が出来た。経営し初めて25年、今年は4月の天候不順で成育が悪く、開花が遅れた。最も不出来な年をなったと語る。80歳に近くなった今も一人で切り盛りしているともいう。自然が相手では植物管理は大変なことである。アジサイも数百本はある。

雨に似合うアジサイ((墨彩画)

2012-06-22 05:24:15 | 墨彩画
不思議にもあぢさゐだけは降る雨に
見違えるほど生き生きとする       樋田哲仙

 梅雨時に雨が降るのは当然のことながら、台風4号は6月として8年ぶりに本州に上陸し縦断するようにして東北から海上に去った。その間たっぷりと雨をもたらした。また、今度は台風5号が崩れて、風こそ弱いが、各地に雨を大量に降らせている。人間はうんざりしている中、アジサイだけは水を得た魚のように生き生きとするから不思議である。 にほんブログ村 美術ブログへ

長慶寺の満開のアジサイ(写真)

2012-06-20 05:47:45 | 写真
あぢさゐの花咲く寺の賑はひは
介護施設の人々の来て       樋田哲仙

 泉南市・長慶寺はアジサイ寺としてちょっと知られている。咲くころになると観賞に来る人で賑わう。中でも、各自治体の介護施設の入所者が職員の車に分乗してやってくる。多いときは4,5ケ所の施設が重なるときもある。一人では歩行困難者が車椅子に介助されている人もいる。仕事とはいえ職員の皆さんはご苦労なことである。

ビワも熟しすぎては(墨彩画)

2012-06-19 05:46:49 | 墨彩画
悲鳴なり道に落ちたる枇杷の実の
車来るたび轢き潰されて        樋田哲仙

 この時期のビワの実は爛熟の感がある。強風で簡単に落下する。近くの保育所の塀を越えて道路上に張り出した枝から実が散らかっていた。幼児を送ってきた保護者の車が轢き潰して果肉と種子をむき出しにしてつぶして散乱する。そのときに出る音は悲鳴を上げているように聞こえる。今年は豊作なのか沢山の実がついたのだが、保育所では誰も収穫するものもいないらしい。  にほんブログ村 美術ブログへ

海南・願成寺のアジサイ(写真)

2012-06-17 06:05:06 | 写真
海南に今を盛りとあぢさゐの
記事を見かけて出かけたる寺       樋田哲仙

 海南市の願成寺はアジサイで名のある寺らし。新聞を見て出かけたのだが、所在を探し当てて驚いた。日本野鳥の会のメンバーとして、今までに40回以上は直ぐ傍を通っていても知らなかった。急坂とカーブとあってハンドルに気を引き締めて端を見るゆとりがなかったからだ。道路沿いの斜面で樹木に隠れた格好が原因であり、これでは見落とすのも無理もない。山間に寺域を構える古刹である。

アヤメ(墨彩画)

2012-06-16 05:21:36 | 墨彩画
軍配は何れ菖蒲か杜若
彼我の描きし二枚の色紙       樋田哲仙

 なにごとも自分が分からないことが多いものだ。今回は自分が描いたアヤメと仲間が描いたアヤメであるが、彼もなかなかの腕だと思うのは彼の方が上の場合が多い。自分の作の方を過大評価するからだ。ちょっとした自惚れというのか、何かを見失っているのだろう。こんな場合は第三者が冷静に判断する方が正解ということになる。にほんブログ村 美術ブログへ