哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

ビワの熟れるころ(墨彩画)

2006-05-31 07:32:25 | 墨彩画
袋掛けできなき年は鳥たちに
食られまいと枇杷の守する        樋田哲夫

 ビワの実が熟してちょうど食べごろになると、鳥たちが来て失敬し始める。あまりの忙しさに袋掛けができなかった後のとんでもない付けである。一日かけて袋掛けする手間を惜しんだ結果で仕方がない。 にほんブログ村 美術ブログへ

片言隻語(書)

2006-05-30 07:02:32 | 
                 (豆色紙)
へんげんせきご
 
 片言隻句と同じ。
 片言  1 ちょっとした言葉。一言
     2 一方の人のいう言葉。
 隻語  1 ちょっとした言葉。
     2 子どもの片言

ハコネウツギ(写真)

2006-05-29 06:25:33 | 写真
野に山にはじける心実らせむ
箱根空木の花の咲くころ      樋田哲夫

 ハイキングの最終地・淡島神社の境内で見かけた。スイカズラ科の落葉低木。筒状の花は最初白から次第にくすんだ紅に変化していく。初夏のこの時期によく見かけ、新緑が映え私は心身ともに活力がみなぎる。

ハナショウブ(墨彩画)

2006-05-28 07:42:06 | 墨彩画
                 (豆色紙)
菖蒲にはいつも見にきし花園の
閉鎖の噂真なりけり

 ある電鉄のハイキングに参加したら、5月の好天とあって参加者は360人。新緑を楽しみ、太平洋の水平線を望みながら歩いて終りに近づいたころ、いつも来ていた谷あいの花菖蒲園を通りかかると閉鎖されていた。噂は本当であった。さて今年はどこへ出かけようか。 にほんブログ村 美術ブログへ

無極(書)

2006-05-27 05:12:21 | 
                 (豆色紙)
むごく

 この上もないこと。無上至極。
 老いてくると健康で生きていられること自体が、無極であるといえよう。その状態にありながら普段なかなか気づかないが、考えてみると確かに健康ほど尊いものはない。よく使用される極楽とも違う。

フジの花(写真)

2006-05-26 07:14:48 | 写真
一房に無数の花をつける藤
この房々のその房々の        樋田哲夫

 フジの古木には不思議な生命力を感じる。地上から立ち上がる幹は太く鋭くねじりあい竜巻のように迫力をみせ、たくましい。枝も八方へ広げて開花期は花序が長く垂れ下がり、咲き始めるころは真下に入って仰ぎ見るのがよい。

2匹の金魚(墨彩画)

2006-05-25 09:39:21 | 墨彩画
ここだけを生きるすべてと泳ぎゐる
鉢の金魚の涼しげにして      樋田哲夫

 子どものころは縁日などで手に入れた金魚を鉢の中で大事に飼ったものだ。机の上に置いて眺めているだけで一時夏の暑さを忘れた。だが、長くは飼えず短い命で終わらせてしまうことが可哀相となんども思った。金魚の飼育方法を知らなかったのが原因だが、今は飼うこともしない。 にほんブログ村 美術ブログへ

牡丹散りて(書)

2006-05-24 07:42:11 | 
牡丹散りてうちかさなりぬ二三片       蕪村

 牡丹の咲き終わるころ、地上に花弁が2、3辺落ちているただそれだけの句が名句となっている。芭蕉の「古池や・・・」の句もそうであるが俳句とは不思議な力がある。
 金剛寺の牡丹園は種類が豊富なため多少早咲き遅咲きがあり、早いものは終わろうとしていて、その光景を見るとこの句が浮かんでくる。


子安地蔵寺・五色の幕(写真)

2006-05-23 08:04:19 | 写真
五如来の意味を聞きたしいつの日か
寺に見かける五色の幕の         樋田哲夫

 寺へ来ると本堂などに五色の長い幕を見かける。祭礼の期間なのか、年中なのか幕そのものに深い意味があるのだろう。色の配列も緑・紫・白・赤・黄と規則正しい。5月のこいのぼりの吹流しの色とも違っている。機会があればゆっくりと尋ねてみよう。

風に遊ぶひょうたん(墨彩画)

2006-05-22 07:38:10 | 墨彩画
棚下の風に遊べる瓢箪は
腰のくびれに親しみのあり      樋田哲夫

 子どものころから瓢箪が好きで栽培したことがある。子どもで棚をこしらえることが出来ず、柿の木を棚代わりに1株の千成ひょうたんをはわせ、肥料をたっぷり施すと見事に数を生(な)らした。100を超えると加工するのが大変で、形の悪いものも多くそれらは捨てた。いい思い出である。 にほんブログ村 美術ブログへ

泰然自若(書)

2006-05-21 06:40:29 | 
                 (豆色紙)
たいぜんじじゃく

 ゆったりと落ち着いて平常と変わらないさま。
 人の目の集まる中で、平然として振舞うさまは気品や貫禄が出て惹(ひ)きつけるものがある。テレビで相撲を見ていると白鵬の動作は年若くして、自信に満ち風格を備えて立派である。

子安地蔵寺・フジの花(写真)

2006-05-20 06:34:44 | 写真
初恋は老いたる今もほのかにて
藤の房ほど長くはあらじ        樋田哲夫

 和歌山県橋本市の関西花の寺第24番霊場子安地蔵寺は藤の花が境内一面に咲き乱れる。樹齢100年の古木を含め8種類、20数本がある。住職によると藤の房は毎年異なり予測がつかないとのこと。今年(5月1日現在)は開花も少し遅れているらしい。

アイリス(墨彩画)

2006-05-19 07:27:18 | 墨彩画
アイリスは不確かなれば今一度
スーパーにある花屋へ向かふ      樋田哲夫

 アイリスの花は詳しくは知らない。絵に描くとなると、その特徴をとらえなければ様にならない。そこでスーパーの花屋さんへ確かめるため出かけてみたがなかった。時期が違えば当然である。やむおえず手本に頼った。 にほんブログ村 美術ブログへ

滝の音(書)

2006-05-18 07:33:52 | 
をちこちに滝の音聞く若葉かな        蕪村

 「をちこち」はあちこちという意であるから沢山の滝があってあちらこちらから滝の音が聞こえてくると解釈していたら、最近になって本にいくつもの滝があるわけではない。若葉の山中にいると一つの滝の音がまるでいくつもあるが如く聞こえてくるとしていた。なんと幻覚視聴の世界があるとは知らなかった。

遥かに金剛山(写真)

2006-05-17 07:30:59 | 写真
心地よき風吹き抜ける屋上に
上れば遥か金剛の峰       樋田哲夫

 五条市にあるホテルの6階建ての屋上に登ると遥か北西の位置に、大阪・奈良府県境にそびえる金剛山(1215)が眺められた。唯一大阪で雪山登山が楽しめる山だ。樹氷、霧氷の美しさに惹(ひ)かれて登る人も多い。また何千、何万と登る人もおり、鍛錬の山でもある。5~6回上ったことがある。写真は2枚をワイドに合成