哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

大法寺の国宝三重塔(写真)

2016-12-31 07:09:31 | 写真
鄙びたる里に踏み込み仰ぎ見る
山の高みに三重塔        樋田哲仙

 長野県小県郡青木村は田舎もいいところで、上田市の南西部に位置する。松本へ抜ける途中で迷い込んだ感がある。コンビニの店員の話に近くに名のある寺があると聞いた。山間の坂に寺はあった。トタン葺の本堂裏側の高みに国宝の三重塔は建っていた。この塔がなければごく普通の寺であるが。塔が人を引き付けるようだ。ぽつぽつと参拝客が訪ねて来る。

夜に鳴くフクロウ(水墨画)

2016-12-30 06:53:46 | 水墨画
夜行にて見るは難けど夜の森に
低く響きて梟の鳴く       樋田哲仙


 フクロウは夜行性で観察の難しい鳥である。12年間「日本野鳥の会」に所属して一度だけ飛翔するのを目撃たことがあるだけだ。全くの偶然のことで幸運というほかない。トビとも違いくちばしがなく頭が円いのですぐにそれと分かった。夜には活発に動きよく鳴くがが、真冬は鳴かない。寺社の森、林、里山に棲む。動物の動く音を聞き分けて餌を捕獲する。  


朱に映える生島足島神社(写真)

2016-12-28 07:08:36 | 写真
この頃に気づくことあり朱の色の
建造物は寺より神に       樋田哲仙

 最近になって、ふと気づいたことがある。この年になるまで一度も思った言すらないから不思議である。朱色の建造物は神社の方が圧倒的に多いことだ。那智大社、速玉大社、日吉大社と簡単に浮かんでくる。伏見の稲荷大社もそうである。ところが手となると数えるの苦労する。京都の清水寺や浅草の浅草寺ぐらいのものだ。時間をかければもっと出てくるだろうが。

また、一年も終わり(水墨画)

2016-12-27 07:11:02 | 水墨画
クリスマスすぎて見事に変わりをり
店に流るる歌はお正月       樋田哲仙

 クリスマスが過ぎたと思ったら翌日にはスーパーの店内は一変している。クリスマスの子供用プレゼン田は片づけられて、しめ縄やおせち料理の品々が並べられている。一晩のうちで深夜に大わらわの動きである。さらに店内にはジングルベルから唱歌のお正月が流れる。あっという間に1年が終わりである。 

上田市にある生島足島神社(写真)

2016-12-25 06:57:20 | 写真
境内は朱色にはえる社あり
その神の名は生島足島      樋田哲仙

 上田市にある式内大社生島足島神社はチラシを見て立ち寄ることにした。裏側から入って最初はそれほどにも思わなかったが、華麗な社で風格もある。これなら信濃一宮としてもおかしくないと思って巫女に尋ねると一宮は諏訪でここの神は二宮ですという。あの諏訪があっては仕方がないと納得。

枯草の岩山(水墨画)

2016-12-24 06:48:19 | 水墨画
戦慄の走ることあり枯草の
この岩山に野火の起きるを      樋田哲仙

 年末の糸魚川市の大規模火災をテレビで見ていると、戦慄を覚える。火元となるラーメン店の風下が強風にあおられ、飛び火して拡大、4万平方㍍の150棟が延焼した。地震や津波を除いて20年以降ないという市街地の大災害である。春先近くで山火事はあるが、樹木が焼けるだけの災害とはならない。 

信濃国分寺本堂(写真)

2016-12-22 06:52:12 | 写真
信濃には聖武天皇勅願の
寺にはあらぬ国分寺あり       樋田哲仙

 奈良時代の信濃国分寺跡から3・400㍍の位置に信濃国分寺がる。重要文化財の三重塔や立派な本堂もあり、決して新しい寺ではない。こんなことは初めてである。理由があるに違いないが、分からない。しばらくの間に散策に訪ねてくる人も見かけられた。

師走の林(水墨画)

2016-12-21 06:48:48 | 水墨画
一年の早くも早き年の暮れ
今週末はクリスマスイブ       樋田哲仙

 何度考えても間違いはない。年月の経つ速さのことである。特に老齢となるとあっという間に一年が過ぎようとしている。今週末はクリスマスイブでツリー、ジングルベルの歌があふれる。さらには、スーパーでは正月用品も並び始めた。年賀状も終了していないのに急き立てられる思いである。  

信濃国分寺跡の礎石(写真)

2016-12-19 06:45:27 | 写真
礎石のみ今に残して広々と
公園とある信濃国分寺         樋田哲仙

 奈良時代、聖武天皇が各国に勅願で五穀豊穣と国家鎮護を求めて国分寺は建立された。1200年も経過すれば現存する寺はきわめて少なく跡地だけが多い。今回信濃国分寺に立ち寄り広大な跡だけで礎石は当時の面影を残している。公園ながら運動もできない

もう一度の木枯しで明るく(水墨画)

2016-12-18 06:43:31 | 水墨画
もう一度木枯し吹けば葉の全て
落ちて明るき季節となりぬ       樋田哲仙

 12月も後半ともなれば寒い日のあるのも当然で不思議ではない。起床も6時だったがもう寒くて起きられない。後期高齢者は無理をしてまで起きることはないと、老体をいたわってしまう。落葉樹も大方は葉を落としてもう一度強い寒風が吹きでもしたら裸になってしまう季節となった。たわってしまう。  

古今集第八百三十一番空蝉は(書)

2016-12-17 06:14:03 | 
空蝉はからを見つつもなぐさめつ
深草の山煙だに立て       僧都勝延

 はかなと言われるセミでも、形見となる抜け殻を見れば慰められるだろう。亡くなった大臣も埋葬されないうちはせめて亡骸を見るなりして慰めとなろう。葬られた今となっては深草山よ、せめて煙となって立ち昇り、それを仰ぎ見る私の慰めとなってくれ。