哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

古今集第三百九十九番別るれど(書)

2013-05-31 06:39:23 | 
別るれどうれしくもあるかこよひより
あひ見ぬさゑになにを恋ひまし       凡河内躬恒

 もう、お別れのときですが、私はあなたと出会ったことが感激でうれしくてなありません。今夜以後というものはあなたと巡り合う前にhいったい誰を慕うつもりだったのかと、不思議に思うようになったしだいです。

東尋坊(写真)

2013-05-30 06:33:11 | 写真
巌頭に立つは恐ろし風の日の
東尋坊の底覗くとき       樋田哲仙

 福井県あわら市東尋坊は全国屈指の名所の一つで、いく度も訪ねている。浸食されて奇景が形成されて、絶景となっている。岩が梅へ突き出しているというのか、それとも梅が食い込んでいると表現するのか、高さがあり底を覗くのは危険で足がすくむ。カメラに絵になる景色を求めると危険は増大する。訪ねた日は風が強く、手すりもなくふらつく。写真と命を引き換えるわけにもいかない。高齢とあれは自重が一番である。

微笑む地蔵尊(墨彩画)

2013-05-29 06:09:26 | 墨彩画
素朴さに親しみの湧く地蔵尊は
最も多く野にゐましけり       樋田哲仙

 地蔵尊は素朴さがあってよ。路傍に祀られて住民に見捨てらるともなく、むしろ長年大事にされているようにも見受けられる。半肉彫の素朴さが、吹きざらしにも苦にならない。阿弥陀仏や観音様を野に置くと天罰が下る気がする。像が精巧過ぎて野ざらしにするわけには、とても、そこで堂宇が必要になる。地蔵尊は暮らしに身近にあって子供たちからも親しまれている。  にほんブログ村 美術ブログへ

山中温泉鶴仙渓(写真)

2013-05-27 06:56:46 | 写真
山中の温泉街を駆け下る
鶴仙渓の水勇ましき      樋田哲仙

 大聖寺川の中流域にある鶴仙渓は山中温泉街に平行して流れている景勝地である。砂岩の浸食で形成され、烏帽子岩、蛙岩、弁慶岩と称される奇岩が点在する。こおろぎ橋から黒谷橋間の約1キロの溪谷である。右岸に格好の遊歩道があり、宿泊客の散策に人気がある。水量も豊富で瀬は激流となっている。名の由来は明治時代の書家日下部鳴鶴が好んだ溪谷による。

5月中旬は毛虫の季節(水墨画)

2013-05-26 06:34:23 | 水墨画
一斉に孵化する虫に子育ての
鳥にとっては五月の半ば       樋田哲仙

 5月10日から愛鳥週間となるので、もう終わっているが、鳥たちが最も活動するときでもある。虫が一斉に孵化し、子育てをする親鳥は豊富な餌となる虫を苦労もなく録り、雛に与えられる。この時期は山歩きしない方が賢明である。知らないうちに帽子、肩、背中、ズボンについて、這っている。枝から糸で垂れ下がってくるのがつくのもいる。鳥たちには、繁殖にまとない最適期である。 にほんブログ村 美術ブログへ

山中温泉あやとり橋(写真)

2013-05-24 06:07:57 | 写真
見るからにあやとり橋の不思議さよ
この川幅を脚なく架かる      樋田哲仙

 あやとり橋は山中温泉の中央を流れる大聖寺川の鶴仙渓に架かる名所の一つである。川幅があるのに橋脚がない。鉄骨で組み立てられていて、強度が保たれているのだろう。くねるように曲がっていて、渡ってみると微かな揺れを感じる。人数制限の表示も見当たらない。危険に思われるが、力学的に設計されているので、大丈夫であろう。珍しさもあって渡る人は多い。

新緑も色濃くなりつつ(水墨画)

2013-05-23 06:53:05 | 水墨画
新緑も日ごと日ごとに山里は
色を増しつつ夏近づけり        樋田哲仙

 5月下旬に入ると少しながらやわらった緑か色を濃くしてきている。柿の木の新芽の色が好きで、4月下旬には、わざと、出かけることがある。現在、あれからさほど日数は経っていないが、明らかに変化が認められる。もう初々しさは消えている。樹木の細かい観察はしていないが、遠望する山陽にも変化が起きている。暦に72節季があるが、少しの日でも自然界は変化し続けているのだ。 にほんブログ村 美術ブログへ

こおろぎ橋の木組みの橋脚(写真)

2013-05-21 06:12:36 | 写真
橋脚がすべて木組みに驚きぬ
こおろぎ橋をただただ仰ぐ      樋田哲仙

 加賀市のこおろぎ橋は市のパンフレットで名所の一つである。こおろぎ町の町の名を冠するからには、その地のシンボルなのだろう。新緑に包まれた大聖寺川の鶴仙渓にかかる大きな橋で橋脚はすべて木組みとなり、鉄骨はない。谷は深く広い川幅を太い木で組まれるのには、人間の知恵のすごさに感心するばかりである。自動車も通行できる。これは案内の載る名所になるのは当然と感心した。

観光地でのイカ焼きに(水墨画)

2013-05-20 06:27:10 | 水墨画
 売店にイカ焼く人の威勢良し
東尋坊の見えかかるころ      樋田哲仙

 イカを焼く匂いが土産店の中からあふれる光景は海に近い観光地でよくみられる。福井・東尋坊を訪ねて海へ向かう歩道の両側の売店にはこれが多い。海蝕されて奇景が誕生した東尋坊が見え始めるところの店にはイアカを焼く威勢のいい人の声がして入った。1匹500円で大きく十分満腹する。匂いも味も食欲をそそられていい旅の思い出である。 にほんブログ村 美術ブログへ

放浪記の舞台再現(写真)

2013-05-18 06:08:15 | 写真
放浪記語るは常に森光子
この人措きて演ずる者なし    樋田哲仙

 先月下旬オープンした山中温泉街の森光子記念館は大きくはないが、楽屋裏や放浪記の舞台が再現されている。1961年の初舞台から2009年の2017回まで、89歳の高齢になりながら主演を演じ続け、他の女優に譲ることはなかった。原作林芙美子、脚本、演出菊田一夫、音楽小関裕而と関係者もこれほど続くとは予想もしなかっただろう。喜びを表現するでんぐり返ししの名場面も大きな写真で展示されている。 

田植えが済むと思い出すビワ(墨彩画)

2013-05-17 06:02:34 | 墨彩画
田植ゑ済める季節は枇杷を想ひ出す
脚立を立てし子供の頃を      樋田哲仙

 田園が広がる湖東をバスに揺られる旅をした。5月中旬だが、もう、田植えが過ぎている。ずいぶん早い。子供のころは7月上旬と相場が決まっていたものだ。品種改良も進んだのだろう。この田植えが済んだ頃は屋敷内にある枇杷が実り収穫である。脚立を立てて及び腰ながら怖がらずにもぎ取ったものだ。袋掛けして保護してやると虫害もなく大きなもの採れるのだが、ほったらかしであった。60年前の回想である。  にほんブログ村 美術ブログへ