穴蔵のごとき階段抜け出でて
灯台よりの本州南端 樋田哲仙
本州南端は紀伊半島・潮岬のことで、灯台が熊野灘の海難防止の働きをしている。チケットを購入する際受付の女性が日本の灯台で登れるのは4ヶ所だけですと教えてくれた。階段の急は理解できるが、最後に体がやっと抜け出せるだけの狭い穴のようなところがある。リュックを背負っていたら通れない。建設当時は観光で人を入場させる意はなかったのだろう。
灯台よりの本州南端 樋田哲仙
本州南端は紀伊半島・潮岬のことで、灯台が熊野灘の海難防止の働きをしている。チケットを購入する際受付の女性が日本の灯台で登れるのは4ヶ所だけですと教えてくれた。階段の急は理解できるが、最後に体がやっと抜け出せるだけの狭い穴のようなところがある。リュックを背負っていたら通れない。建設当時は観光で人を入場させる意はなかったのだろう。
秋風にあへず散りぬるもみぢ葉の
ゆくへさだめぬ我ぞかなしき 詠み人知らず
冷たい秋風に堪えられないで散る紅葉はどこにどう飛んでいくのだろう。それを見ているわが身の行く末だって悲しいことに全く分からないのだ。
ゆくへさだめぬ我ぞかなしき 詠み人知らず
冷たい秋風に堪えられないで散る紅葉はどこにどう飛んでいくのだろう。それを見ているわが身の行く末だって悲しいことに全く分からないのだ。
いかなるも潮岬に意を持ちて
外洋見れば地球は丸し 樋田哲仙
地球の球体は共通の認識である。今回、本州最南端の潮岬展望台からはるか外洋を眺め、微かなに弧を描いて地球が丸いことを実感した。器具を使用することなく意識さえすれば視界に確かめられる。日本は島国で、各地の突端に立てば簡単に確認できる。宇宙の不思議さ、目に見えない引力の謎を抱きながら一考するのも時にはよいだろう。
外洋見れば地球は丸し 樋田哲仙
地球の球体は共通の認識である。今回、本州最南端の潮岬展望台からはるか外洋を眺め、微かなに弧を描いて地球が丸いことを実感した。器具を使用することなく意識さえすれば視界に確かめられる。日本は島国で、各地の突端に立てば簡単に確認できる。宇宙の不思議さ、目に見えない引力の謎を抱きながら一考するのも時にはよいだろう。
恋しくは見てもしのばむもみぢ葉を
吹きな散らしそ山おろしの風 詠み人知らず
先々に恋しくなったときは手には取らぬにせよ、在りし日の思い出にしようよ。今は木を離れて庭に散り敷いた、そのもみじ葉を山おろしよ、吹き散らしてくれるな。
吹きな散らしそ山おろしの風 詠み人知らず
先々に恋しくなったときは手には取らぬにせよ、在りし日の思い出にしようよ。今は木を離れて庭に散り敷いた、そのもみじ葉を山おろしよ、吹き散らしてくれるな。
これまでに三度訪ねて寂しさよ
蕾乏しき花しょうぶ園 樋田哲仙
随分間隔を置いて柳生花しょうぶ園は三度目である。偶然花しょうぶ園を運営する主人と話をする機会が出来た。経営し初めて25年、今年は4月の天候不順で成育が悪く、開花が遅れた。最も不出来な年をなったと語る。80歳に近くなった今も一人で切り盛りしているともいう。自然が相手では植物管理は大変なことである。アジサイも数百本はある。
蕾乏しき花しょうぶ園 樋田哲仙
随分間隔を置いて柳生花しょうぶ園は三度目である。偶然花しょうぶ園を運営する主人と話をする機会が出来た。経営し初めて25年、今年は4月の天候不順で成育が悪く、開花が遅れた。最も不出来な年をなったと語る。80歳に近くなった今も一人で切り盛りしているともいう。自然が相手では植物管理は大変なことである。アジサイも数百本はある。
あぢさゐの花咲く寺の賑はひは
介護施設の人々の来て 樋田哲仙
泉南市・長慶寺はアジサイ寺としてちょっと知られている。咲くころになると観賞に来る人で賑わう。中でも、各自治体の介護施設の入所者が職員の車に分乗してやってくる。多いときは4,5ケ所の施設が重なるときもある。一人では歩行困難者が車椅子に介助されている人もいる。仕事とはいえ職員の皆さんはご苦労なことである。
介護施設の人々の来て 樋田哲仙
泉南市・長慶寺はアジサイ寺としてちょっと知られている。咲くころになると観賞に来る人で賑わう。中でも、各自治体の介護施設の入所者が職員の車に分乗してやってくる。多いときは4,5ケ所の施設が重なるときもある。一人では歩行困難者が車椅子に介助されている人もいる。仕事とはいえ職員の皆さんはご苦労なことである。
竜田川紅葉乱れて流るめり
わたらば錦なかや絶えなむ 詠み人知らず
竜田川には紅葉した葉が乱れて流れている。川を渡るために足を踏み入れるならば自然が織りなした水中の美しい錦が半分に切られてしまうだろう。
わたらば錦なかや絶えなむ 詠み人知らず
竜田川には紅葉した葉が乱れて流れている。川を渡るために足を踏み入れるならば自然が織りなした水中の美しい錦が半分に切られてしまうだろう。
海南に今を盛りとあぢさゐの
記事を見かけて出かけたる寺 樋田哲仙
海南市の願成寺はアジサイで名のある寺らし。新聞を見て出かけたのだが、所在を探し当てて驚いた。日本野鳥の会のメンバーとして、今までに40回以上は直ぐ傍を通っていても知らなかった。急坂とカーブとあってハンドルに気を引き締めて端を見るゆとりがなかったからだ。道路沿いの斜面で樹木に隠れた格好が原因であり、これでは見落とすのも無理もない。山間に寺域を構える古刹である。
記事を見かけて出かけたる寺 樋田哲仙
海南市の願成寺はアジサイで名のある寺らし。新聞を見て出かけたのだが、所在を探し当てて驚いた。日本野鳥の会のメンバーとして、今までに40回以上は直ぐ傍を通っていても知らなかった。急坂とカーブとあってハンドルに気を引き締めて端を見るゆとりがなかったからだ。道路沿いの斜面で樹木に隠れた格好が原因であり、これでは見落とすのも無理もない。山間に寺域を構える古刹である。