哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

カレイ2枚(水墨画)

2006-11-30 07:29:39 | 水墨画
描くために泳ぐ鰈を見てゐると
店主寄りきてしきりに薦む      樋田哲夫

 絵を描くためにはなにごとも観察が大切である。最近、近くの漁港で毎日曜日市が開かれ始めた。トロ箱に泳いでいる鰈(カレイ)の姿かたちの不思議さに興味を持って見ていると、威勢よく店主が近寄ってきて話しかけた。本屋の立ち読みと同じで、買う客ではなく冷やかしである。 にほんブログ村 美術ブログへ

旅に病んで 芭蕉(書)

2006-11-29 08:16:42 | 
旅に病んで夢は枯野を駆けめぐる      芭蕉

 芭蕉の辞世と学校で習ったが異を唱える人もいる。元禄7年10月12日長崎へ旅する途中大阪の御堂筋に面した花屋仁右衛門貸し座敷と伝えられている。幹線道路御堂筋のその辺りの南御堂東側の緑地帯に「此付近芭蕉翁終焉ノ地ト傳」の粗末な角柱の碑が建立されている。

紅葉の名所香嵐渓その2(写真)

2006-11-28 06:05:44 | 写真
この町に人人人の押し寄せる
山すそ赤く染まる季節は       樋田哲夫

 香嵐渓は愛知県東加茂郡足助町で奥三河の中心であったが、昨年4月隣接する豊田市と合併し改称した。10,000人足らずの山間の町は紅葉の季節に大勢の人が行楽に押し寄せ賑わう。町へ入る道路が少ないのか大渋滞を起こし、100台以上のバスの駐車場も手狭で難。

鏡獅子(墨彩画)

2006-11-27 06:26:30 | 墨彩画
鏡獅子客の目浴びて狭きほど
舞台に二人激しく踊る       樋田哲夫

 新歌舞伎十八番の一つ。二世藤間勘右衛門振り付けにより明治26年初演。鏡開きに飾ってある手獅子を腰元が持つと、獅子の精が乗り移る。前半は艶麗な娘姿、後半は石橋仕立ての豪放な獅子の舞。 にほんブログ村 美術ブログへ

里古りて 芭蕉(書)

2006-11-26 06:33:50 | 

里古りて柿の木もたぬ家もなし     芭蕉

 元禄7年7月の伊賀上野での句。私の子どものころはどこの家でも畑や屋敷の片隅に柿の木を1,2本植えて、秋の楽しみとしていた。おやつの乏しい時代で、特に子どもたちは木に登って親に落ちないように注意されたものだ。今でも、田舎へ行くとそんな光景を目にする。芭蕉の生きた300年前の時代にもすでに存在していたのだ。

紅葉の名所香嵐渓(写真)

2006-11-25 08:44:35 | 写真
香嵐渓橋わたるには半時間
待ちつつ列に紅葉撮りをり       樋田哲夫

 紅葉の名所豊田市足助(あすけ)町の香嵐渓に11月22日出かけた。足助川の渓谷に山裾の紅葉が最高に色づき素晴らしい景観である。特に国道153号線から朱塗りの待月橋までのわずかな間が絶景である。あまりの人出で待月橋をわたるのに時間制限がでる混雑ぶりであった。

かぶ一つ抜いて(水墨画)

2006-11-24 03:04:26 | 水墨画
                 (豆色紙)
大根と蕪一つづつ選り抜きて
すぐに洗へば冬日にまぶし       樋田哲夫

 今年の作物の出来が例年になくよい。耕しから、種まき、肥料と消毒もマメにした。日照りが続くと家からバケツで水を運んだ。小さな貸し農園だが、スーパーで野菜を買うことも少なく、大満足している。両隣の人から驚かれ、お褒めの声をかけられている。  にほんブログ村 美術ブログへ

頂上や 石鼎(書)

2006-11-23 07:15:40 | 
頂上や殊に野菊の吹かれおり       原石鼎

 石鼎(せきてい)は明治19年現在の出雲市に生まれる。代々医者の家系で父や兄も開業医。深吉野は石鼎の愛した地で、大自然を好んだ句が多い。短歌も残した。昭和26年65歳没。頂上とあるが高い山ではない。小高い山の上の雑草の中に混じっている野菊がことさら風に吹かれていたという。山の高さや風の強さも言ってはいないが分かる。

