哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

百人一首第八十三番世の中よ(書)

2009-12-31 06:41:49 | 
世の中よ道こそなけれ思ひ入る
山の奥にも鹿ぞ鳴くなる          皇太后大夫俊成

 世の中の憂さを逃れようと思い切って山の奥へ入ってみたけれど、やはり世俗と同じで憂さがあるとみえて、鹿までが悲しげな声で鳴いている。つまりどこへ行っても憂さは消えることはないらしい。俊成は歌才に恵まれ、千載集を撰していうr。

復元サンタマリア号(写真)

2009-12-30 06:28:51 | 写真
コロンブスが大航海に見つけたる
新大陸はサンタマリア号

 神戸港中突堤にはコロンブスが新大陸を発見したときに利用した復元サンタマリア号が展示されている。スペイン・バルセロナ港を西回りに出帆し、世界各地に寄港しがら290日間、3万5千㌔、全長32㍍、重量120トンの木造船である。コロンブスが新大陸を発見して500年の記念事業で、1992年に神戸港に到着した。

立枯れて行く葦(水墨画)

2009-12-29 07:08:59 | 水墨画
自然なるめぐりに葦は立枯れて
数減らし行く木枯しのたび       樋田哲仙

 北海道や日本海側に強い季節風が吹き始めて、筋状の雲が天気予報に映るたびに、太平洋側にも寒さが厳しく襲ってくる。北国とは比すべきもないがそれでも寒い。夏の盛りに青々と成育していた水辺の葦も立ち枯れて木枯しのたびに折れたり、倒れたりして、櫛の歯の欠けたように透けてきて冬の光景と変っていく。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第八十二番思ひわび(書)

2009-12-28 07:29:49 | 
思ひわびさても命はあるものを
憂きに堪へぬは涙なりけり        道因法師

 恋しているのに一向に反応してくれなくて、それでも思い続けていても、別に焦がれて死ぬこともなく、どうにか生きていられる。だが、この辛さに耐え切れなくて涙だけはどうしようもなく流れ出てきてしまう。道因法師は崇徳院に仕え、後に出家して歌に励んだ。

兵庫県立美術館男鹿和雄展

2009-12-27 06:47:39 | 写真
アニメには命ともなるジブリ絵の
話題をさらふ男鹿和雄展        樋田哲仙

 2007年夏東京現代美術館をスタートした「ジブリの絵職人男鹿和雄展」は全国各地を巡回し、これまでに80万人を動員した。最終回となる関西での兵庫県立美術館も客足は好調で、人々に感動を与えている。子供の好きなアニメはテレビや映画の世界で見ていないが、今回の展覧会で男鹿和雄のアニメの背景画ジブリの世界と「ととろの森」「もののけ姫」「崖の上のポニョ」を知った。絵は細密で草木1本1本に命が宿る。

達磨さん(水墨画)

2009-12-26 07:12:18 | 水墨画
何事もものに出来ずに今をなほ
達磨は八年吾は一世を         樋田哲仙

 趣味で手を着けたものは数が多いが、能力のとぼしい者には何事も極めることは難しい。野鳥観察も思うほど容易ではなく、知れば知るほど逆に分からないことが増えていく。終いに手がつけられない。老齢になると視力の衰えが致命的となり、次第に情熱も冷めていく。将棋、囲碁もヘボとザルで終った。達磨大師は壁面に向かって修行8年で解脱したというが。 にほんブログ村 美術ブログへ 

百人一首第八十一番ほととぎす(書)

2009-12-25 06:45:16 | 
ほととぎす鳴きつる方を眺むれば
ただ有明の月ぞ残れる        後徳大寺左大臣

 ホトギスが鳴いたので、その方角をすぐ見たのだが、鳥の姿は何も見えず、ただ有明の月が西の空に残るだけだった。ホトトギスは姿をあまり見せない鳥である。また、ホトトギス、カッコウ、ツツドリ、ジュウイチは托卵鳥で他の鳥、すなわちウグイス、モズ、ムシクイの巣へ卵をうみつけて育ててもらい、子育てをしない鳥である。ハトぐらいの大きさ。

琵琶湖博物館恐竜骨格標本(写真)

2009-12-24 05:40:02 | 写真
この星の遥を生きし恐竜の
骨格を見て浮かぶ争ひ      樋田哲仙

 大阪市立長居植物園で恐竜の骨格標本を見たことがあるが、琵琶湖博物館にも入ってすぐの広場にあった。中生代の三畳紀から白亜紀まで生息した。鶏大から35㍍の巨大なものまで、肉食性、草食性と多様化していたという。6500年前隕石の落下で地球は火災となり死滅した説が有力である。

