哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

古今集第六十四番散りぬれば(書)

2010-08-31 06:07:05 | 
散りぬれば恋ふれどしるしなきものを
今日こそ桜折らば折りてめ       詠み人知らず

 ひとたび散ってしまえば、いくら桜を恋しく思っても、もうどうすることも出来ない。今日という今日は意を決して折りたい枝を一枝折ることにしよう。平安時代は桜の枝を折る歌が散見される。今では桜は自然のままを鑑賞するもので全然違う。ソメイヨシのない時代だからか、桃なら分かる。

桜井の駅(写真)

2010-08-30 07:34:43 | 写真
迎え撃つ楠公父子の訣別の
決意も固き桜井の駅       樋田哲仙

 国史跡桜井の駅はJR島本駅のすぐ前にある。太平記によると南北朝時代勢いを盛り返した足利尊氏が九州から京へ攻め上ってきた祭、それを迎え撃つ南朝方楠木正成は湊川(神戸)の戦に決意するが、子の正行も参戦しようとするので、諭して居残るよう決別の遺訓を残した地とされる。戦前は小学唱歌にもあり、高齢者なら学校で教えられた。

金魚(墨彩画)

2010-08-29 05:14:11 | 墨彩画
大和には沸き立つものに産地とて
金魚すくひの集ふ人たち         樋田哲仙

 金魚の一大産地奈良県大和郡山市では毎年夏に全国金魚すくい選手権大会が開かれる。今年は8月21日の開催で、17回目となる。小中学生、一般、団体の三つに分かれ、会場となった市営グランドは熱気に溢れた。近鉄京都線沿線には多数の養魚池が見られ、一大産地とすぐに分かる。夏の夜店には欠かせない金魚。関西では当市の金魚が販売され夏の風物詩となっている。 にほんブログ村 美術ブログへ 

古今集第六十三今日こずは(書)

2010-08-28 06:15:50 | 
今日こずは明日は雪とぞ降りなまし
消ずはありとも花と見ましや        在原業平

 私が今日か来なかったら、明日は雪となって消えていただろう。仮に消えなくてここにいたとしても、花としてみることが出来るだろうか。この歌は恋の返歌で相手の女性でないと理解できないところがある。

駅伝折り返し地点(写真)

2010-08-27 05:51:06 | 写真
折り返す地点はここか駅伝の
国際会館前に佇み        樋田哲仙

 年末の高校駅伝は毎年楽しみにしている。京都市街を舞台に12月中下旬に開催され、今では駅伝の甲子園の感がある。折り返し地点は3・4区の中継地点でもあり、洛北宝ヶ池の国立京都国際会館前はテレビに映る。宝ヶ池界隈を散策していて、ここまで来れば是非にと訪ねた。昨年男子は世羅、女子は豊川(半分のコース)

アルプスの嶺(水墨画)

2010-08-26 05:53:25 | 水墨画
縦走の憧れ持ちしアルプスも
齢重ねてはるかとなりぬ         樋田哲仙

 若い頃に森村誠一の小説に山岳描写が出てきて、一度でいいから北アルプスの縦走をしてみたいと思って以来、果たせず40年も過ぎてしまった。最近では深田久弥の日本百名山のテレビ番組を見て思いを新たにしたが、今現在自身の年齢と体力を知ると、実現できない過去の憧れに過ぎない。上高地の河童橋や立山黒部アルペンルートで麓から仰ぐぐらいしか出来ない。  にほんブログ村 美術ブログへ

古今集第六十二番あたなりと(書)

2010-08-25 05:50:57 | 
あたなりと名にこそたてれ桜花
年にまれなる人もまちけり      詠み人知らず

 すぐに散って誠意に欠けていると評判になっている桜の花だが、一年にたまにしか来てくださらないお方でさえも、きっちり待っているのです。女性の作者自身が移り気の評判なことから、桜になぞらえている歌。

神叶寺山門より(写真)

