哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

山科の天智天皇陵(写真)

2010-07-31 05:43:18 | 写真
山科は百人一首一番の
天智天皇陵の誇りぞ        樋田哲仙

 京都市山科区北部の天智天皇陵を訪ねた。敷石の参道は神武天皇陵を除いて例のない長さ。両側は樹木が茂って中ほどに中門があり、奥へと続く。中大兄時代には中臣鎌足と組んで蘇我入鹿を滅亡させ、大化の改新を成し遂げた。近江に大津宮を構えたり、内政を整えた功績は大きい。また百人一首第一番の歌でも親しまれている。

峠はるかに山(水墨画)

2010-07-30 06:14:09 | 水墨画
暑さ避け世俗の憂さを払はむと
峠にはるか眺めゐる山        樋田哲仙

 人は一人では生きていけない。相互の助け合いの中で生きていることは百も承知しているが、人と関わるだけに困惑することも多発する。悩み事に意見を求められて、軽い発言が他人を通して先方にとんでもない言葉として伝わっている。逆輸入の形で返った言葉に愕然とする。人はどうして正確に伝えられないのものだろう。誤解も生じ、憎まれかねないことにもなる。そんな時自然と対峙するの私の良薬のようだ。  にほんブログ村 美術ブログへ

古今集第五十三世の中に(書)

2010-07-29 05:37:22 | 
世の中に絶えて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし        在原業平朝臣

 春の季節に桜がなかったら、春の心はどれほど長閑に過ごせることだろう。桜が咲かなければ今日か明日かと気をもむことないし、散るのも気を使うことはない。さぞかし長閑に暮らせるのだろう。

亀が産めば(写真)

2010-07-28 06:02:07 | 写真
人口の浜辺に亀が久々に
産みてたちまち保護区の囲ひ        樋田哲仙

 市内のミニ海水浴場は交通の便利さもあって、盛夏の休日にはかなり賑わう。人工的に遠浅にして、適度の浴場環境ができている。その浜辺に7月12日夜11年ぶりにアカウミガメの産卵しているところを警備員が巡回中に発見。朗報に市は海水浴客に踏み荒らされないよう柵の囲いで保護をした。60日後のふ化が待たれる。

谷に架かる橋(水墨画)

2010-07-27 06:01:55 | 水墨画
川ならぬ谷をまたぐは革新の
技の高きにトンネルと橋         樋田哲仙

 文明のすさましい発展で道路は国内を縦横に貫くようになった。橋の川をまたぐ概念は消えて山間部では山と山との谷間にかかり、トンネルとともに目的地へ行く距離を著しく縮めた。秘境が秘境でなくなり、僻地が僻地でなくなり、簡単に行けて、どんどん距離と時間を短縮していく。あらゆる物の発達の中に日々暮らしていることの感謝を忘れてはならない。  にほんブログ村 美術ブログへ

古今集第五十二番年ふれば(書)

2010-07-26 05:28:45 | 
年ふればよはひは老いぬしかはあれど
花をし見れば物思ひもなし         前太政大臣

 長い年月ここまで生きたのだから、年齢を取るのも当然のことだ。だが、花のようなわが娘を見るとあらゆる悩みも消えてしまう。前太政大臣とは藤原良房のことで、娘は明子のことになる。

天然記念物玄武洞(写真)

2010-07-25 05:32:38 | 写真
洞の名に惹かれて行けば洞のなく
なぜにつけたり玄武洞とは       樋田哲仙

 兵庫県豊岡市にある玄武洞は160年前の火山活動で山頂から流れ出た溶岩が冷える際に、柱状の節理(ひび割れ)を形成したものある。自然現象の奇観をなし天然記念物に指定されている。元は70㍍の洞窟とあるが、崩落の危険から遠くより眺めるだけで洞窟も見えない。洞と名のつくことから銀山や鍾乳洞の思いで行ったが、意外というべきである。

寺の点景(水墨画)

