哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

一畑薬師(写真)

2006-02-28 07:01:30 | 写真
宍道湖を見下ろしながら千年余の
仏堂にきて念珠を出しぬ         樋田哲夫

 このお薬師は宍道湖(しんじこ)を眼下に見ながら出雲神話の国引きで知られる島根半島の中心地の一畑山にあり、ご本尊は薬師瑠璃(るり)光如来で眼病に信仰がある。
 一畑薬師教団の総本山で、中国三十三観音霊場第26番札所でもある。

おびな・めびな(墨彩画)

2006-02-27 08:51:52 | 墨彩画
春立ちて雅に唄の流れゐる
広くとりたる雛の売り場は        樋田哲夫

 大型スーパーの売り場には、まだ寒いうちから季節を先取りするかのようにひな壇が美しく飾られる。大小さまざま、種類も豊富で値段もかなりのばらつきがある。可愛らしい童謡が流れ、もう春が来ていて、大きくスペースを確保しての陳列には感心する。

諸願成就(書)

2006-02-26 09:17:14 | 
                  (豆色紙)
しょがんじょうじゅ
 神社仏閣を訪ねて、そこの歴史と文化を学ぶことが好きでよく出かける。どこの社寺でも参拝者の多少に関係なく諸願成就の護符が置かれ販売されている。さらに、家内安全、交通安全、商売繁盛、開運祥(招)福などお馴染みのものが多数ならんでいて、神仏は万民の願いを受け入れるようだ。

清水寺・全景(写真)

2006-02-25 07:39:00 | 写真
寺々をめぐれば願の数減りて
吾の祈りはいかにかあらむ       樋田哲夫

 安来市・清水寺本堂から見下ろす全景は荘厳な雰囲気を醸し出して、しばらくの間静かに眺めていたいのだが、バスツアーの団体行動とあっては意のままにならず立ち去るのが惜しいほどだ。次々と寺めぐりをしてくると願い事も減ってしまうが、ここにもっといたいとのささやかな心が願(がん)かもしれない。

犬の戯れ(水墨画)

2006-02-24 07:34:44 | 水墨画
戯れに笑みも顰めもなきままに
犬の心は尾にぞ現る        樋田哲夫

 外出が多いためにペットを飼うことは出来ないが、隣家の犬がよくなついてくれて、私の顔を見るとまず尻尾を振り出す。なんとも可愛いものである。時々おやつを差し上げてご褒美としているのだが、顔はまったくの無表情。喜怒哀楽の表出は人間だけの大きな特徴に思える。

風林火山(書)

2006-02-23 07:07:10 | 
                   (豆色紙)
ふうりんかざん

 戦国時代の名将・甲斐の武田信玄が使用した旗印で、中国・春秋時代の兵法書「孫氏」の言葉。
 疾(はや)きこと風のごとく
 その徐(しずか)なること林のごとく
 侵掠(しんりゃく)すること火のごとく
 動かざること山のごとし

清水寺・本堂(写真)

2006-02-22 08:13:26 | 写真
心して時雨に濡れる山間ひの
最後となりし本堂への坂      樋田哲夫

 安来市清水寺・本堂へは広大な寺域と行き届いた清掃にまず感動する。道路から続く坂は狭いが最上部は急に開けて心洗われる。最後の本堂へ上り切る階段は幅も広く見上げる本堂は豪壮で立派である。

竹に雪(水墨画)

2006-02-21 07:48:56 | 水墨画
時折に叫びと聞こゆ雪の降る
竹の林に折れる響きは        樋田哲夫

 柔軟で丈夫な竹も豪雪に遇うと雪の重さに耐え切れず折れてしまうことがある。そのときの音は昼間でも凄いものであるが、ことに静かな夜間となると不気味なまでに大きく響く。それはまるで悲鳴のごとく叫んでいるようでもある。


竜頭蛇尾(書)

2006-02-20 08:11:42 | 
                  (豆色紙)
りゅうとうだび

 頭は竜で尾は蛇の意。最初の素晴らしい勢いが最後はなくなること。出だしは勢いがあって素晴らしいが終わりはみすぼらしいこと。いろいろな組織を立ち上げたときは盛大で人も集まるが回を重ねるうちに集まらなくなり最後はその存在すら危ぶまれることが多い。

清水寺・三重塔(写真)

2006-02-19 07:44:40 | 写真
谷間ひを登り進みて清水の
はるか見上ぐる三重塔        樋田哲夫

 島根県・安来市の清水寺。中海から2キロ前後のそれほど山奥でもない山間部に荘厳な雰囲気の漂う中国三十三観音霊場第28番札所。広大な寺域は清掃も行き届いて一層の霊気を持つ。

白梅(水墨画)

2006-02-18 05:30:39 | 水墨画
東風待ちて庭に佇む白梅の
枝先はやも蕾に動き       樋田哲夫

 まもなく梅の便りが聞かれる頃であるが、種類によっては咲いているのもある。岡山県・円通寺の庭に黄色の満開の梅が一本あった。ある老婦人はそれを見て黄梅と呼んでいたが、梅の種類のことは分からない。黄色だからそう呼んだだけの気がしてならない。別に正式名があるのではないか。

立川水仙郷(写真)

2006-02-16 05:32:39 | 写真
疎にあれど遠きを見れば密にして
水仙郷は盛りなりけり        樋田哲夫

 いくらも咲いていない水仙も遠くを眺めていると、疎が消えてなんだか盛りに見えてくる。人工的に植えられたものよりも自生のほうが趣があっていい。

椿と梅

2006-02-15 08:58:35 | 墨彩画
坂道を喘ぎ登りて白毫の
山門いれば椿が香り       樋田哲夫

 奈良市・白毫寺(びゃくごうじ)はハギと五色椿の花の寺として名高い。4月ごろに咲く樹齢400年の天然記念物の五色椿は奈良三名椿と言われている。皐月では珍しくもないが、白、赤、ピンク、絞りなどに咲き分ける椿としてはめずらいもの。画はカンツバキと白梅。

百人一首第2番(書)

2006-02-14 01:59:40 | 
春過ぎて夏来にけらし白妙の
衣ほすてふ天の香具山
    持統天皇歌
   哲仙

 春が過ぎていつの間にか、夏が来たようだ。日の照り渡っている香具山に真っ白な衣が干されているのが見える。 
 香具山は耳成山と畝傍山とともに大和三山の一つ。