哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

秋の味覚マツタケ(墨彩画)

2006-10-31 08:00:50 | 墨彩画
「入山を禁ず」の札は赤松の
林に揺れる茸でるころ       樋田哲夫

 10月1日~11月末までマツタケ・シーズンで、近くの山は「入山禁ず」の札を取り付けたロープが張られて中へ入ることは出来ない。素人がよからぬ考えを起こしてマツタケを一日中探しても、まず、見からないらしい。毎年決まった場所に出るので他人には教えない秘密の場所と聞く。ハイキングで見かける秋のちょっとした風物詩である。 にほんブログ村 美術ブログへ

山水も 宗祇(書)

2006-10-30 08:26:08 | 
山水も夕暮れ深し秋の声    飯尾宗祇

 宗祇は室町時代後期の人。生国は紀伊とも近江ともいわれていう。早くから相国寺に入り僧として修行、連歌の大成者となり全国を旅して広める。和歌は西行に私淑している。
 秋の声は草むらで鳴く虫の声か。
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第3回泉州YOSAKOI・2(写真)

2006-10-29 06:57:56 | 写真
集ひ来て踊るリズムの底抜けに
若きら力爆発させる     樋田哲夫

 りんくうタウン・メイン会場の開演11時30分~午後1時まで観客席最前列で見物した。40枚ほど撮ったか、デジカメの電池切れがおきて席を立ったが、終章の夕方近くですごく盛り上がり、遠くから来た出演者もみんな堪能したという。来年への夢を抱きながら辞散したと聞く。

アケビ、クリ、ザクロ(墨彩画)

2006-10-28 07:14:21 | 墨彩画
山道にはじめて通草みしときの
名前もしらず止まりてをりき         樋田哲夫

 かって、会社からのハイキングに参加して、一人しか通れない山道を一列になり下っていると、見たこともないつる草にサツマイモの形をした果実をみつけた。名前も知らない。後方からアケビと叫ぶ声で名前を知った。割れているものあり、形、大きさもまちまちであった。食べると美味しいという。つるは籠(かご)やいすの材料になるとか。山地の秋の光景である。  にほんブログ村 美術ブログへ

第3回泉州YOSAKOI(写真)

2006-10-27 08:51:57 | 写真
踊り手は老いも若きも一日を
りんくうタウンに鳴子と跳ねる     樋田哲夫

 快晴の10月22日(日)りんくうタウンで「第3回泉州YOSAKOIゑえじゃないか祭り」が開かれた。大阪をはじめ京都、兵庫、奈良、和歌山、遠くは高知からの64チームの総勢2500人の踊り手が一生懸命に5会場を舞台に跳ねた。太田府知事、地元3市町長からのメッセージも送られ盛大なもの。北海道「YOSAKOIソーラン祭り」のミニ・イベントで各チームの衣装もそれぞれ趣向を凝らした賑やかなもの。観客多数も1日声援を送った。

裏を見せ 良寛(書)

2006-10-26 08:45:12 | 
裏を見せ表をみせて散る紅葉     良寛

 江戸後期の曹洞宗の僧侶。越後出雲崎の人。名主山本家の長男として生まれたが弟に家督を譲り、諸国を行脚した後、故郷の国上山の五合庵に暮らす。子どもたちとの話は有名であるが、僧良寛にも弟子貞心尼の恋物語がある。現在でいう女のストーカーの熱愛に良寛も最初は困惑したであろう。

扇面にザクロ(墨彩画)

2006-10-25 06:43:17 | 墨彩画
実石榴のいつはぜるかを見に来れば
木も家も消えブル動きをり        樋田哲夫

 道路沿いのある民家の庭にザクロの木があり、今年はこの木の実を定期的に観察する予定をしていた。特に実がいつはぜるかを知りたくてである。ところが、きのう、行くとその民家は取り壊されて木も跡形もなくブルドーザーが2台大きな音を立てて整地していた。建売業者に売却されたらしい。さて、どこかのを探さねばならない。にほんブログ村 美術ブログへ  

行く秋を 子規(書)

