哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

淋しさも 子規(書)

2008-11-30 06:31:45 | 
淋しさもぬくさも冬のはじめかな   正岡子規

 夕日が落ちる直前の晩秋は淋しい日がある。手袋もコートも、まだ、必要とするほどでもなく暖房も要らない。けれども風が強く小寒い日の晩秋はなぜか物悲しい。が、初冬に入って秋へ逆戻りしたような暖かい日もある。行きつ戻りつして冬へと徐々に進行する季節の今がこの句はぴったりする。

姫路・太陽公園ミニ世界遺産3(写真)

2008-11-29 07:39:05 | 写真
謎深き未開の島のミニは建つ
世界遺産のモアイの巨石

 南米チリ領に属し、首都サンチアゴから西3700㌔、タヒチから東4000㌔の南太平洋の絶海の孤島・イースター島に謎の石の文化で名高いモアイがある。18世紀オランダ人の発見で内陸を向いて建つ人面の巨石の1000体は謎が多く、世界に名を高めた。最大のもので高さ9㍍、重さ60㌧という。立てるだけでも大変なことである。

田舎の風景(水墨画)

2008-11-28 07:12:29 | 水墨画
半年後再度描きし風景に
僅かながらの変化のみえり       樋田哲夫

 花鳥画の作品も描いているが、風景画の上達を願っている。半年前描いた風景の手本を取り出して再度挑戦してみてた。前回時間を要したものが短時間で描けたことが大きい。まず、山もリアルになっている。樹木も濃淡が少し出せるようになった。全体にアップしている。「継続は力なり」続けていればわずかながら上達している。 にほんブログ村 美術ブログへ

初冬や 蕪村(書)

2008-11-27 06:31:37 | 
初冬や日和となりし京はづれ        与謝蕪村

 京都は時雨が多い。地形的にそうなっていて、北陸の[弁当忘れても笠忘れるな]のごとく冬は多く来る。この風土が日本庭園になくてはならない苔に適している。乾燥地ではとても望めない。だから京都に時雨はなくてならないものでろう。句は初冬に日和となって雨の心配もない喜びがにじんで、京都北部の暮らしに晴れは実感であろう。

姫路・太陽公園ミニ世界遺産2(写真)

2008-11-26 07:32:53 | 写真
山間の坂上りつつ右左
ミニの遺産の開け行く薗        樋田哲夫

 団体で訪れた姫路の太陽公園は世界遺産を真似た珍しい公園である。全部を見学するには時間が足りない。奥の方の双塔、天安門広場、万里長城、を見て撮影したかったが、集合時間が気になって行けなかった。進む坂の左右に展開するミニ世界遺産は楽しいが、一人で来るに限る。気候の優れた一日を、また訪ねたいものだ。

故郷の道(水墨画)

2008-11-25 07:04:30 | 水墨画
あと幾年生くるを思ふ歳なれば
たびたびいづる故郷の景        樋田哲夫

 日本人の平均寿命は延びて男性で79・00歳(2006年)となっている。人生50年といわれた戦国の世から比較すれば幸せなことにであるが、わが人生も後いく年と数える日が多くなった。故郷を出て都会で50年余。故郷は大きく変貌したが、中には昔の面影が残るところがあり、懐かしさが溢れる。 にほんブログ村 美術ブログへ 

海の音 暁台(書)

2008-11-24 07:35:15 | 
海の音一日遠き小春かな     加藤暁台

 小春は陰暦10月のこと。きょうは10月27日である。句の小春は小春日和を意味し、冬よく晴れた暖かく穏やかな天気ことである。風もなく静かな日は音も空へ拡散されて小さくなる。鉄橋を渡る列車の音も鐘の音も曇りの方が大きく聞こえる。風がないので海も凪て音そのものが小さいものである。

姫路・太陽公園ミニ世界遺産1(写真)

2008-11-23 07:05:56 | 写真
ミニ並ぶ世界遺産をゆっくりと
味はひながら公園めぐる          樋田哲夫

 姫路城から北西の山間部に世界遺産を模倣(もほう)したミニチュアが多数並ぶ「太陽公園」がある。凱旋門、小便小僧、万里長城、秦の始皇帝兵馬俑、ピラミッド、天安門広場など総数70を越える。世界の文化と歴史が短時間に楽しめる同公園は障害者の方々の能力を結集し自身が運営している。今後もまだまだ拡大されそうだ。