2010-08-24 06:13:05 | 写真
真っ直ぐに門より伸びる坂の上
これより上る本堂の見ゆ       樋田哲仙

 地兵庫県西宮市の甲山中腹に歴史のある神叶寺(かんのうじ)がある。山門より直線の長い階段の果てに本堂の屋根が見える。幅広い階段にはさほど樹木もなく、全容が見え壮観となる。別名甲山大師と呼ばれ、寺までたどり着く道中に石標が見られ、丁数が刻まれている。本堂へたどり着くと東方に武庫川の堤防の林がはるか海まで続くのが見え雄大である。

寄らば大樹の陰(水墨画)

2010-08-23 05:50:52 | 水墨画
意地ありて不利を承知で突き進む
寄らば大樹の陰といふけど       樋田哲仙

 意地を張って得をすることはまず少なく、損をすることの方が大きい。議論においても相手の意見がよいと分かっていても、一旦いいだしたことから、引っ込めなくて無理を押す。協力者も少なく、本流から支流へと落ちて行く。政界の派閥を見ていても大きい派閥のほうが何かと有利にみえている。民主党代表選も間近で派閥の行方が見物である。  にほんブログ村 美術ブログへ

古今集第六十一番さくら花(書)

2010-08-22 05:37:38 | 
さくら花春くははれる年だにも
人の心にあかれやはせぬ     伊勢

 桜の花よ、今年はうるう年で3月がひと月追加されて、充分春を楽しむことが出来たのだが、人間は万事飽きっぽく、それが心配でならない。題詞に「弥生にうるふ月ありける年よみける」とあり、うるう年が分かる。「くははれる」は加われる<。/b>

門戸厄神(写真)

2010-08-21 07:21:15 | 写真
風格は申し分なき寺にして
なにゆゑ人のいと疎らなり         樋田哲仙

 寺とは先出の門戸厄神のことである。南門から奥へ進むにつれて、清掃の行き届いた境内が目に付く。風変わりな高楼を思わせる朱の山門は風格があり、その階段を上ると数多くの堂宇が開けて朱の欄干はひときわ華麗さを示す。これほど歴史と風格のある寺に参拝客の少ないのは訪ねた日が悪いのか、暑さのせいなのか不思議である。

桜の幹に蝉(水墨画)

2010-08-20 05:24:01 | 水墨画
                           (豆色紙)
日盛りはまだ暑けれど早く来よ
秋きを奏づるツクツクボウシ       樋田哲仙

 ここ数日西高東低と報じるが、これは冬型の気圧配置ではなく、日本列島の気温分布である。盆を過ぎるころに、各地で記録が更新される。林や森ではアブラゼミやクマゼミの全盛で秋の到来を告げるツツクボウシの声は、まだ聞かれない。間もなく鳴き始めると思うが、聞いた瞬間秋がきたと実感する。これだけ暑いと早く待たれる。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

門戸厄神大提灯(写真)

2010-08-18 06:30:24 | 写真
昨年に訪ねているを記憶なし
門戸厄神大提灯は         樋田哲仙

 昨年8月、門戸厄神東光寺を訪ねているが、今年も同時期に訪ねた。西宮市の高台にあり、創建は平安時代で高野山真言宗と古く、厄災払いで有名。また、十三詣りの虚空蔵菩薩をまつる。階段を上がる際の山門に下がる大赤提灯は記憶になく、新しい思いでくぐった。境内の建造物は華麗で整然としていて爽快である。

どこにもアライグマが(水墨画)

2010-08-17 05:18:24 | 水墨画
文化財農作物に広ごれる
被害を問へばアライグマとは          樋田哲仙

 北米原産のアライグマは当初ペットとして輸入されたが、飼育するに連れて気性が荒いことから野外に放され、繁殖力が強く今では全国に満えんしてしまったらしい。山野どころか人家に出没し、寺社の文化財、農作物に被害が及び、手を焼く始末。まだ見かけたことはないが、森などで出くわしたら、さぞ、驚くであろう。 にほんブログ村 美術ブログへ