哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

達磨(だるま)と選挙(墨彩画)

2007-07-31 05:37:41 | 墨彩画
事務所には片目の達磨でんと据え
選挙をせしは昔語りか         樋田哲夫

 今回の参議院選挙で自民党が大敗し、民主党が大躍進した。年金、格差、政治とカネを争点として、国民の選択した選挙は与党に厳しい結果となた。選挙中に映し出された選挙事務所には達磨を見かけなかった。当選すると片目を入れて万歳をする馴染みの光景はいつのまにか姿を消したのだろうか。今日で記事投稿800回、万歳。にほんブログ村 美術ブログへ 

むら雀 一茶(書)

2007-07-30 06:26:38 | 
むら雀麦わら笛に踊る也         小林一茶

 麦秋の季節は麦が熟して穂も茎(くき)も赤茶けて畑全体が周りの緑の中に出現する。昨年北陸自動車道の福井辺りで目撃した。全部大麦であった。ビールの生産に関係があるのだろう。麦わら笛は腰のある小麦が適し、子供のころ吹いた。甲高い音でメロディーにはならなかった。その笛で雀が踊るのである。そう感じたのであれば感性と凄い。

栄山寺本堂(写真)

2007-07-29 06:29:33 | 写真
天平の栄華伝へて武智麻呂が
五条に建てし栄山寺かな         樋田哲夫

 武智麻呂(むちまろ)は大化の改新に大功をなした中臣鎌足(後に藤原鎌足)の子の不比等の子。鎌足は祖父になる。藤原南家の祖。左大臣、正一位。藤原一族は平安時代まで優れた人材を多数輩出し、貴族中の貴族。栄山寺は吉野川沿いにあり、かって繁栄した古寺の面影は残るが、近くを通っても見落とすほどで残念である。

岩礁人影なし(水墨画)

2007-07-28 06:10:10 | 水墨画
梅雨明けは光まぶしき海恋し
出かけることの少なくなりて        樋田哲夫

 大阪湾に岩礁はないが、和歌山中部以南まで出かけるとある。国道42号線を走って田辺市辺りから所々で見えはじめる。波が穏やかに見えても寄せる波は岩礁に砕けてたけだけしい。太陽が海面を照らして、返す光がまぶしい季節が来た。が、ここしばらく遠のいているて出かけてみたい。にほんブログ村 美術ブログへ 

足元へ 一茶(書)

2007-07-27 06:44:03 | 
足元へいつ来たりしよ蝸牛        小林一茶

 カタツムリは乾燥に弱く、活動する季節は梅雨時。生物学では結構複雑で難しい。殻のあるなしでナメクジとなり、カタツムリ、マイマイとなる。しっかりした定義はない。滑るように静かに進む。足元へいつの間にか来ていたのである。「来たりしよ」の「よ」は体言や連体形に接続る呼び掛けの助詞で優しく労っている。「か」では疑問となって句を壊す。

高取城は夢の跡(写真)

2007-07-26 07:01:59 | 写真
知らずきて石垣仰ぐ高取は
兵どもが夢の跡         樋田哲夫

 高取山頂に城跡の存在は知っていたが。さして有名でもなく来てみて驚いた。なぜ、これほど豪壮な石垣が築造されたか、石高や財力があるとは考えられない。石垣の城壁がめぐらし広大である。ただ現存する遺構は高取町内の小嶋寺山門に二の門が移築されているだけ。平泉衣川で詠んだ芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」が思い出される。

小高い山(水墨画)

2007-07-25 07:05:55 | 水墨画
長梅雨の明けたる今日は子供らと
上りて山の木陰に憩ふ        樋田哲夫

 近畿地方も長梅雨がようやくあけた。気象台によると、昨年の長梅雨よりも3日、平年より5か遅いという。2年連続長梅雨ということになる。高い湿度の暮らしから開放されて夏本番を迎えた。出かけたいところが沢山あり忙しくなる。まずは、青春18切符や私鉄各社のサービスを利用する予定を立てている。 にほんブログ村 美術ブログへ

乾坤に 鬼灯(書)

