哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

萱葺きの家8水墨画)

2012-02-29 06:16:04 | 水墨画
街道にことさら古りて建てゐれば
その価値上ぐる萱葺きの家       樋田哲仙

 街道が古道と呼ばれている。平安時代、天皇や貴族が京都から熊野への参詣の熊野街道のことである。中辺路の継桜王子辺りに茶屋の雰囲気を残す「とがの木茶屋」がある。障子戸や団子の小旗が立ててあると時代の逆戻りを感じさせて、古道にふさわしい。時代劇の映画のロケに使用されたこともあるという。 にほんブログ村 美術ブログへ

奇絶峡の阿弥陀三尊(写真)

2012-02-27 06:13:30 | 写真
奇絶峡ときをり雪の舞ふなかに
手を合わせ見る磨崖の仏      樋田哲仙

 和歌山県・田辺市の山間部を流れる秋津川に奇絶峡がある。大きな自然石が川床を埋め尽くして奇観である。2月中旬雪の舞う中訪ねた。朱塗りの滝見橋をわたると、落差のある滝がかかる。その脇を200㍍登ると、三尊大石仏と標記されているものの、磨崖の阿弥陀三尊があらわれる。本尊は7・3㍍、脇侍は4・9㍍で見事である。

啓蟄間近か(水墨画)

2012-02-26 05:58:39 | 水墨画
寒ければ節気の一つ期待して
十日足らずの啓蟄を待つ        樋田哲仙

 まだまだ寒いのは2月下旬で当然である。気温が上がるのは来週後半で、それまでは真冬波らしい。雨水は19日、啓蟄は3月5日である。啓蟄は地中の虫が春を感じて地上に這い出る日とされる。一寸足らずの虫にさえ気温に鋭敏である証といえる。人間は彼岸を暑さ寒むさの境目としている。虫の方が敏感かもしれない。林や森の地中では虫たちが啓蟄を待っているに違いない。 にほんブログ村 美術ブログへ

マラソンに懸命なボランテイィア(写真)

2012-02-24 06:17:00 | 写真
次次のランナーたちを沿道に
ドリンク置きて女生徒らの声        樋田哲仙

 マラソンのような大きなイベントにはボランテイアの支援なくして成り立たない。今回の泉州国際市民チャリチティマラソンは昨年の大阪マラソンに較べれば小さいが、それでも4000人が泉州路をかけ抜けると、高校生、婦人科、老人会、福祉団体などのメンバーが沿道で支援体制をとる。ドリンク、バナナが定番となり、ランナーたちに声張り上げて迎え、活気が溢れる。

芽吹きも間近(水墨画)

2012-02-23 06:36:32 | 水墨画
ことさらの寒さ厳しき年なれば
土筆顔出す春待ち遠し       樋田哲仙

 数日前天気情報の中で、早くも土筆が顔を出した南紀を紹介していた。春が顔を覗かせた思いがした。日差しのよく当たる斜面ではどこよりも早く春が訪れるのだろう。昨夜は1回目の桜開花予想を発表した。今年の寒さが影響して遅く、大阪は3月31日となっていた。その前に各地の梅の開花便りが伝えられることだろう。にほんブログ村 美術ブログへ

泉州国際市民チャリティマラソン(写真)

2012-02-21 06:37:51 | 写真
橋くだるランナーたちの躍動は
今年の干支の龍のごとくに       樋田哲仙

 「第19回泉州国際市民チャリティマラソン2012」が、早春の泉州路を4000人が快走した。快晴の19日の日曜日、9市4町が一体となって東日本大震災の被災者支援のチャリティとして例年より1000人増の開催となった。観戦は36㌔地点でゴールに近く大阪湾岸を走るランナーの最後の活力がこちらにもはっきりと伝わった。

採れたてのカブ(墨彩画)

2012-02-20 06:26:13 | 墨彩画
収穫の野菜をくくる藁でさへ
手に入れ難き世の中となり       樋田哲仙

 藁は手軽に物をくくる紐代わりに重宝したものだが、気づいてみればその時代は昔物語りですっかり消えている。替わってビニール袋が蔓延している。毎日曜日近くの朝市では魚が主だが野菜を売る店も出る。ニンジン、ダイコン、野菜などどれも透明な袋入れで売られている。藁は農家が刈り入れ時に機械で細かく切ってしまうので余計手に入れにくい時代だ。 にほんブログ村 美術ブログへ

五百羅漢寺の羅漢さん(写真)

2012-02-18 06:39:58 | 写真
上がれずに離れて仰ぐ本堂の
五百羅漢は薄暗き中        樋田哲仙

 五百羅漢寺の本堂の中へは許可を得て入ったが、上がることは出来なかった。所詮土間から両側と正面奥に安置された五百羅漢さんは間近には眺められなかった。喜怒哀楽の表情はどうしてもない。天保年間の4~5年の間に西浜御殿の女中や商人が競って奉納したという、羅漢寺は全国にあり、そのほとんどは曹洞宗の寺である。真言宗や天台宗は少ない。

萩藩指月城(水墨画)

2012-02-17 06:26:35 | 水墨画
石垣を見るたび思ふいかにして
動かす道具積み上ぐる技       樋田哲仙
  
 絵は萩藩指月城の写真を見て描いたもので実物は見ていない。なんども行くが観光コースから外れているらしい。今回のテーマは石垣である。築造の技術は鎌倉室町時代には確立されている。三大山城(岐阜・岩村城、奈良・高取城、岡山・松山城)を見れば理解できる。本丸の高さ、巨石などを運ぶ、積む技術は確かである。あの時代にどの道具を用いたのか思うだけでロマンが沸いてくる。 にほんブログ村 美術ブログへ

五百羅漢寺(写真)

2012-02-15 06:53:45 | 写真
重厚の門を仰ぎて驚きぬ
藩主ゆかりの五百羅漢寺        樋田哲仙

 和歌山市内の国道42号線沿いに一見見落としがちだが、大きな寺がある。路地を少し入ると重厚な門の前に立つ。狭苦しい街中に寺があることに驚く。紀州藩第8代徳川重倫の祈祷寺として建立され、使用された座布団や三宝膳が残る。藩主ゆかりの寺はさすがだが、寺域が狭いのが残念。観光として訪ねる人はなく、冷たい雨の中の訪問は寂しい。