G・ガルシア・マルケス著 木村榮一訳「コレラの時代の愛」読了
あちこち寄り道しながら約一ヶ月かけて単行本で502項という大長編をようやっと読み終えました。
いやぁすごい小説ですね。すごいの一言です。
主人公のフロレンティーノ・アリーサは若い時、フェルミーナ・ダーサを見初め、恋をするんですが、彼女の気まぐれからあっさりと振られてしまうんです。そして彼女はウルビーノ博士という医者と結婚し、子供を作り、孫までもうけるんですが、その間、フロレンティーノ・アリーサはずっと彼女を愛し、時が来るのを待ち続けるわけです。そしてある日、ウルビーノ博士は庭に逃げたインコを捕まえようとして、脚立から足を滑らせて転倒し、亡くなってしまいます。これを千載一遇のチャンスと見たフロレンティーノ・アリーサは、フェルミーナ・ダーサに再度愛の告白をするんですが、「二度とこの家の敷居をまたがないで下さい」と冷たくあしらわれます。
まぁそれからなんだかんだありまして、結局二人は70を越した年になって結ばれるわけです。その間の経緯がすごいですね。エピソード満載です。
一人の女性を50年以上思い続け、自分の寿命が尽きようとしていても、それを守り続けるという、現実離れした話なんですが、このマルケスの手にかかると、それが不思議とリアルに迫ってくるんですね。
途中、ちょっとだれるところもあったんですが、とにかく圧倒されっぱなしの作品でありました。マルケス、すごい!
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