哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

冬の畑(水墨画)

2010-01-31 06:06:35 | 水墨画
収穫を終へたる畝のそのままに
冬の最中を憩ふ畑は         樋田哲仙

 秋の収穫を済ませて作付けされていた畝は、そのまま冬の間放置される場合が多い。白菜だったか、きゃべつだったかも分からない状態で、次の作付けまで休眠となり、あたかも休んでいるように見える。雑草に追われることもなく、放置されていてもひどくは荒れず、季節は推移しながら農事暦に従って農家は春を待っている。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第九十三番世の中は(書)

2010-01-30 07:12:24 | 
世の中は常にもがもな渚こぐ
海士の小舟の綱手かなしも       鎌倉右大臣

 この世の中がいつも変らず、いつまでも生きられるならよいのだが、そうであったらこの辺りに遊びに来て、渚で漕ぐ漁師の綱を引く面白い様子を眺めることが出来るだろう。鎌倉右大臣は源実朝のことで頼朝の第二子。母は北条時政の娘・政子。

丹波七福神耕雲寺

2010-01-29 05:16:32 | 写真
らしくなき寺は見晴らす丘の上に
静もりて建ち恵比寿を祀る         樋田哲仙

 丹波七福神の中で恵比寿を祀る耕雲寺は一番高所にあるとガイドからの説明だが、たいしたことはない。樹木のない緩やかな坂の下から寺らしくない寺が見えて拍子抜けの感がある。寺によるとご利益は厄除、壤災、富貴如意とある。関西の社寺では海の神として豊漁や、商売繁盛からなり、地域のよって違うのも驚きである。

豪雪地帯の北上市で(水墨画)

2010-01-28 07:18:26 | 水墨画
人寄せに生み出されたる滑り台
雇用事業の雪の北上        樋田哲仙

 岩手県北上市では緊急雇用事業対策として、不況による失業者らで雪の滑り台を夏油高原スキー場に作った。雇用された39人は1週間かけて日本一長い230メートルを完成させた。市ではスキー客の増加とあわせて無料で楽しんでもらうのが狙いで、春まで管理者として雇用、一石二鳥と自負している。近く他県に300㍍の滑り台が出来ることから、すぐにでも延長して日本一を保ちたいと意気込んでいる。(ニュースより) にほんブログ村 美術ブログへ 

丹波七福神金光寺(写真)

2010-01-26 07:25:33 | 写真
琵琶を弾き色香漂ふ弁天に
七珍萬寶技芸を願ふ          樋田哲仙

 弁財天はインド伝来の女神で室町時代末より、財宝、七珍万宝を授ける善神として信仰を集め、今日も七福神の一人として正月によく登場する。金光寺の境内は石組みの坂の庭を持つが池がない。池のある寺ではどこも池の島の祠にまつる。この寺は京都知恩院末寺の浄土宗で、本尊は阿弥陀如来と薬師如来を安置している。

奴だこ(墨彩画)

2010-01-25 06:51:46 | 墨彩画
                            (はがき)
一本の糸に空とを結び合ひ
子供らの凧夢と羽ばたく        樋田哲仙

 きのうの日曜日、近くの大阪府南部広域防災拠点広場で、凧揚げ大会が行われた。まず、体育館で子供たちが指導者からたこ作りを教わり、手作りの作品を仕上げて、快晴の広場に飛び出した。約30人のたこが一斉に空に上がると、子供たちは保護者らとともに喜びの声を上げて笑顔に包まれた。付きっ切りの指導を受けたたこは失敗作はなく全員のたこは大空に踊った。 にほんブログ村 美術ブログへ 

百人一首第九十一番きりぎりす(書)

2010-01-24 07:07:09 | 
きりぎりすなくや霜夜のさむしろに
衣片しきひとりかも寝む          後京極摂政前太政大臣

 秋も深まりこおろぎは草むらでないているが、そんな霜の降りそうな寒い夜を筵の上でたった一人で寝るのは辛いものである。後京極摂政前太政大臣は藤原良経のこと。平安時代のきりぎりすは今のこおろぎのこと、こおろぎは今のきりぎりすで。全く正反対に表現されたいた。衣片しくは衣の片袖を強いて寝ることで、一人寝を意味する。

