ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

まさかぁ?!強風下ハウスビニール張り

2021-04-01 09:32:59 | 米つくり

 うわぁぁぁ、飛ぶぅぅぅ、ビニール舞い上がってるぅぅぅ!

 押さえて!そっち引っ張って!反対側もパッカー外れたぁ!

 ぎりぎり頑張ってるのは、前後の押さえだけ。これ外れたら、空飛ぶ絨毯ならぬ舞い踊るビニールだぞ。

 朝早く始めりゃよかったのよ、って神さん、ブツブツ。苛立たない、腹立てない。冷静に!心のゆとりを失うな!って言い聞かせつつも、内心、ちょい、ヤバイかも。風はどんどん強くなる。作業開始時の微風は強風になり、いまでは春の嵐に近づいている。そんなぁ、予報違うだろ!今日は高気圧に覆われ全国的に穏やかな晴!って言ってたじゃないか。

 ここで、止めて、明日に延期する?ダメダメ、張ると決めたら張っちまうんだ。ビニールを屋根フレームに引き上げただけだって、大したもんなんだ。これをまた下ろすなんて、そんなぁ。

 前後の長さを決めて、これでしっかり固定!やれやれ、と思ったら、左右のバランスが悪すぎ。ビニールの中心を骨組みの梁?部分に合わせて留めたのにぃ、なんで、右側ばかり短いの?そうだ、フレーム自体がずれてきてたんだ、忘れてた。このまま張ってしまうと、あとあと、片側がに隙間ができて苦労する。ああ、もうこの風吹き荒れる中でパックし直しかよ。

 すでに押さえてあるパッカーを一つ外しては、ビニールをずり上げ、また一つ分移動、これを繰り返して、よし、やっと左右対称になった。それでも、押さえていない中央部分は煽られ舞い上がり、暴れ続けている。早く、早く、マイカー線で押さえるしかない。ロープに結わきつけた数十本のマイカー線をロープがらみ引っ張って屋根を越えさせる。準備は万端、スムーズに反対側を固定して、怒り狂うビニールをなだめられるはず、なんだが、途中手の届かない高さで絡まって、思うように行かない。1本1本、長縄跳びよろしく、マイカー線を振り上げて、絡まりを外す。それでも、ほどけなければ、反対側に走って、そちらから、手を差し伸べる。

 夢中で、手繰り、押さえ、骨組みパイプに結束!格闘すること1時間、やっと、すべてのマイカー線を張り終えた。ここまでやってしまえば、嵐だろうと台風だろうと飛ぶことはない。前後でバタつく裾をパッカーでじゃんじゃん留めて、よぉぉぉし、終了だぜ!

 この難関を越えないことにゃ、米つくりは始まらないのさ。事前にフレーム内は耕耘し、プール用の丸太も運び込んである。4月半ば過ぎの種蒔きまでに、丁寧に平らにならしてプールを作る。育苗用の用土を乾かす。一歩一歩、田植えに向けて歩き出す。

 かなり焦り、戸惑った想定外の強風だったが、苛立ちののしり合うこともなく、着実に仕事が進められてよかった。やっぱり、夫婦二人、歳の功ってやつだな。

 

コメント
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