哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

墨絵の白山スーパー林道(写真)

2009-05-31 07:02:10 | 写真
進み行く道をいく度も足止めて
思ひめぐらす墨絵の世界        樋田哲仙

 白山スーパー林道は冬季降雪のため閉鎖されているが、開通直前にウオーキングに開放される。だから好シーズンの新緑に映える山を歩くことになる。バスの時間に制約されて、奥までは進めず、途中で引き返すことになり残念である。墨絵を描く者には山と滝と渓谷の絶景でたまらない。

初夏のトビウオ(水墨画)

2009-05-30 06:15:46 | 水墨画
飛魚の海面近く羽ばたくは
決まりのあるか皆同じ向き       樋田哲仙

 トビウオが海面近くを長く飛ぶ映像を見た。長崎の外洋で群れて、どれも同じ方向に飛んでいた。時には150㍍も飛ぶという。初夏は外洋を華麗に飛翔するトビウオの季節のようだ。大きさ30㌢、胸びれが極端に大きく、尾びれも下側が大きい。初夏に獲れる季節魚から回遊しているのだろうか。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

百人一首第十一番わたの原(書)

2009-05-29 06:09:37 | 
わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと
人には告げよ海人の釣船       参議篁

 大海原のあちらこちらに沢山浮かんでいる島島のほうに向かいつつ、流人の身の私は旅立とうとしている。せめてこの寂しさい様子を釣舟の漁夫よ、京の人々に伝えて欲しいものだ。遣唐副使として出帆する際、大使の舟が故障して取り替えられた時のトラブルで隠岐島に流人の刑で出港するときの歌。

滝の多い白山スーパー林道(写真)

2009-05-28 06:09:21 | 写真
心地よき若葉の風の白山の
スーパー林道滝のすがしも       樋田哲仙

 白山スーパー林道は山深い渓谷を縫う有料道路である。大小の滝が緑の山肌を割って崖を落ちる。多くは対岸に架かり、太陽の光にまぶしく輝いて見えることもある。名のある滝から如露での水のようなものまで無数にある。中でも日本の滝百選の姥ヶ滝は水量も豊富で最も大きい。雪解けの季節や降雨時は表情を変えるだろう。

茅葺き屋根の家(水墨画)

2009-05-27 10:05:18 | 水墨画
茅葺きを見て「故郷」を口ずさむ
子供のころの蘇りきて      樋田哲仙

 茅葺(かやぶ)き屋根の家はすっかり見かけなくなり、田舎でも瓦屋根に変ってしまった。公園とか、風土記の園地で昔の住居としての展示建物を見かける程度だ。かって岩湧山を下りきって、ひなびた山村で見かけたぐらいだ。思い出以外にはない。画家向井潤吉の世界に多くを見ることは出来る。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第十番これやこの(書)

2009-05-26 07:25:38 | 
これやこのゆくも帰るも別れては
知るも知らぬも逢坂の関        蝉丸
 
 京より東国へ行く人、東国より京へ帰る人、どちらもここで別れては、また会い、知る人も知らない人もここで出会うことになる。これがつまり逢坂の関所というところである。京都と大津の間に逢坂山があり、庵を設けて蝉丸は暮らした。関所はよく目に触れたのだろう。現在名神高速には逢坂山トンネル、蝉丸トンネルがある。

白山スーパー林道ウォーク(写真)

2009-05-25 05:49:55 | 写真
開通の前二日のみ放たれて
人押し寄せるスーパー林道       樋田哲夫

 白山市と岐阜県白川郷を結ぶ33㌔の有料道路「白山スーパー林道」は冬季積雪のため閉鎖されるが、全線開通直前の2日間ほんの一部分をウオーキングに開放される。今年は5月23,24日が歩行者天国。新緑の若葉がまぶしい道路の両側はいたるところに滝が架かり、清流の深い渓谷を楽しんだ。

尾瀬の木道(水墨画)

