哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

山の辺の道(写真)

2009-04-30 06:23:19 | 写真
山裾を縫ふ山の辺はうぐひすの
声に歩きて一日の楽し       樋田哲仙

 「昭和の日」のきのう好天に恵まれて山の辺の道を歩いた。桜井から天理までの15㌔はほとんどが山裾を縫い、風薫る新緑の中、うぐいすの鳴く声を一日中楽しめた。歴史のロマンを求めて万葉の歌碑を味わいながらの名のあるハイキングコースはハイカーの途絶えることのなく、シニアから若者までが健康的な汗を流していた。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

百人一首第一番秋の田の(書)

2009-04-29 05:45:53 | 
秋の田のかりほの庵のとまを荒み
我がころも手は露にぬれつつ       天智天皇

 念願の百人一首を万葉仮名で挑戦し、順次掲載する予定です。
 秋の田を守るために田のほとりのかりそめの小屋にいると屋根なども苫がまばらにふかれている小屋だから、自分の袖がすっかり濡れてしまった。秋の夜長の田を見守るのは侘しいものだ。天皇が田の守をするとは考えにくい。若いころの思い出を詠んだのだろう。

泉南市・梶本家の藤(写真)

2009-04-28 06:50:00 | 写真
東西の30メートルむらさきに
民家を覆ふ藤棚の滝        樋田哲仙

 毎年4月下旬に「ふじまつり」を開催し、多くの人が訪れる梶本さん宅の藤が今年も無事に咲いた。一個人の家の庭に樹齢30年を越える1本の藤は東西南北各30㍍枝を伸ばし満開になるとテレビや新聞に報道され、大勢の客が訪れ盛況となる。主人は昨年12月に他界されたが、保存会が結成されて今後も守られるという。

渓谷の流れ(水墨画)

2009-04-27 05:59:59 | 水墨画
岩をかみ砕けて谷を滔々と
清き流れは深山を駆くる         樋田哲仙

 若葉の季節の谷川は水量も多く、流れが滝を作り駆け下る。盛夏に似合う光景だが、新緑のころも新鮮でよい。さほど遠くもない所にある、深山幽谷を思わせる犬鳴山は入り口から奥の滝までの2㌔の遊歩道にはいくつもの落差があり、音を奏でる。渓谷の水の響きと風にそよく葉ずれの音は癒されてよい。  にほんブログ村 美術ブログへ

願はくば 西行(書)

2009-04-26 06:16:13 | 
願はくば花の下にて春死なむ
そのきさらぎの望月のころ        西行法師

 望みは桜の花が咲く春の満月に死にたいものだと詠んだ西行。希望どおり旧暦2月16日に没した。一月遅れとなるから桜の咲くころである。大阪府南河内郡の弘川寺座主寂空上人の報徳を慕って訪ね、終焉の地となる。寺は桜の名所として、また、西行終焉の寺として知られる。本堂裏の小高い地に墳墓がある。

西国三十三ヶ所満願(写真)

2009-04-25 06:16:31 | 写真
はるばるとめぐる札所を締めくくる
願ひよ届け美濃の谷汲        樋田哲仙

 西国三十三ヶ所の第1番那智山青岸渡寺を皮切りに順次めぐり始めて1年、遂に最後の谷汲山華厳寺で満願を迎えた。無事のめぐりの出来たことに感謝の念が自然と湧いてきた。老齢ゆえの感慨であろう。好季節ばかりではない。京都北部の松尾寺には雪が残る寒さであったが、寺々の思い出はいいものばかりのような気がする。

里のツバメ(水墨画)

2009-04-24 06:27:12 | 水墨画
巣に戻る親の燕のしきりにて
今年も無事の孵化したるらむ        樋田哲仙

 ツバメを見かけ始めて1月半。子育てに勤しむ時期ではあるが、まだ、孵化(ふか)には早い気がする。親鳥の巣への戻りが頻繁になると、つい、雛(ひな)の誕生を想像したくなる。子育てには餌となる虫が必要となり、その虫が一斉に出てくるのは五月中旬で愛鳥週間のころである。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

ならひありて 西行(書)

