古今集第二百七十七番心あてに(書) 2012-05-31 06:11:21 | 書 心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花 凡河内躬恒 初霜が真っ白に降りているので、白菊の花を折ろうとしても、紛らわしく、見当をつけて、当て推量で折るほかはない。 この歌は百人一首第29番。
バラに一生懸命(写真) 2012-05-30 05:38:48 | 写真 華麗さに浮き立つバラは新緑の なくてはならぬ公園の顔 樋田哲仙 新緑の季節の公園にバラは顔である。大阪のめぼしい公園にはほとんどバラを植栽している。大阪市立長居植物園、中之島公園、浜寺公園、蜻蛉池公園、花の文化園と簡単に浮かび上がる。虫がつきやすく4,5日に一度は消毒、多量の元肥、剪定など管理が大変と聞く、その努力が実って花は艶やかである。
柳川の情緒(墨彩画) 2012-05-29 05:55:06 | 墨彩画 柳川は昔ながらに棹さして 趣深き川くだりかな 福岡・柳川は有明海の地形により潮の干満が激しく、数㍍の差が1日に2回繰り返す水郷である。水路が縦横に走り、船運が発達してきた。現在はその水路を活用し、観光の目玉として川くだりが行われている。乗船は1時間余で、法被を着た船頭が案内だけでなく時には歌を歌いながら、竹の竿で船を操りゆったりと川を下る。 き
古今集第二百七十六番秋の菊(書) 2012-05-28 05:53:00 | 書 秋の菊にほふかぎりはかざしてむ 花よりさきと知らぬわが身を 紀貫之 この菊の花が美しく咲いている間は挿頭(かざし)に挿して気分を紛らわすことにしよう。どうせ、花の散るより、一足先に死ぬかもしれないわが身だもの。
農業公園英バラ園写真) 2012-05-27 06:04:07 | 写真 新聞に知りて急ぐはオープンの 英バラ園に香を楽しめり 樋田哲仙 泉南市農業公園にイングリッシュローズのバラ園が、26,27の2日間無料開放のプレオープンをした。1・5㌶、200種が植倍され、グランドオープンは来年春となるが、今年は10月まで開園。ミニコミ誌が同園を大きく紹介したため、初日から大勢の客が来園した。今後は泉南市の観光スポットとなり、近畿一円からのバラ愛好家が訪れそうだ。
山間部の早い田植え(水墨画) 2012-05-26 06:26:37 | 水墨画 快適に高野へ向かふ道沿ひは いささか早き山田の田植ゑ 樋田哲仙 快晴のドライブは高野へ向かう和歌山・清水町で田植えを見かけた。周囲を山に囲まれた小さな盆地で、土地柄もあろうがいささか早い。平野では6月中が一般的だ。気温や日照時間が必要な稲作では風土が植える時期を決めるのだろう。昨夜の天気情報の中で、北海道の子供たちが田植えをする画像が放映された。土地によって田植えの時期が随分違うものだ。
古今集第二百七十五番ひともとと(書) 2012-05-25 06:14:14 | 書 ひともとと思ひし菊を大沢の 池のそこにも誰か植ゑけむ 紀友則 菊の花は池のほとりに1株だけと思っていたのに、大沢の池の底にももう一つあるのは誰かが植えたのだろうか。
刻々迫る金環日食(写真) 2012-05-24 06:14:06 | 写真 ぎりぎりに雲消え去りて感動の 金環食は確かに見たり 樋田哲仙 遂に大阪で金環日食が観察できた。何十年か前新聞で知って以来、何とか元気に生き延びてこの目で見たいと思い続けた。それが遂に現実となった。当日朝雲が厚く一部だけが途切れる程度。日食が始まっても雲が取れない。8割がた進んでもまだ雲は消えない。もう駄目かとあきらめた瞬間、すっきりと消えて奇跡は起きた。世紀の天体ショーは確実に観察できた。
人懐こいコイ(水墨画) 2012-05-23 05:49:44 | 水墨画 餌を貰ふ学習なりて子らの手の 音に近寄る公園の鯉 樋田哲仙 コイは淡水魚で人の目にふれやすい魚である。急流を嫌い、ゆったりとした流れの川や池で見かける。公園の池では観賞用のヒゴイが多く、人懐こさもあって、人から餌を貰うことを習熟している。手を叩く音に反応して近寄り、子供からの人気の理由だ。段差のある流れも登る力強さもあり、こどもの日ののぼりとして空を泳ぎ親しまれている。
古今集第二百七十四番花見つつ(書) 2012-05-22 05:40:11 | 書 花見つつ人まつときは白妙の 袖かとのぞあやまたれける 紀友則 花を眺めながら友人を待っているが、そういうときに真っ白な菊の花が風にそよぐを見ると、待ち人が白い袖を振って近付いててくると、うっかり間違えてしまう。
和歌山市、四季の郷バラ園(写真) 2012-05-21 06:06:02 | 写真 バラ園に降り注ぐ陽の溢れゐて 揺らぎては葉の光を返す 樋田哲仙 あまりの好天で家に籠るのがもったいなく、和歌山市・四季の郷へ出かけた。1時間足らずで到着。目当てはバラである。丘の斜面に露地栽培されていて、種類も結構あり、花は見ごろで楽しめた。5月の日差しに辺りの若葉が目に柔らかい。特にバラの写真はこの明るさが必要で、50,60枚は獲った。些細なことだが満ち足りた1日となった。
ツバキ柄の花瓶(水墨画) 2012-05-20 05:44:28 | 水墨画 パタパタと日々の暮らしに追はれゐて 気付けば過ぎし椿の季節 樋田哲仙 毎年どこかへ椿の写真を狙って出かけるのだが、今年はその機会を逸らして、早くも、晩春となってしまった。画題として一重のツバキを取り上るのだが、種類は豊富で数え切れない。喬木のカンツバキは別として、春に咲く自生種より演芸品種が多彩となる。家庭や寺社で1本だけを見るよりも園となるツバキは見応えがあって、参考となる
古今集第二百七十三番濡れてほす(書) 2012-05-19 05:54:36 | 書 濡れてほす山路の菊のつゆのまに いつか千年を我は経にけむ 素性法師 山路の菊をかき分けて行くうちに、露にすっかり濡らした着物を干さねば鳴らない。つゆといえばつゆほどの短い間と思ったが、早くも私はもう千年もの歳月を過ごしてしまったのだろうか。
明恵紀州遺跡筏立卒塔婆(写真) 2012-05-18 05:50:11 | 写真 立ち寄るは蜜柑畑の一角の 明恵紀州遺跡の卒塔婆 樋田哲仙 和歌山・金屋町の国道424号線を車で走ると、明恵上人遺跡の標識がある。走るたびに目にするので、このたびようやく立ち寄る機会を得ることができた。蜜柑畑で苦労して見つけた。土地の人たちに敬愛されていて供花も新しくよく管理されている。明恵上人は鎌倉前期の華厳宗の僧。この地に20代に3年間住んで華厳宗習得に励んだという。
ホトトギスの声聞きたくて(水墨画) 2012-05-17 05:46:40 | 水墨画 聞きたくて若葉の山の昼下がり しばしの間待つ時鳥 樋田哲仙 ホトトギスの声は大きくて、けたたましく美しい声とは言いがたい。が、なぜか聞くと心が和む。初夏の若葉が山を覆う季節に鳴くのが救いなのかも。先週に出かけたが聞くことは出来なかった。少し早すぎた。この鳥は託卵鳥で他の鳥の巣へ卵を産み落とし、自らは子育てをしない。他人まかせの無責任派であるのが憎らしい。