哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

高台寺霊屋(写真)

2009-11-30 06:56:18 | 写真
盆に来てまた訪ねたる紅葉の
庭をめぐれる高台寺かな     樋田哲仙

 高台寺は8月15日のお盆に訪ねた。境内にある多数の紅葉(もみじ)の木を確認したのて、もう一度11月22日に訪ねた。前回より紅葉の見ごろとあって入山者は多い。方丈前からズームにして霊屋や池の土手の紅葉を多数カメラに収めた。霊屋には秀吉の正室北の政所の骨が納められている。

ツワブキの花(墨彩画)

2009-11-29 05:15:31 | 墨彩画
秋去りて冷たき風の吹き初むる
頃の根締に冴えし黄の石蕗(つわ)      樋田哲仙

 山茶花の咲くころ、キク科の常緑多年草でフキに似た丸葉に鮮やかの黄色の花をつけるツワブキは暖地を好むが、一般には木々の根元に植えられていて、半日陰が適しているらしい。花が乏しくなり始めるこの時期にひときわ目立つ。花茎は食用に、光沢のある葉は腫れ物、湿疹の薬用となる。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第七十二番音にきく(書)

2009-11-28 06:10:10 | 
音にきく高師の浜のあだ浪は
かけじや袖の濡れもこそすれ   祐子内親王家紀伊

 かねてから評判の高い浮気心のあるあなたから、いい寄られても、聞き入れることはしませんよ。後になって涙で袖を濡らすことになるのが見えていますから。高師浜は大阪府高石市にある地名で、音の高しにかけている言葉。紀伊は朱雀院皇女祐子内親王の家に仕えたことによる。

木の間から清水寺舞台(写真)

2009-11-27 06:38:17 | 写真
本堂を木の間より見る清水は
錦の光る極楽浄土     樋田哲仙

 清水寺の境内は広大である。本堂舞台からの眺めもよいが、一度離れて反対側から向かう清水もよい。秋色が満ちて樹幹からわずかにのぞける程度で、ほんの限られた場所となり人も減る。三重塔と本堂舞台が並列してワイドな清水が浮かび上がる。大半の人がこの絶景を見ずに、音羽の滝を見て去るようだ。

レンコンと枯葉(水墨画)

2009-11-26 06:25:45 | 水墨画
ケーブルのごとくに蓮は地の底へ
空気の穴の茎を持ちをり       樋田哲仙

 レンコンには8~9個の穴があり、先の見通しがよいとして縁起がよく、おせち料理には欠かせない。7月にピンクの大きな花を咲かせ、8月には食用となる多数の実をつける。晩秋のこの時期地下のレンコンを掘る。昔は重労働であったが、現在は圧力のある放水で掘る。土浦、徳島、愛西(愛知)、岩国が主生産地となっている。  にほんブログ村 美術ブログへ

清水寺舞台の人波(写真)

2009-11-24 05:37:29 | 写真
紅葉狩る連休なれば清水の
舞台は人の溢るるばかり        樋田哲仙

 京都の紅葉を楽しめる社寺は多い。この連休に東山山麓にある清水寺は人の波が続いた。入山券購入の四つの窓口にも長い列が出来て、本堂舞台までの通路は大変であったが、ぶたいは秋景を楽しむ人たちが足を止めるので身動きできない状態であった。一帯に広がる紅葉の錦と市街の遠望も好天とあって晩秋の最後の見ごろとなった。

キキョウ(墨彩画)

2009-11-23 06:13:26 | 墨彩画
夕せまる秋の花壇に音たてて
開くものあり桔梗の蕾         樋田哲仙

 子供のころキキョウの花が開くとき音を立てることを知った。花壇の片隅に1㍍ほどの畝に植えられていたキキョウがぽんと小さな音を立てた。しばらくすると、次のがまた音を立てた。空気は中に入っててのことだろう。薄紫の花を咲かせ、秋の七草の一つである。根が咳止めの生薬となる。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第七十番淋しさに(書)

2009-11-22 05:39:00 | 
淋しさに宿を立ちいでてながむれば
いづこも同じ秋の夕暮れ        良暹法師

 あまりにも寂しいので、心を晴らそうと我が家を出て、あちらこちらを眺めてみたが、どこもかしこも同じような物悲しい秋の夕暮れであるなあ。良暹(ぜん)は先の歌の能因法師と同時代の人。この歌は藤原定歌、西行法師の歌と共に三夕の一つ。

国華園盆栽仕立て(写真)

2009-11-21 06:17:41 | 写真
峰に生ふる松に見え来る黄山の
ごときに菊の盆栽仕立て       樋田哲仙

 黄山は中国安徽省南部の奇鋒が林立する景勝地でテレビや雑誌でよく紹介される。峰峰の断崖にへばりつく松の光景が東洋の神秘となり、水墨画の原点である。国華園の菊花盆栽展では黄山に似せて、断崖に松を表現する盆栽仕立てが何点も出品される。2㍍四方の狭い区画によくぞ作り出すものだ。

イヌサフラン(水墨画)

2009-11-20 06:05:01 | 水墨画
葉もなしに茎のみ伸びて秋に咲く
イヌサフランは不可思議の花       樋田哲仙

 彼岸花の特徴に似ているイヌサフランは茎だけ急に伸びて花を咲かせる。葉はその後翌春に細く伸びる。観賞用、薬用となり、薄紫の直径5㌢ほどで漏斗状の花をつける。ユリ科で球根のため多年草とる。彼岸花は花後すぐに葉を伸ばし、ごく普通に見かける野草で違いはあるが、世界にはよく似た不思議な咲き方をするもがあるものだ。 にほんブログ村 美術ブログへ 

百人一首第六十九番嵐吹く書)

2009-11-19 07:01:39 | 
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は
竜田の川のにしきなりけり         能因法師

 嵐が吹き荒れて、三室山の黄葉した葉がそのまま竜田川に流れ込んで、川面は美しい錦を作り出している。嵐は台風ではなく木枯しであろう。三室山は大阪、奈良府県鏡の生駒山に続き、奈良県側に竜田川は流れ、大和川に続いている。

国華園特別展清水寺(写真)

2009-11-18 06:50:16 | 写真
昨年度覚えたる名の出品者
今年もありて菊花の香る        樋田哲仙

 毎年秋には和泉市の国華園へ菊花展を見に出かける。駐車場は広いが、それでも確保するのに苦労するほど来園者が多い。ドームの中の創作特別展は豪華で出品者の気概が溢れて圧倒される。中には常連者らしく昨年度記憶した名前を今年も見かけて、情熱の健在ぶりに懐かしさを感じる。

茶樹の花(水墨画)

2009-11-17 05:43:44 | 水墨画
咲くからは予想のつくもお茶の木に
実のなることの信じ難きも        樋田哲仙

 日本人の食後になくてはならない茶は身近で大切なものであるが、茶の木のこととなると意外と弱い。宇治や静岡以外にも栽培地は沢山ある。寒さに弱く、特に霜による被害は栽培農家に恐れられ、降霜の予想される夜には大きな扇風機を回して予防している。常緑樹でサザンカの仲間であるが、茶樹だけは別らしい。晩秋になると小さな白い花が咲く。だが、翌秋には実の着けることまでは知らなかった。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第六十八番心にも(書)

2009-11-16 06:20:11 | 
心にもあらでうき世にながらへば
恋しかるべき夜半の月かな      三条院

 私は病弱で、とても長く生きることはないと思うので、位を譲ってしまいたいのだが、その後思いの外、この浮世に生きることになったら、そのとき今夜眺めている月を懐かしく見つめることであろう。三条院は42歳で没。