2009-05-24 06:59:54 | 水墨画
踏むたびの軋みも耳に心地よく
列なして行く尾瀬の木道       樋田哲仙

 尾瀬の湿地は初夏が似合う。先週の20日(水)山開きしたニュースを見かけた。ミズバショウの群生を木道の両側に眺めながら歩いた記憶が蘇った。踏み荒らし防止の延々と続く2本の木道は環境保全として作られたものだ。木道以外は湿地で歩けない。大勢の人は木道に沿って列をなして進むことになる。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

百人一首第九番花の色は(書)

2009-05-23 20:19:18 | 
花の色はうつりにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに       小野小町

 思う男のことに気をとられて、ついうかうかと物思いにふけっているうちに、すっかり、年を重ねてしまった。まるで長雨の後の花のように見るも哀れで、わびしく色あせてしまったことである。美人で多くの言い寄る男をあしらった小町も年には適わなかったらしい。深草少将との逸話は有名。六歌仙の一人。

紀州徳川家御廟(写真)

2009-05-22 07:06:47 | 写真
知りてすぐ紀伊徳川の菩提寺の
歴代夫人の墓を参りぬ        樋田哲仙

 御三家の一つ紀州徳川家は家康の第10子頼宣を祖として興された。その初代夫人は肥後藩主加藤清正の5女八十姫(瑤林院)が紀州家に嫁している。歴代藩主の墓は海南市の長保寺にあるが、夫人らの墓は和歌山城近くの報恩寺にある。写真は手前から初代夫人瑤林院、二代夫人天真院、五代夫人天徳院(吉宗夫人)の墓

アゲハが飛ぶ(水墨画)

2009-05-21 07:06:07 | 水墨画
目に追へど紋まで見えずわが庭を
今年初認の揚羽が舞ひぬ        樋田哲仙

 昨年蝶の本を購入した。鳥の仲間に草花や蝶に詳しい人が多くいるからだ。自然観察を得手とすることに関係するのだろう。鳥を観察をしていると、蝶を見かける機会が多いから、少しぐらいは知りたく本を得た。夏日となった昨日わが庭を今年初めてのアゲハを見かけた。紋までは分からず、アゲハかキアゲハかは識別できていない。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

百人一首第八番わが庵は(書)

2009-05-20 05:54:54 | 
わが庵は都の辰巳しかぞ住む
世をうぢやまと人はいふなり       喜撰法師

 私が住んでいる庵は都の東南宇治山の麓の長閑な土地で満足して暮らしているのだが、世間の人たちは憂し山と揶揄(やゆ)しているようだ。一向に気にすることはないと法師は達観している。宇治山は宇治の三室戸の奥の山らしい。古今集に収められている歌で、喜撰法師は六歌仙の一人。

卑弥呼の墓か箸墓(写真)

2009-05-19 06:56:04 | 写真
巻向の眠るがごとき静かなる
巨大古墳は卑弥呼の墓か       樋田哲仙

 山の辺の道から少し外れたところの纏向遺跡中心地に箸墓がある。一説には邪馬台国の女王卑弥呼の墓といわれる。管理する宮内庁は第7代孝霊天皇の皇女で倭迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の墓とし、大市墓と呼ばせている。崇神天皇の叔母に当たる。土地の人たちは卑弥呼の墓として親しんでいる。

雨に煙る里(水墨画)

2009-05-18 05:45:57 | 水墨画
計画は五月半ばの雨にして
二日籠れば梅雨の走りや       樋田哲仙

 予定していたバイクの外出も雨天ではどうにもならない。梅雨前のこの時期は例年なら、好天が続いて梅雨へ入るものだが、丸2日間雨にたたられると外出どころではない。風も強く傘をさすのも難儀な日は家に籠るに限る。梅雨の走りには、まだ早いが、バイクは小回りが利き、駐車場の心配も要らないから好きだ。 にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第七番天の原(書)

2009-05-17 06:00:53 | 
天の原ふりさけみれば春日なる
三笠の山に出でし月かも         阿倍仲麿

 大空をはるかに見渡すと、見事な月が昇ったところである。この月は故郷奈良の都の三笠山に上る月と同じものだあろうか。この月を眺めると、故国の都が懐かしいものだと望郷の念を歌っている。仲麿は奈良時代の元正天皇のとき遣唐使に随行し、一度帰朝しているが、再度、唐へ渡り、二度と故国へは戻らなかった。