哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

百人一首第三十二番山川に(書)

2009-07-31 05:03:35 | 
山川に風のかけたるしがらみは
流れもあへぬ紅葉なりけり      春道列樹

 山川に風のいたずらで掛けたかと思われるものをよく見ると、川面に散った紅葉がしがらみにひかかっているではないかという。山川は「やまがわ」と濁って読む。澄むと山と川になってしまう。川幅の狭い渓流と思われる。紅葉した景観を作り出す名勝地なのだろう。

箱館山ゆり園(写真)

2009-07-30 06:01:27 | 写真
ゴンドラを降りると香り流れ来る
箱館山はゆりの花園         樋田哲仙

 湖西の箱館山はスキー場の名で知られる。京阪神から近いこともあって人気の山である。が、近年温暖化の影響で降雪量が少なく客の減少に頭を痛めた地元関係者は、今年ゆりの球根を大量に植えて一大花園が出現した。ゴンドラ山頂駅を降りるとゆりの香りが流れてくる。7月11日~8月23日の期間中に200万輪咲くという。

地蔵尊二体(水墨画)

2009-07-29 05:37:47 | 水墨画
にはか雨さけるかたへになにくはぬ
顔にたちゐる辻の石仏         樋田哲仙

 梅雨が明けない日が続いて、とうとう8月が近づいてきた。例年にないこととなった。すっきりしない空に時々日が差していると、短時間の外出には、つい雨具の用意もせずに横着となる。そんな時空は急変して、にわか雨に襲われることになる。雨宿りに気づくと地蔵さんの穏やかな顔に一瞬雨のことも忘れる。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第三十一番朝ぼらけ(書)

2009-07-28 06:20:27 | 
朝ぼらけ有明の月と見るまでに
吉野の里にふれる白雪       坂上是則

 ゆっくりながらほのぼのと夜が明けてくると、西の端に残る月と身まごうほどに吉野の里には白雪が降っている。朝ぼらけはあけぼののこと、吉野の里は山ではなそうだ。麓の一帯を指すのであろう。三十六歌仙の一人。

高架下のバーベキュー(写真)

2009-07-27 05:20:06 | 写真
昼時は浜辺を避けて浴客ら
高速道の高架下へと         樋田哲仙

 貝塚市・二色浜海水浴場は大阪の数ある中では名の聞こえた海水浴場である。昔は白砂青松の風光明美な環境の整った地域であったが、すっかり影をひそめて、浜辺近くを阪神高速道路が高架で通っている。昼時になると高架の日陰は青いシートを広げて昼食やバーベキューで賑わっていた。夏は若者の季節である。

にわか雨に汚れた流れ(水墨画)

2009-07-26 05:36:42 | 水墨画
源は豪雨らしくてたちまちに
汚れし水の流れ来るなり        樋田哲仙

 梅雨前線の停滞に低気圧が発生した九州北部と中国地方に集中豪雨が襲った。福岡では1時間に100㍉を越える猛烈な雨で大被害が発生している。大阪では降ってもたいしたこともなく静かであるが、ぐずついて晴れない。だが、河川の源の山では降ったらしく、すぐに汚れた水が勢いよく流れてくる程度だ。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第三十番(書)

2009-07-25 06:06:04 | 
有明のつれなく見えし別れより
暁ばかりうきものはない        壬生忠岑

 あなたと一晩過ごして夜が明けてしまい、別れなければならなくなった時に、西の山に残っている月のころほどつれなく思うことはない。そんな時の有明はわびしくて仕方がないわい。この歌は後鳥羽院が古今集の中で第一の歌はどれかと尋ねると、定家と家隆が推したという。忠岑は三十六歌仙の一人。

岸和田城八陣の庭(写真)

2009-07-24 06:13:09 | 写真
岸和田の本丸前は兵法を
現したるや八陣の庭          樋田哲仙

 岸和田城天守閣前に広がる石庭は昭和28年作庭家重森三玲によるもので、「八陣の庭」と呼ばれている。三国志に登場する諸葛孔明の兵法の八陣、すなわち、天、地、風、雲、龍、虎、鳥、蛇をテーマに配した近代的石庭であるとか。作庭者の心は見て分からないが、城と対比して眺めると心が落ち着く。