丹波七福神蔵宝寺(写真)

2010-01-23 05:42:30 | 写真
打ち振れば願ひ満たせる大黒の
あらまほしきは打出の小槌        樋田哲仙

 亀岡市七谷川公園で早い昼食を済ませて、大黒天の蔵宝寺への近道はそま道を少し通る。落葉の敷き詰めた小道は土地の人しか利用しないものだ。視界が開けると寺の全景が見えてくる。インドの神大黒天は頭巾を被り、左肩に袋。右手に打出の小槌を握り、米俵を踏まえる。日本の大国主命と集合させる。有名な出雲大社は神社だが、大方は寺で民間信仰を集めている。

雪の小川(水墨画)

2010-01-22 07:46:14 | 水墨画
新雪は朝の光に照り映えて
川のほとりに夢を育む       樋田哲仙

 大寒の20日は全国的に気温が上がり、夏日を記録する地も出て、夜から雨が降り出し、冬を忘れさせたが、正月には大寒波が襲い、北国では大量の降雪となった。新雪に朝の光が当たると一面銀世界が広がり、溶け出す前の静けさは純真無垢で、心の奥底までも広がりをみせる。絵の光景は子供のころによく見かけた田園で最近ではテレビの映像しか見られなくなった。 にほんブログ村 美術ブログへ 

百人一首第九十番見せばやな

2010-01-21 06:31:08 | 
見せばやな雄島の海士の袖だにも
濡れにぞ濡れし色はかはらず       殷富門院大輔

 私は見せたいものがあります。松島の雄島の漁夫の袖でさえも波にどれだけ濡れても、私の血の涙に染まった袖に較べればたいしたことはないでしょう。これほど悲しみ濡れた袖をつれない人にお見せしたいものです。殷富門院大輔は後白河帝の娘。

丹波七福神養仙寺

2010-01-20 07:27:15 | 写真
福々と腹を顕わにさ迷へる
布袋になぜか親しみの湧く         樋田哲仙

 丹波七福神養仙寺は布袋尊を祀る。大きな腹を抱え。背に継ぎはぎの福袋を担ぎ、自然木の杖に微笑みながら各地をめぐる唯一実在の中国の僧で、福徳円満、家内安全を守る神である。養仙寺は全国から奉納された布袋噂が約500体を越すという。閑静な山麓にある清楚な寺で素朴なたたずまいを見せる。

冬枯れの田園(水墨画)

2010-01-19 07:04:31 | 水墨画
大寒を前にこの地に珍しく
畠の桶に初の薄ら氷      樋田哲仙

 大阪南部の平野部では大寒を2日も早く珍しい薄ら氷を見た。家庭菜園に設置している水遣り用の水槽に、触れると割れそうな初氷である。積雪も、氷も、霜もほとんど見ない地である。近くの川も水量が細り、流れとなるほどもなく冬枯れの草の中に水溜りが出来ている程度。そこには氷は張らなかった。 にほんブログ村 美術ブログへ 

百人一首第八十九番玉の緒よ(書)

2010-01-18 07:23:56 | 
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば
忍ぶることの弱りもぞする        式子内親王

 私の命よ、終わるものならいっそのこと早く終わってしまってくれ。もし、このまま生きながらえるなら、忍んでいる思いも弱ってしまって、側の人の目に気づかれて浮き名が立つに違いありません。心配です。式子内親王は後白河院の皇女。

丹波七福神神応寺(写真)

2010-01-17 06:32:22 | 写真
老い来れば願ひの多く新玉の
年は丹波の七福めぐり      樋田哲仙

 七福神めぐりは全国各地にあり、今年は丹波七福神へ出かけた。亀岡市内だけでめぐり、6㌔弱と徒歩でも手ごろに参拝可能だ。第1番霊雲山神応寺は笑顔と財宝を授ける毘沙門天をまつる。田舎の素朴さが漂う小さな寺ながら、本道裏には石仏庭園が三方を囲むように330体がある。今日でブログ1700回。