2006-10-24 06:56:47 | 
行く秋を時雨かけたり法隆寺     正岡子規

 明治28年10月子規は奈良・斑鳩を訪ねている。有名な「柿喰えば鐘が鳴るなり法隆寺」の句もこのとき詠んでいる。また「稲の雨斑鳩寺にまうでっけり」の句から訪ねたときは雨が降ったり止んだりしていたのだろう。法隆寺は一度訪ねているが昔のこと。現在は西名阪自動車道を通るたびに山裾遥かに塔を見る。

大台ケ原の野生鹿(写真)

2006-10-23 06:12:43 | 写真
大台の静かなる日は木の下に
野生の鹿の出でて笹食む     樋田哲夫

 標高1695㍍の大台ケ原は荒れる日が多い。下が晴れてきれいな青空が見えていても山頂まで自動車で登ると、猛烈な風雨で車から外へ出られない。季節にもよるが、4回訪ねて2回がそうであった。そんな時野生の鹿はどうしているのだろう。静かな日には散策路のすぐ近くまで来て手が届くほどだ。

晩秋の田舎(水墨画)

2006-10-22 06:08:23 | 水墨画
冷え込めど暖を取るにはまだ早く
芭蕉の名句思い出す夜       樋田哲夫

 北国から紅葉の便りが届くころの夜になると、芭蕉の「秋深き隣は何をする人ぞ」の句を思い出す。昔、テレビも暖房器具もない時代はラジオしかなく娯楽に乏しいものであった。家族の楽しい団欒(だんらん)が終わって、小寒い夜長の寝る前は隣家の動きが不思議に氣になるものであった。 にほんブログ村 美術ブログへ

凩の 去来(書)

2006-10-21 07:27:55 | 
凩の地にも落とさぬしぐれ哉      向井去来

 去来は長崎の人。蕉門十哲の一人で、京都・嵯峨野に落柿舎を営む。
 江戸時代の句には季語のダブりはよく見かける。木枯らしは秋から冬にかけて吹く強い冷たい風のこと。時雨は秋の末から冬のはじめごろ降ったり止んだりする雨のこと。ともに冬の季語。時雨を地上に落とさぬほど木枯らしが強く吹いている。

白骨化した樹木の大台ケ原(写真)

2006-10-20 06:38:12 | 写真
立ち枯れて白く光るを大台の
白骨木とはよくぞいいける     樋田哲夫

 近畿の屋根といわれる大台ケ原は、年間5000㍉という世界有数の降雨量があり、強風が吹き荒れる。山頂の日出岳(1695)付近の正木ヶ原ではトウヒの立ち枯れが林立し、白骨木と呼ばれている。陽に白くひかり他の山では見られない異様な光景を作り出している。

里山の刈田(水墨画)

2006-10-19 07:20:28 | 水墨画
台風のなきを迎へて里山の
刈田を風のそよそよと過ぐ      樋田哲夫

 台風による死者の出た九州を除いて、ほぼ全国的にまずまずの豊作が予想される。里山も実りの秋を迎えて稲が刈り取られているのを見ると、農家の人の安穏が漂う。平地と異なって早稲種を作付けするのか早々と秋を終えている。 にほんブログ村 美術ブログへ

この道の 風生(書)

2006-10-18 06:20:57 | 
この道のけやきの落葉はじまりぬ      富安風生

 道路ぞいにあるけやきの木は複数とはどこにも触れてないが、どことなく並木道の気配がする。葉が落ちる直前の色は心を奪われ、すぐに目にとまる。そんな道を2,3日散策しているととうとう落ち始めた様子だ。すぐ裸木になってしまう寂寥(せきりょう)まで感じられる。

秋の大台ケ原(写真)

2006-10-17 07:40:50 | 写真
空も澄み風も澄みたる大台は
いよいよ秋の色づきにけり       樋田哲夫

 きのう、ミニ新聞を編集する知人からのお誘いを受けて秋の大台ケ原を訪ねた。複数ある中から一番やさしいコースを選んで、ブナ、カエデ、ナナカマドの紅葉の進みはじめた散策路を一巡した。群生するササの中に林立する白骨木の正木ヶ原からは好天とあって遥かに尾鷲湾、大峰山を眺めることが出来た。年配ばかり男女4人の参加。