名もない山から(水墨画)

2009-07-23 06:57:42 | 水墨画
秋ならば鳥の渡りの山に来て
ニケ月後の胸のときめき         樋田哲仙

 私は「日本野鳥の会」の会員である。鳥を求めて野鳥を観察することは多い。が、最近老齢による視力の低下に辟易している。もう小鳥の観察はしないが、タカ類は飛翔する姿を見るだけで心が躍る。近くの名もない山に登り、双眼鏡やフィールドスコープで観察する。後2ヶ月後の9月下旬、10月上旬のことになる。   にほんブログ村 美術ブログへ
 

百人一首第二十九番心あてに(書)

2009-07-22 06:59:44 | 
心あてに折らばや折らむ初霜の
置きまどはせる白菊の花          凡河内躬恒

 冷え込みが厳しく、初霜が真っ白に降りているので、白菊の花を折るのにも見分けがつけにくく、あて水量の見当をつけて折っているところである。降雪で白菊が折りにくいというなら、理解できるが霜では想像ができない。 三十六歌仙の一人。
 

岸和田城本丸(写真)

2009-07-21 06:04:03 | 写真
見る位置のあまたあれどもこのここぞ
城見る場所の限られてをり          樋田哲仙

 岸和田藩は5万3千石の小藩ながら城郭を構え、20万都市のシンボルとして市民から親しまれている。本丸の濠を一巡りするにも1000歩で足る。が、城を眺める位置は多くあるけど、ここぞという位置は翳られている。第13代岡部長職(ながもと)のときの明治4年廃藩置県により藩体制は終了している。

蝉時雨降る大木(水墨画)

2009-07-20 06:52:01 | 水墨画
まだ明けぬ梅雨中の日にしゃんしゃんと
蝉時雨降る公園の道      樋田哲仙

 発達した低気圧の通過に伴い、松江に局地的豪雨、秋田県内の各地で床上浸水の被害が出た。また、滋賀、多賀では地方ニュースになるほどの多量の雨。梅雨末期の症状が出ている。私の住む地域では長い日照りが続いたが、昨夜から雷を伴う強い雨が降った。きのうの昼公園内の道を横切るとクマゼミの激しい時雨が降っていた。 にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第二十八番山里は(書)

2009-07-19 07:23:31 | 
山里は冬ぞさびしさまさりける
人めも草もかれぬと思へば        源宗于朝臣

 一年中で山里の寂しさが一番強く感じられるのは冬の季節である。人も入ってこないし、今まで茂っていた木の葉もすっかり落ちてしまって枯れたかのように見えるからだろう。日本には四季があり絶えず自然は変化してしている。現在里山といわれる里に近い山は落葉樹が多く、この歌のような感が強い。

岸和田・天性寺(写真)

2009-07-18 05:58:48 | 写真
本尊が駅名となる岸和田の
天性寺には蛸と地蔵尊        樋田哲仙

 岸和田市民に親しまれている天性(てんしょう)寺がある。別名蛸地蔵として知られる。後醍醐天皇のとき、大津波が襲ったが不思議に町は被害が少なかった。人々が海岸に出ると蛸(たこ)が絡む地蔵尊をみ見た。人々はこれにより救済されたと信じて、寺に祀ったという。南海電鉄の駅名に蛸地蔵がる。

二つの滝(水墨画)

2009-07-17 06:11:40 | 水墨画
霧かかるほど近づきて聞く滝の
轟きこそは神の雄叫び        樋田哲仙

 暑い季節になると涼感を呼ぶものは全てがよい。自然界の中では高原を渡る風や、渓谷を抜ける涼風もよい。更に奥へ進んで仰ぎ見る滝は好きなものだ。近づけば霧がかかり、滝口に轟く響きも心地よく、神の雄叫びにも感じられる。「日本の滝百選」となると、どれも水量も、高さもあって迫力が出る。画は想像。 にほんブログ村 美術ブログへ