無病息災と六瓢息災(墨彩画)

2009-12-23 06:20:37 | 墨彩画
                            (豆色紙) 
つぎつぎと近きの人の亡くなりて
年末年始無病息災       樋田哲仙

 私と同年配の方々に不幸にして亡くなっていく人が多くなった。当然のことであるが、いかんとも仕方がない。最近、1年の無事には感謝市、年始には1年の無事を祈願して、無病息災に思いを込めて手を合わせる。感謝と祈願は万民同じであろう。一病息災なる言葉を耳にするが同じことである。更に無病息災にこじつけて六瓢息災まである。6個のヒョウタンを盆や菓子器、漆器に描いて結婚、法要、内祝いの引き出物にする商いまであるらしい。 にほんブログ村 美術ブログへ 

百人一首第八十番ながからむ(書)

2009-12-22 06:49:58 | 
ながからむ心も知らず黒髪の
乱れてけさは物をこそ思へ      待賢門院堀川

 あなたが末永く愛して下さるかどうかは私には分かりませんが、朝起きたときに髪が乱れているように、心もまた思い悩んで乱れてなりません。堀河は鳥羽院の皇后待賢門院に仕えたことからこう呼ばれた。女流歌人として名高い。

琵琶湖博物館大水槽のトンネル(写真)

2009-12-21 06:45:10 | 写真
淡水の魚の生態展示する
大水槽の中のトンネル        樋田哲仙

 滋賀県草津市の烏丸半島にある琵琶湖博物館には琵琶湖の生い立ち、人との歴史、湖の環境と人々の暮らし、淡水の生き物たちと大きく4分類され、子供たちの教育にも最適としてバスで多くの学校から訪れる。水族展示室では湖の環境を大水槽の中に再現し、魚類の生態を展示。その大水槽の中をトンネルにして左右上部と観察できる。平成12年にオープンされた。

年の瀬に雪(水墨画)

2009-12-20 06:19:04 | 水墨画
年の瀬に願のかなひし降雪の
各スキー場は笑顔沸き立つ        樋田哲仙

 雪不足で各スキー場関係者は頭を痛めていたが、ここ2,3日の大寒波で待望の降雪となった。1週間前どこかのスキー場では神職を招いて本格的に降雪祈願をするニュースを見た。その祈願が叶ってか北日本や日本海側ではたっぷりと雪が積もり、、スキー場のリフトはフル稼働。スキー客や地元関係者は年末から正月にかけて、まずは一安心したようだ。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

百人一首第七十九番秋風に(書)

2009-12-19 07:22:13 | 
秋風にたなびく雲の絶え間より
洩れ出づる月の影のさやけさ       左京太夫顕輔

 秋風が吹いて、空にたなびいている雲の間から、漏れてくる月の光の爽やかで、なんと美しいことか。単純明快な秋の夜の情景を詠んでいる。顕輔は晩年出家してから歌道に励み、崇徳院の命で詞華集を勅撰している。

剥製のイヌワシ(写真)

2009-12-18 07:31:29 | 写真
勇壮に博物館の剥製の
兎捕へて飛べる犬鷲        樋田哲仙

 イヌワシは数が少なく野生の飛ぶ姿は滅多に見ることは出来ない。1000㍍以上の峰峰が重なる環境に限られ、希少種として天然記念物に指定されている。大型の猛禽で翼の開長は2㍍をゆうに越える。兵庫県三田市の「人と自然の博物館」には剥製ながらイヌワシの若鳥がウサギをつかみ、飛ぶ姿で天井から吊るされている。さすがに馬鹿でかい。撮影禁止を確認してシャッターを切った。

ダム湖のめぐり(水墨画)

2009-12-17 06:51:07 | 水墨画
気晴らしに時折来てのめぐる池
寒波の襲ふけふは車に       樋田哲仙

 常時あっては困ることだが、あるとき、何をする気にもならず、漫然と時間が過ぎることがある。大体そんなときは目を閉じて眠るのでもなく、また考えるのでもなく過ごすが、時には、さほど目的もなく近くのダム湖まで出かけて散策することがある。春は新緑、桜。秋は紅葉となる。ここ数日冬の到来で、歩くどころではなく葉の落ちた桜並木を車でごまかした。 にほんブログ村 美術ブログへ