白浜・円月島(写真)

2006-11-22 04:22:28 | 写真
崩れると円月島がいつの世か
いま見ることのできる喜び      樋田哲夫

 地区の旅行クラブから、三大温泉の一つ白浜温泉へバスで出かけた。少し遠回りして円月島を徐行しながら通りかかるとガイドが浜辺の砂が大きく変化して円月島に影響が出ている。このままでは将来崩れる心配があることを紹介した。自然の造形美が消えるのはずっと先のことだろうが、今眺められることに感謝した。

ツバキ一輪(墨彩画)

2006-11-21 06:14:33 | 墨彩画
                 (豆色紙)
凛として心締まりぬ食事後に
椿一輪活けて座れば        樋田哲夫

 ツバキの花は首がポトリと落ちることから嫌う人も多い。ほとんどの種類は春に咲くが、寒に咲くものもある。一重、八重、色も種々あり、日本側の豪雪地帯にユキツバキがある。小林幸子の演歌にもある。さらに、園芸品種もあって多種。サザンカと酷似していて見分けに戸惑う人もいるが、別種である。季語は春。 にほんブログ村 美術ブログへ

しぐるるや 蕪村(書)

2006-11-20 07:50:32 | 
しぐるるや我も古人の夜ににたる    蕪村

 蕪村は旅をしながら句作りをした芭蕉にあこがれていたが、生活に追われて打ち込みたいことも何一つ果たせず風雅な日々とは無縁であった。この時期売り絵描きにいそしみ、俳句を詠む時間もなく嘆くこともあった。
 時雨の音に耳を傾けていれば、自分のしている夜は古人芭蕉の夜に似てくるようだとあきらめての境地。

「メダカの学校小田分校」を訪ねて(写真)

2006-11-19 03:59:40 | 写真
日野川の恵みを引きて未来へと
昔を今にメダカの学校      樋田哲夫

 泉南市ボランティアセンター研修会一行は11月14日(火)滋賀県・近江八幡市の「メダカの学校小田分校」をバスで訪ねた。日野川流域に生息する生き物が消え行くのを危惧(ぐ)して、小田町有志の人たちが2000年に立ち上げた。メダカを貴重な生き物として自然観察することで次世代の子どもたちへ引き継ぐ自然保護の活動をしている。写真はメダカの池を覗き込む一行と下はハイキングクラブから参加した6人。

山茶花(墨彩画)

2006-11-18 07:38:00 | 墨彩画
冷え込みて庭に一輪山茶花の
赤きが風に揺れゐる朝(あした)      樋田哲夫

 晩秋から初冬にかけて咲き始めるサザンカが我が庭に一輪花をつけた。次第に数を増やして来年3月まで咲いてくれる。植物の営みは季節に敏感で確かな足取りを見せる。記録はつけていないが去年のこの時期に花を見た。滋賀県・近江八幡市へボランティアの研修で出かけると、民家の庭にサザンカの白い花を見た。ほとんど同時期である。にほんブログ村 美術ブログへ

夜もすがら 曾良(書)

2006-11-17 06:54:57 | 
夜もすがら秋風聞くや裏の山     河合曾良

 曾良は長野県生まれ。芭蕉の住む芭蕉庵近くに移り住み、芭蕉の日常生活の世話をした。奥の細道では同道したが、金沢あたりで体調を崩し、芭蕉と離れて伊勢へ。晩年長崎県・壱岐で死去し、島に墓がある。
 この句は加賀市・全昌寺に宿泊して残す。

日本最大規模の菊花展・その5(写真)

2006-11-16 08:13:33 | 写真
見るほどに色の香りの雅にて
これもまたよし管物の菊      樋田哲夫

 菊花展の代表格は重厚で華麗な厚物である。その中に色を添えるかのように極細の管物がある。色彩も豊富で繊細で気品に溢れていうる。外に千輪作り、懸崖、盆栽、福助、一文字、伊勢、嵯峨など多彩で一年無事に生きられて観賞できたことを喜んでいる。