哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

福知山城本丸(写真)

2008-03-16 07:14:56 | 写真
見るにつけ分かるにつれて旅はよし
知らない土地の知らないものを        樋田哲夫

 福知山市街地を歩くのは始初めてである。列車を降りると、まず観光案内を目指す。ガイドマップと説明を受けて時間がかかりそうならレンタサイクルを借りる。今回は事前の下調べが不十分で行き先が定まらず、城と三段池に絞り込んだ。自転車はやめて一日歩くことにした。列車から見た城は訪ねると意外に大きかった。

奥入瀬渓流(墨彩画)

2008-03-15 05:11:52 | 墨彩画
奥入瀬はうつろふ四季に溶け込みて
時に激しく岩に砕けり       樋田哲夫

 青森県南部の十和田湖、奥入瀬渓流は景勝地で観光のメッカである。樹林縫う14キロの奥入瀬渓流は十和田湖の水を唯一海へ流す自然のパイプでもある。観光船で湖を渡り、子ノ口からの渓流は水流豊富に渓谷美となって岩に当たり砕ける。日本では類のない自然の芸術を作り出している。にほんブログ村 美術ブログへ 

雀の子や 鳴雪(書)

2008-03-14 06:53:05 | 
雀の子や走りなれたる鬼瓦        内藤鳴雪

 俳句で雀の子は春に孵化(ふか)した雛(ひな)を指す。繁殖は春とは限らないが春が一番多い。この句の雀の子は孵化してしばらく経(た)っているのだろう。走れるようにまでなっているのである。しかし、雀は走るよりホッピングして跳ねることが多い。鬼瓦(おにがわら)は棟の両端にそれぞれ一枚いかめしい面をした瓦で走れる面積はない。

福知山城の坂(写真)

2008-03-13 07:27:05 | 写真
光秀が治めし城へ目指す坂
桜はいまだ蕾のかたし         樋田哲夫

 国道9号線やJR山陰線で福知山を通ると、すぐ近くに福知山城が見える。標高43㍍の小高い山頂に建つ城は周辺からよく見える。明智光秀が天正年間丹波を平定して築城し、城下の基礎を整えた。丹波にとって光秀は名君である。本能寺の変以来逆臣の汚名をきせられ、最後は悲運の生涯を迎えた。

ハクモクレン(水墨画)

2008-03-12 05:31:04 | 水墨画
青空を背に輝きて眩しきは
風のそよぎの白き木蓮     樋田哲夫

 早春に咲くハクモクレンは仲間のコブシ、シデコブシ、タムシバよりも花数が多く、花弁も厚みがあって豪華である。高さも4~5㍍で大木はほとんど見かけない。桜の咲く直前に白く輝く。花の命は2日ほどで汚れが目立つ。現在の大阪ではつぼみの先が割れ始めて開く直前にまで来た。にほんブログ村 美術ブログへ

あけぼのや 一桐(書)

2008-03-11 07:34:59 | 
あけぼのや鶯とまるはね釣瓶         京屋一桐

 一桐はこのブログに初登場。伊賀上野生まれで商人。生没不詳。芭蕉に師事する。この句は加賀の千代女の「朝顔に・・・」を連想させるが、これはウグイスだから状況は異なる。はね釣瓶(つるべ)は柱に横木を渡し端に石の重しを、他方に釣瓶を取り付けて水を汲む力を軽減させる工夫。老齢者でないと見たことはないだろう。

梅は家紋にも(写真)

2008-03-10 07:07:26 | 写真
先祖より宝の一つ守りゐる
我が家の紋は「丸に梅鉢」        樋田哲夫

 現在は家紋を口にする人はいなくなった。昔は家によって決められた紋所を代々受け継いだものだ。格式の高い家では家の切妻から調度品に至るまで家紋を表示していた。日本の代表格は徳川家の葵の紋、薩摩島津家の丸に十、加賀前田家の梅鉢が有名である。梅は家紋にも多数デザイン化されてごく普通の紋である。

田舎の風景(水墨画)

