哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

古今集第百六十五番蓮葉の(書)

2011-06-30 06:03:03 | 
蓮(はちす)葉の濁りに染まぬ心もて
なにかは露を玉とあざむく        僧正遍照

 水中から生じてその濁った水に染まらない蓮の葉は美しい心の持ち主なのに、何でまた葉の上の露を玉だといって人を欺くのか。

山田池公園浮見堂(写真)

2011-06-29 06:12:38 | 写真
公園をめぐる疲れに腰下ろす
陰のベンチに浮見堂見ゆ       樋田哲仙

 山田池公園は広大な敷地を有する。他人の話によると1周するのに約40分を要する。樹木も多い、大きな池をももつ。初夏の好天の日差しは歩いていると汗ばむ。疲れも出て木陰をみつけ、水辺のベンチに腰を下ろすと、正面の池に突き出す浮見堂が見えた。琵琶湖の浮見堂に酷似していて名前も同じである。コンクリートの建物にはなぜか温かみがない。

ホタルの飛ぶ水辺(水墨画)

2011-06-28 06:13:52 | 水墨画
今もなほ蛍の飛ぶを尋ねれば
人の多しと知人の電話       樋田哲仙

 6月11日にホタルの乱舞を観察して16日がたっている。今どうなっているかと知人に電話で尋ねると、まだ、飛んでいるので道路脇に多くの車が駐車しているとのことである。意外や2週間を過ぎても飛ぶとは驚きである。今年はホタルの乱舞と近場で観察できて、大きな思い出となった。ただ、残念なことは小さな光をカメラには収められなかった。 にほんブログ村 美術ブログへ

山田池公園花しょうぶ園2(写真)

2011-06-26 06:01:49 | 写真
振り返り振り返り見る菖蒲田に
名残の花の美しきかな        樋田哲仙

 適当な時間を費やし、ハナショウブをカメラに収め、歌に没入して次へと移動するとき、少し哀切の感が沸いてくる。この老齢を自覚するとこれが最後、これが見納めかと思うことがある。元気ではあるが、周辺の人の死に直面すると、いくつまで生きられるか先を見据える。人間誰しも元気であれば長寿は最大の願望に違いない。どこへ行っても誰と出会ってもこれが最後と思えばおのずから生を大切にしよう。

田植えも文明の利器(水墨画)

2011-06-25 06:13:48 | 水墨画
田植機がしばらく動く昼下がり
あれよといふまの植田となりぬ        樋田哲仙

 田植えや稲刈りは農家にとって最も繁忙期となる、昔は家族総出での重労働でどこの田も農事に勤しむ光景が目立った。ところが、現代は予想もしない文明の機械が誕生したものだ。稼動する田植機が通過した後は数条として早苗が植えられている。大きな田もさほど時間を要しない。昔を思えはあっという間の出来事といえよう。 にほんブログ村 美術ブログへ

山田池公園花しょうぶ園(写真)

2011-06-23 06:13:16 | 写真
梅雨時の涼を呼び込み公園に
花火のごとく花しょうぶかな       樋田哲仙

 大阪・枚方市の山田池公園を訪ねた。市街地から外れ、京都府は直ぐそこた。広大な敷地と樹木が多く、大きな池を有する。梅雨のこの時期お目当てはアジサイとハナショウブで、外にスイレンなどの水生食物も見かけた。花しょうぶ園ではど真ん中を回遊式に橋がかかり、趣向を凝らして一層の引き立てとなっている。平日ながら、花をカメラに撮影する人の光景も多かった。


見つけたコウホネ(水墨画)

2011-06-22 05:58:45 | 水墨画
公園の池に見つけて河骨を
これがそれかと知りし喜び       樋田哲仙

 コウホネの名は若い頃から知っていた。父が歌詠みでこの名の歌があったからだ。現在ヘタながら自分が歌作りに精を出して楽しんでいるのは親譲りの影響である。さて、この名を知ってから50年以上も経過して実物を見たのは大きな喜びである。スイレンと同様池を埋め尽くすものらしい。葉が水面から伸びて一見グアイと見間違えた。黄色の小さな花は可愛いが観賞にはほどとおいのも意外である。にほんブログ村 美術ブログへ

蜻蛉池公園あじさいの園2

2011-06-20 06:11:02 | 写真
ひろごりの山の斜面をゆっくりと
カメラ撮りつつあぢさゐの園       樋田哲仙

 あじさいの繁殖は桜と違って容易で短期間に行える。この場所を名所にする計画が持ちあがってから数年のうちに完成する。株分けや挿し木と両刀で進められて成長も早いので直ぐに楽しめる。蜻蛉池公園の一角は山の斜面を利用しているので球場のスタンドのようでもある。この花が芳香を漂わせるなら、さらに別の世界が生まれるだろに。

梅雨に咲くドクダミ(水墨画)

2011-06-19 06:08:01 | 水墨画
十薬は摩訶不思議なる力あり
臭み除けば吾も秘めたし      樋田哲仙

 十薬とはドクダミの別称である。10の薬効を合わせ持つことからこの名があるという。日陰に自生し根茎で繁殖する。梅雨のころ茎頂に4枚の苞と頂茎に棒状の花序を持つ。俗には花と呼んでいる。この時期に刈り込んで陰干しをして保存する。煎じて利尿、腫れ物や鼻詰まりに効く。幼い頃祖母が体中に出来たアセモに煎じた液をぬって治療していた記憶がある。 にほんブログ村 美術ブログへ

蜻蛉池公園あじさいの園(写真)

2011-06-17 06:01:32 | 写真
待ちかねて梅雨の晴れ間に去年見し
あぢさゐの園またも訪ねる       樋田哲仙

 岸和田市にある大阪府衛蜻蛉池公園は広大である。その一角にあじさいの園があり、今が見ごろで、平日でありながら、来場者は多い。丘陵地の斜面を生かして種類も株数も見事に咲いている。雨上がりの生気を溢れる花はカメラに収めたくなる。昨年知って初めて訪ねたが、今年の方がタイミングがよいのか見応えがある。まだしばらくは楽しめそうだ。

キスゲ(水墨画)

2011-06-16 06:10:57 | 水墨画
新聞のチラシに尾瀬の目につきて
梅雨の最中のキスゲの浮かぶ        樋田哲仙

 数年前尾瀬を訪ねた。駐車場から坂を下り写真で見る尾瀬の湿原へ出た。途中豪雨に見舞われて、びしょぬれになったが、木道を進むとところどころでキスゲ(ユウスゲ)を見かけた 今住む周辺の山では見かけないので珍しい。淡黄色のユリに似た細長い花で夕方にひらいて翌日にしぼむ。尾瀬の絶景に感動した記憶が、この季節旅行会社のチラシを見て懐かしく浮かんだ。にほんブログ村 美術ブログへ