2007-07-24 06:52:35 | 
乾坤(あめつち)に命ひびかせ朝の蝉       水内鬼灯

 鬼灯(きとう)は昭和24年没。「馬酔木」の同人。「飛鳥」主宰。天地にまで命響かせとあるから、力強く鳴くクマゼミと思われる。「しゃんしゃん」と躍動的で、声も大きく遠くまで届く。日本で最大、西日本に多くいるが、現在は関東まで進出しているという。梅雨のさなかから鳴き始めアブラゼミより時期は早い。

高取城跡(写真)

2007-07-23 06:10:05 | 写真
高取の山の栄えに驚きぬ
城の石垣いまにし在りて        樋田哲夫

 壺阪寺をさらに登りながら奥へ進むと程なく高取山(584)にある日本三大山城(美濃岩村城、備中松山城)の一つ高取城跡に着く。建造物や白壁はなく、巨大な石垣だけが残る。南北朝時代に越智氏の築城とあるが、石垣の遺構から想像されるは山頂に豪壮な城郭(かく)がそびえていたことだろう。

白百合の名は?(水墨画)

2007-07-22 05:56:38 | 水墨画
この時期に多く見かけ白百合の
名は知らねども強く香れる         樋田哲夫

 ユリの知識の乏しいことは前の記事に触れた。最近白く大きなユリが咲いているのをよく見かける。近寄ると香りが強くテッポウユリでないことだけは確かだ。花弁の中央に黄の筋と斑点がある。花屋の店先で見たことのあるカサブランカは温室栽培と聞いたが、よく似ている。まさか露地物で見られるとは信じがたいが。 にほんブログ村 美術ブログへ

さわさわと 鬼貫(書)

2007-07-21 07:02:26 | 
さわさわと蓮(はちす)動かす池の亀         上島鬼貫

 鬼貫は以前にも登場した。江戸中期の人で芭蕉より少し遅い。兵庫・伊丹の酒造家に生まれ、大方大阪で暮らす。元文3年(1738)8月2日没し、鬼貫忌は季語となっている。池のカメがハスの狭い茎(くき)と茎の間を泳いで通ろうとしたのであろう。動いたのだが、ここでは動かしたのである。カメの意志が働いたことになるがそんなことはない。

壺阪寺の七福神(写真)

2007-07-20 06:10:43 | 写真
石ながら笑みも豊かに列なして
寺に在すは七福の神

 七福神といえば正月の縁起として参拝したり、宝船の初夢を願ったりするものである。神々でありながら見かける七福神は神社ではなく寺ばかりである。不思議でならない。今回壺阪寺で見かけた七福神は顔の表情が豊かで、石像が大きく見事である。石工の彫刻する力量が素晴らしい。

田舎の橋のたもとは(水墨画)

2007-07-19 06:05:21 | 水墨画
恋なるか低く無気味に奏でるは
橋のたもとに鳴く牛蛙          樋田哲夫

 ウシガエルは一般のカエルとは異なり体長20㌢弱と大きい。オスだけが鳴くので恋のラブコールと思われる。水辺の草の中で昼夜無関係に鳴く。低く大きく初めての人には無気味でびっくりする。肉が食用となることから、職業として捕獲する人を昔は見かけたものだが、最近は見たことも聞いたこともない。食用蛙ともいう。にほんブログ村 美術ブログへ 

蛍呼ぶ 一茶(書)

2007-07-18 06:38:07 | 
蛍呼ぶ横顔過(よ)ぎる蛍哉      小林一茶

 日本人はホタルがゆったりと飛ぶ姿を見かけると、江戸時代も呼んでいたことが分かる。ホタルに言葉が通じるはずもないが、見かけると呼び寄せたくなるのが心情であろう。昔はどう呼んだであろうか。現在は童謡に甘い水、苦い水と歌っている。この句はホタルを呼ぶ人の横顔を横切って行ったのを側で観察者が写生した句である。

壺阪寺の巨大レリーフ(写真)

2007-07-17 05:22:17 | 写真
釈尊の一代記をばレリーフに
して巨大なる石像美術        樋田哲夫

 釈尊の一代記をレリーフにした巨大石像美術は壺阪寺の壮観の一つである。高さ3㍍、全長50㍍の巨大な像はインド産の御影石を現地で製作して、寺で組み立てたもので、他の寺では見られない見事なもの。さらに、現在工事中の大仏建立は今年11月11日に開眼法要の予定。壺阪寺は石像美術が一層充実する。