2009-04-23 06:11:43 | 
ならひありて風さそふとも山桜
尋ぬるわれを待ちつけて散れ       西行法師

 春を迎えると、花を咲かせ、風に散るは自然の摂理。生命を持つもの全て摂理が存在する。西行は自分が訪ねるまでは耐えてくれ、俺が見てから散ってくれと命令と懇願をしている。最近桜が弱り住民らによる下草の刈り込み、病気の予防などの「吉野山保存会」が結成され養生や手入れをされていると聞く。

カヌーを楽しむ(写真)

2009-04-22 06:38:13 | 写真
スクールか岸辺近くをゆっくりと
琵琶湖にあまた滑るカヌーは       樋田哲仙

 湖国にカヌーはよく似合う。訪ねた4月11日は春の日差しが強く、湖面を滑るようにカヌーの一団が近づいてきた。岸辺に咲く桜を湖から眺めるかのようにゆっくりとこぐ。最後尾には見守る船がつく。こんな光景は初めての遭遇である。海近くの者には見られない。水上スポーツの一首で川や渓流でレースがある。

若葉の滝(墨彩画)

2009-04-21 12:41:31 | 墨彩画
見えねどもかすかなる音きこえくる
若葉の光る滝の坂道         樋田哲仙

 先日、岐阜県・養老の滝を訪ねた。日本の滝百選の一つである。どこの滝を訪ねても百選となると立派なものである。落差と、水量と周辺の環境が整って名瀑の風格を醸し出す。自然の作り出す結果の芸術といいたい。俳句では夏の季語で仰ぎ見る滝は涼感を呼び、夏が似合うのだろう。  にほんブログ村 美術ブログへ

春風の 西行(書)

2009-04-20 06:09:29 | 
春風の花を散らすと見る夢の
さめても胸のさわぐなりけり       西行法師

 春風が桜を散らす夢を見て、覚めてからも胸には騒ぎが残り落ち着かぬという。美しく輝かせた山肌の桜を散らすのは夢であって一安心しながらも実際に山を見ないと気がかりとは桜への一途な思いからであろう。最近の新聞記事によると吉野の桜の樹勢が広範囲に衰えているとか。そちらが気がかりである。

b琵琶湖の海津大崎(写真)

2009-04-19 06:14:52 | 写真
四㌔をめぐる岬の花咲きて
海津大崎琵琶湖のひかる       樋田哲仙

 琵琶湖の奥深い北西部にある海津大崎は竹生島と目の鼻にある。大阪より4,5日遅い桜で知られ、湖に突き出た岬の道路沿いに咲く。好天には湖面が光り、桜のの明るさとあわせて一帯は爛漫(らんまん)となる。この時期だけは人出も多く賑わう。訪れたのは4月11日のことである。

里山 (水墨(画)

2009-04-18 06:19:49 | 水墨画
野に山にみどり輝きゆっくりと
花粉の憂ひ消えて歩ゆめり        樋田哲仙

 桜が散って新緑の季節を迎えた。風も香り、日差しが肌に心地よいころとなった。これまで杉や桧の花粉に外出するのも気がかりであったが、それも消えて、手足を伸ばすような快感を味わえる。近くの野や里山を歩くのも爽快で命の永らえる気分になる。梅雨に入るまでのしばらく存分に楽しめる。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

吉野山 西行(書)

2009-04-17 06:30:42 | 
吉野山こずゑの花を見し日より
心は身にも添はずなりけり        西行法師

 吉野山は日本屈指の桜の名所で1300年の歴史を持つ。約50㌶の山肌に3万本の山桜が植えられている。4月の最も華やぐ季節には40万人の花見客が訪れる。修験道の祖・役の行者が苦行の末、体得した蔵王権現を桜の木に刻んで以来、人々は桜を献木したことによる。

琵琶湖バレイ山ろくの桜(写真)

2009-04-16 06:23:49 | 写真
日の射せば点るがごとく山裾は
桜開きて春盛りなり          樋田哲仙

 大津市、琵琶湖バレイへ向かうロープウエイ山ろく駅周辺には数百本の桜がある。満開を迎えると、遠目に裾野一帯が明かりが点いたように白く輝く。だが、誰もが山上へ向かうのか花見客はいない。桜の名所としても名を損ねることはないほど見事である。こんな穴場があるのも不思議である。