哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

鮎つりを楽しむ人(水墨画)

2006-06-30 07:29:08 | 水墨画
解禁の雨をいとはず紀ノ川の
流れに浸かり竿を振る人      樋田哲夫

 有吉佐和子の小説で知られる「紀ノ川」の堤防を車で走っていると、鮎つりに格好の場所をところどころで見かける。解禁も場所によって異なるが、5月末から6月にかけてが標準となっているようだ。流れに足を浸かりながら長い竿を振り回している釣り人の光景は初夏の風物詩といえよう。 にほんブログ村 美術ブログへ

アジサイの花・観音寺(写真)

2006-06-28 06:59:03 | 写真
紫陽花はこれほどまでに往生の
潔しとは程遠き花          樋田哲夫

 ツバキやサクラと違ってアジサイの散り方はぱっとしない。枯れて茶色になっても無残な姿をこの世に未練がましくしがみつかせている。往生際の悪いことこの上ない。武士たちから最も嫌われた花であったらしい。美しい花でありながら残念なことである。

カニの戯れ(水墨画)

2006-06-27 07:34:22 | 水墨画
梅雨なれば庭にも這へる蟹多く
時には家の中に上がり来       樋田哲夫

 現在住んでいるところは、海に近いためか、道路、庭、草むらなどカニのはう姿をよく見かける。タマゴからかえったばかりのコガニが群がって、溝や道路を動いているのも梅雨時には珍しくない。移り住んだ当初は奇妙な光景に驚かされたものだ。にほんブログ村 美術ブログへ 

沙羅の花・応聖寺(写真)

2006-06-25 07:39:19 | 写真
陽に映えて白くけなげに咲く沙羅の
一日限りのことさらあはれ       樋田哲夫    

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりを表す
奢れる者は久しからず、唯春の夜の夢の如し

 平家一門の栄華と滅亡を表す軍記物語で有名な「平家物語」の冒頭にある沙羅はよく知られる木。

ノカンゾウの花(墨彩画)

2006-06-24 05:22:02 | 墨彩画
                 (4号色紙)
甘草と萱草とがあり音にては
同じなれどもマメ科とユリ科      樋田哲夫

 甘草も萱草も共にカンゾウと読む。
 甘草はマメ科の多年草で高さ1㍍ほど。夏に薄紫色の蝶形の花の穂をつける。根は生薬として鎮痛剤、鎮咳剤。
 萱草はユリ科。夏に橙赤色の大きなユリに似た花をつける。ヤブカンゾウは八重、ノカンゾウは一重。にほんブログ村 美術ブログへ  

さまざまの  芭蕉(書)

2006-06-23 07:19:30 | 

さまざまのこと思ひ出す桜かな      芭蕉

 この句の詠者を伏せていたら、読者は凡句と一蹴するに違いない。が、実は、俳聖芭蕉の句である。となると、どこがいいのか分からないまま、今一度見直し、はてさてと探りをいれる。そして身構え、考え直し、理解しようとしたくなる。そうするうちに段々よくなってくるのだから、俳句とは不思議な力があるものだ。

アジサイの寺・矢田寺(写真)

2006-06-22 07:13:15 | 写真
梅雨晴れて長き願ひを矢田山の
あぢさゐ寺の花にめぐれる     樋田哲夫

 大和郡山市・矢田寺は矢田山の山ろくに広大な寺域を持ち、アジサイで名高い。開花期になると駅と寺を結ぶ臨時バスが出るほど賑わう。昔一度訪ねたころに較べると寺へ向かう道路も開け、数軒のにわかな店も出ていた。

嫌われる老人(墨彩画)

2006-06-21 08:23:11 | 墨彩画
読み行くに思ひ当たれりいつしかに
忍びよりゐる老いの醜さ     樋田哲夫

 「老人嫌語」

 聞きたがる
 淋しがる
 心は曲がる
 欲深くなる
 くどくなる
 氣短くなる
 愚痴になる
 出しゃばりたがる
 世話やきたがる
 孫ほめたがる、がる、がる
 そんな老人、人は嫌がる

 「もぐら庵」 池田氏の言葉
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アジサイを求めて久安寺(写真)

2006-06-19 07:10:11 | 写真
久安寺の広きをめぐり一所
さながらモネの絵に佇めり      樋田哲夫

 大阪から亀岡へ抜ける摂丹街道に面した池田市の真言宗久安寺は5月初旬のボタンのころは曼荼羅の浄土を思わせる庭園の花の寺であるが、アジサイを求めて6月9日に参拝してみると、少し早すぎた。久しぶりに目にした菩提樹も、まだつぼみだった。

トマト・水耕栽培(墨彩画)

2006-06-18 07:09:31 | 墨彩画
 水耕のハウスに育つ一本の
 トマトの実り幾千個とは     樋田哲夫

 和歌山市加太地区の関西国際空港埋め立て用土砂採取跡地にカゴメ(株)の「加太菜園」がある。温度、湿度、日照、肥料の水溶液などコンピューター管理し、生食用トマトの水耕栽培として5・1ha(縦256㍍、横202㍍)のハウス。年間生産1,500tの安定農業、安定収穫で人手が少なくて済むという。 にほんブログ村 美術ブログへ

トチノキの花・白山スーパー林道(写真)

2006-06-16 06:25:33 | 写真
遠目にも白房立てて川中に
橡の一木は花盛りなり       樋田哲夫

 トチノキは山地に生える高さ25~30㍍の大木であるが、白山スーパー林道ウォークでは川の中に自生しているのに驚かされた。大木ではないが、点在しがら数本を見かけた。20㌢前後の白い花穂を多数つけて、風にゆれる様子は目立っていた。鮮やかな緑の掌状複葉は男性的で爽快な気になる。