ツワブキの花(墨彩画)

2008-11-22 06:44:10 | 墨彩画
艶のある葉の漲りて初冬を
黄の鮮やけく石蕗の花         樋田哲夫

 菊科の石蕗(つわぶき)は切れ込みのある丸葉で濃緑色の光沢があり、60㌢ほどの茎はよく分枝して頭頂に黄の花を多数つける。常緑で斑入りもある。どちらかと言えば半日陰が似合い、樹木の根元を締める。福島以西の全国に広く分布している。山茶花と競って咲く多年草で群生地では華麗ともいえる花をつける。 にほんブログ村 美術ブログへ   

櫨紅葉 誓子(書)

2008-11-21 07:34:55 | 
櫨紅葉見てゐるうちに紅を増す       山口誓子

 櫨(はぜ)の鮮紅色は他の樹木より群を抜いて一足早く染まる。紅葉(もみじ)はその後の晩秋を華麗に染めるが、種類が多い関係で発色も多様である。数も圧倒的に多く一帯を美しくしてくれ、紅葉狩りなる言葉もあるほどで観光客が押し寄せる。句は見ているうちに紅を増すという観察眼が鋭くしびれる。

大津市坂本は石積みの里(写真)

2008-11-20 07:12:33 | 写真
坂下る冷たき水の音澄みて
秋盛りなる石積みの里        樋田哲夫

 比叡山東麓の坂本は「石積みの里」なる石標が建つ。緩やかな坂、縦横に走る道路に面して石垣が目立ち美しい。側溝を下る水は澄み、段差で爽快な音を立てる。秋は紅葉の色づきに一層華やぎを見せる。神社仏閣も多く歴史にも富む。西に信仰の比叡山、東に雄大な琵琶湖を控えて風光明美な町でもある。

高取城跡(水墨画)

2008-11-19 07:52:56 | 水墨画
森ぬけて風の渡りのすがしさに
いにしへ忍ぶ高き石垣        樋田哲夫

 高取城跡はなんどもアップするが、見事という外はない。一度訪ねて数十枚の写真を撮った。思い出して画像の中から絵になりそうなものを描いている。城主の石高はさほど高くないはず。周囲は山岳、米の取れる田地は少なく、治める領地は収穫はなく財政には乏しいことだろう。それが山頂に広大な城郭を築くとは驚嘆するばかりだ。 にほんブログ村 美術ブログへ

秋の夜や 草城(書)

2008-11-18 07:38:33 | 
秋の夜や紅茶をくぐる銀の匙(さじ)        日野草城

 きょうから全国的に急に冷え込み12月並みという。寒くなると熱い飲み物は心を癒してくれる。紅茶やコーヒーのカップは薄くてスプーンでかき回すから底に当たってカチカチと音が出る。その時スプーンは紅茶に見え隠れする。これを句はくぐると表現している。日本茶ではかき回すことがないのでこうはならない。秋の夜長に水分補給は健康にも良い。

播州清水寺の紅葉(写真)

2008-11-17 07:20:45 | 写真
分け入りし御嶽の山の頂きは
秋の錦の鮮やかなりし        樋田哲夫

 西国三十三所第25番清水寺は京都の清水寺と区別して播州清水寺と呼ばれている。昭和50年新道が開通し、仁王門まで車で行けて楽になった。それまで難所に数えられて石の坂道を40分登らなければならなかった。寺は征夷大将軍坂上田村麻呂が東征のさい太刀を納めて祈願した由緒ある古寺。

高取城跡

2008-11-16 06:15:10 | 水墨画
兵の夢遥かなる城跡の
道は草なく人通るらし       樋田哲夫

 日本三大山城の一つ奈良県高取城跡は当時豪壮だったと想像させる石垣が残る。どうしてこんな山頂(583・9)に石を運んで積み上げたのかロマンが膨らむ。訪れたのは昨年であったが画像をプリントして墨絵にしてみた。ここ数回石垣シリーズとしてアップしているが写真から画にするのは難しいものの楽しみでもある。 にほんブログ村 美術ブログへ