2008-03-09 07:08:10 | 水墨画
見慣れたる遠き景色はほのぼのと
霞かかりて春立つらしも          樋田哲夫

 前夜の天気予報であすは気温が11度と報じたので、朝の快晴を見て山行を決めた。紀泉山脈の雲山峰である。麓まで自動車で行き空き地に乗り捨てて置いて登るに限る。1時間弱で急にパノラマの視界が開けたが、いつもの遠い景色の神戸六甲、淡路島は霞にかすんで見えなかった。まさしく春到来である。にほんブログ村 美術ブログへ 

鶯の 蕪村(書)

2008-03-08 07:44:13 | 
鶯の枝ふみはづす初音かな         与謝蕪村

 ウグイスの初音はたどたどしく下手である。2月12日紀州東照宮の背後のやまで初音を聞いた。二声でまだまだの感があった。あれから2週間がたち、上手くなっているに違いない。山の近くに住む知人によると、今盛んに鳴いているという。ウグイスは声ほど美しい鳥ではない。スズメの大きさで公園や庭の茂み、垣根の薄暗いところにいる。

大阪城梅林(梅林)

2008-03-07 07:14:25 | 写真
梅の背の大阪城を仰ぎ見る
顔に優しく雪の舞ひ来る          樋田哲夫

 大阪城公園の一角に梅林はある。97種、1200本の大規模な園が満開となると香りが溢れてシーズン中は大勢の人が訪れる。昭和49年に開園し35年の歴史を持つ。訪ねた2月27日は冷たい風に時折みぞれが降る始末で梅の観賞には大変であった。城を仰ぐ位置に梅が咲く光景は他所にはまずないだろう。

シラカンバ(水墨画)

2008-03-06 07:24:16 | 水墨画
くるくると樹皮のはがれて白樺の
林は春の白き精をり        樋田哲夫

 シラカンバ(シラカバ)の幹の白さは格別な風情がる。亜寒地帯の気候に適し、福井・静岡を結ぶ以北にあり、北海道に多いという。近畿では余程の山地にしか見られない。和歌山・立里荒神へ向かう自動車道沿いに群生している。小規模でおそらく人の手による植林であろう。か細い幹は空へ伸びて思わず車を止めて眺めた。 にほんブログ村 美術ブログへ

散るたびに 蕪村(書)

2008-03-05 07:12:44 | 
散るたびに老いゆく梅の木末かな       与謝蕪村

 満開に咲き切った梅の花が次第に散り始める様はみすぼらしいもの。それを老いたと見たのである。梅は規則正しくはないが、下から咲いて次第に上へ進む。散るのも当然下から命を終える。先が散るころは梅の春は終わりを迎え、来期まで待たねばならない。数日間観察していたのであろう。風の強い日は花びらが顕著に落ちて状況が明白となる。

淡路夢舞台ラン展2008(写真)

2008-03-04 05:48:21 | 写真
今の世も人の力のおよばざる
色の輝く蘭の花々         樋田哲夫

 淡路夢舞台ラン展2008は2000年3月~9月まで開かれた花博の跡地の大温室を利用して1月19日~2月24日まで開催された。今年のテーマは「香り」 最大級の温室の中はさまざまな色のランで香りが充満。ラン展は開催期間が短いのが難点で花の命の短さはいかんともしがたい。東京、神戸のラン展のミニ版か。

ツバキの定め(墨彩画)

2008-03-03 05:25:26 | 墨彩画
定めにて落つる椿のあはれなり
祈りの晴れて下る石段          樋田哲夫

 紀州東照宮は春の光に包まれて穏やかであった。幾度も訪ねているが、いままで本殿と思っていた拝殿の奥に本殿があることの発見に驚き、満足した。東照宮は小高い山の中腹にこじんまりとしながらも威厳と風格を備えている。帰りは道を変えて緩やかな坂を下るとツバキの花がポツリポツリと階段の上を汚していた。 にほんブログ村 美術ブログへ

梅散るや 巣兆(書)

2008-03-02 07:21:55 | 
梅散るや難波の夜の道具市         建部巣兆

 巣兆(そうちょう)はこのブログに初登場。江戸後期の江戸生まれ。加舎白雄の門下生。千住に住んだ俳諧と画の文化人。酒井抱一らと親交があった。梅の散るころはまだ寒い。江戸時代の難波に道具市があったのだろう。現在大阪ミナミに道具屋筋と呼ばれる商店街があるが、この句の道具市が発展して現在の商店街があるような気がしてならない。