2010-07-24 05:14:47 | 水墨画
これぞ絵の技磨かんと試みる
筆の動きに謎の潜みて          樋田哲仙

 画集の中の風景画を見つけてなぞめいた描き方が気にかかり、、技法が得られないものかと挑戦してみた。やはり難しいものがあり、どれだけ原画に近づけたか疑問である。今後は幅広く技術を習得すべき精進をしたい。絵の片隅に勝興寺とあるだけでどこの寺かは分からないが、同名の寺で訪ねたことのある富山県高岡市の勝興寺を思い出す。地方には破格の風格のある伽藍を備えていた。  にほんブログ村 美術ブログへ

古今集第五十一番山桜(書)

2010-07-23 05:11:31 | 
山桜わが見にくれば春霞
峰にも尾にもたちかくしつつ        詠み人知らず

 山の桜を見に来てみれば、春霞が山の頂にもすそにも立ち込めてしまって、花をすっぽり隠していては、見に来た甲斐もあったものではない。せっかく見に来たというのに。

犬ぞりと植村直己(写真)

2010-07-22 06:28:53 | 写真
犬ぞりと極地に立てる単独の
直己の胸のいかばかりなり        樋田哲仙

 植村直己の冒険記録は五大陸最高峰単独登頂だけではない。南極大陸横断や、グリーンランド北部のエスキモーと共同生活を経て、1年半かけて北極圏12000㌔犬ぞり探検に成功、2年後に犬ぞりと人類史上初の北極点単独行も成功。同年グリーンランド縦断単独行など未踏の業績に輝く。館内の写真は自由でパネルを利用。

畦のハンノキ(水墨画)

2010-07-21 06:00:10 | 水墨画
新潟は米どころなりあぜ道に
稲架の榛の木立ち並ぶ見て         樋田哲仙

 刈り取った稲を束ねて天日干しにする木組みを稲架(はさ)と呼ぶ。新潟地方は榛の木(ハンノキ)を畦に植え、育つと下枝を払い、横木を渡して稲を干す。新潟平野の地方色豊かな風物詩である。北陸本線で通過すると列車の窓外に長く映る。現在では農作業がj変って少なくなっているらしい。これも時代の変遷で仕方がない。 にほんブログ村 美術ブログへ 

古今集第五十番山高み(書)

2010-07-20 05:55:14 | 
山高み人もすさめぬ桜花
いたくなわびそ我見はやさむ       詠み人知らず

 山が高いので頂に咲いたのでは誰からも見られない桜の花よ、でも、悲観するには及ばない。私がじっくりと見て引き立ててあげるから大丈夫だ。作者は桜と同じ目線で暮らし、世俗を越えた孤高の人だろう。

植村直己冒険館を訪ねて(写真)

2010-07-19 06:33:13 | 写真
ああ成るや世界を股に冒険の
道に馳せしは植村直己       樋田哲仙

 兵庫県豊岡市にある植村直己冒険館を訪ねた。日本の世界的冒険家植村の生家近くの山に囲まれた地に建っている。彼の業績を称え、装備品、冒険行、記録映像などが多数紹介されている。特に光る業績は五大陸最高峰(モンブラン、キリマンジャロ、アコンカグア、エベレスト、マッキンリー)単独制覇だろう。没して26年経過。国民栄誉賞受賞。

スイカの縦じま(水墨画)

2010-07-18 05:08:10 | 水墨画
縦じまに違ひのあるを親しみて
並ぶ西瓜を値踏みしてみる       樋田哲仙

 きのう梅雨が明けた。末期特有の豪雨を各地にもたらし、被害も大きく爪あとを残した。朝から晴れ渡り気象台でなくても、誰もが梅雨明けは自覚できた。スーパーに逃げ込むように入ると、冷房が効いて心地よく、野菜売り場の一角にスイカが沢山並でいる。値札を見ずに値踏みして後から札を見るとMサイズで約2000円。結構高いものだ。購入してまで食べる気にはなれなかった。 にほんブログ村 美術ブログへ 

古今集第四十九番ことしより(書)

2010-07-17 05:58:38 | 
ことしより春知りそむる桜花
散るといふことはならはざらなむ       紀貫之

 今年より初めて春を知った桜が花をつけてくれた。咲くことだけを知って、散ることは覚えないでいつまでも咲いていてくれ。題詞に他の家に植えられていた桜が、初めて花をつけたのを見て詠めるとあり。いつまでも咲いていて欲しい願望を詠んだ歌。