泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

「Je suis Charlie」とは言いたくない

2015-01-14 10:26:51 | 丹下一の泡盛日記
仏の新聞社を襲ったテロ事件はフランス版911とも言われているが、その後の展開や背景も含めて「911」的様相を示し始めている。
多くの人が銃撃されて亡くなったことは本当に痛ましい。
そして、この雑誌はヘイトスピーチのような漫画を満載していた。
在仏のイスラムの人たちには法的に改善を求める動きもあったと聞いた。
それが今、「表現の自由」か「テロリスト」かの二者選択を迫られている。
その隙間からたくさんのことがこぼれ落ちている。
だからテロや暴力は絶対に許せないが、「Je suis Charlie」とも言いたくない。

日本で「良識ある多くの国民を傷つけた」などと表現者を非難する書き込みを見たが、勝手に「多くの」と決めつけるのが理解できないし「良識」などという曖昧な表現を使うのもわからない。
だが、なんとなく「みんながそう思っている」かのような印象を与えかねない危険がある。
「自分が傷ついた」と主張すべきだ。
「みんながそう思っているから」は個人の「幻想」にすぎない。
なので、この主張の根拠のあいまいさを議論しても無意味だ。

ドイツの反イスラムデモを見ていると大きく歴史の時間を巻き戻してしまったようで、背筋が凍るような気持ちになる。
この実行犯の背後にいるのは誰なのだろう。アルカイダとISISは現在競合関係にあるはずだが、双方の名前が背景に出ているのも不思議だ。
暴力による「怒り」は「自分自身」を見失わせ、権力者にとって都合のいい状態が生まれるということを忘れてはならない。
そして「集団的自衛権」を振り回して戦争に参加するということは、それが「戦闘」でなくても、同じことが日本でも起きる可能性があるということだとも思う。
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