都道府県で初の条例制定への
気運盛り上げが県民所得を引き上げる。
先の知事選挙で社民党県連と阿部氏が政策協定した項目の内、「公契約に係わる業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保する」ための「公契約条例」の検討が県において行われていますが、秋に予定している中間報告に向けて、現在、関係業界との意見交換が行われています。
しかし、その内容を集約するまでもなく、7月25日行われた建設業協会長野支部と長野市区選出県議との懇談会では、支部長から「全体的な話し(入札制度の最低制限価格の引き上げ)等の提案が県からなく、条例と言われれば反対であることを県内15支部で確認した。」との表明は、この条例制定に向けては、今後、苦難な道のりを歩むことが予想されます。
建設業協会が反対する理由としてあげているのが、労務単価を規定しても、そのため増える事務費はどうするのか。落札率がこのところ2%落ちていることの入札制度の改善が先。最低労務単価を定めると、雇用弱者を閉め出すことになり、雇用のセフティーネットが失われる。下請けなど民民の契約まで行政が関与することは問題等々です。
中には、既存の入札制度を(業者の有利な様に)改善しないで、公契約条例を制定しようとする考えは100%間違っているとの過激な意見があり、この意見には、さすがに私も反論し、私からは「田中知事時代に徹底した一般競争入札により、皆さんは低価格の入札を迫られ、壊された業者もいる。しかし、それに対し私は政策入札を提案し総合落札制度か導入された。村井知事となり、その後も、議会は超党派による入札制度研究会を設置し、最低制限価格の引き上げを行うなど努力して来た。
公契約条例は、この延長の課題であり、既存の入札制度に問題があれば、条例制定過程で反映すれば良いこと。過去に、この会に参加したが、乾杯の音頭で皆さんの顧問が、偉ぶった態度で県議会議員は仕事をしていないし、自分達の言うことを聞いて仕事すれば良い様なことを言われ怒られたことがあり、私はその態度に怒って場を退席した記憶がある。
しかし、私はこれまで皆さんのために仕事をして来ていると自負としているが、少なくともあなた方に、そんなことを言われる立場にない。条例を反対と決めつけるのではなく、どうすれば満足出来る条例となるか、前向きに紳士な姿勢で検討すべき」趣旨を申し上げ、その席を後にしました。
現在検討中の公契約条例は、この間、一般競争入札により価格のみの落札が重視される中で、建設業協会をはじめ業界の皆さんが悲鳴をあげ改善を求めて来たことや、その下請けの皆さん等からは、「適正な労務単価を支払う仕組みを作って欲しい」等の切実な声があり、県民所得全国平均並を目指す一環としても、県民の税金を使って行う事業の入札にあたっては、これまで以上に適正な基準を設けようとするものです。
また、その対象は元請け下請け、孫請け、一人親方、そして指定管理者の指定に当たっても定めるべきことを私は求めていますが、なぜ、これだけ、建設業協会の皆さんが反対するのか、私には一般感覚として理解できません。
それは、憶測すると、おそらく、自社の利益を確保するためには、請け負った事業の全部又は一部を下請け業者に委託しコスト削減をはかって来たが、最低限の労務単価を厳格に決められると、利幅が減少してしまうことへの危機感なのかも知れません。
しかし、川崎市では公契約条例を制定しましたが、建設業協会からの反対意見はなかったと聞いており、長野県の場合は、業界の体質的問題なのかも知れません。
公契約条例の検討過程は、現実の問題として、この様な「利害関係」を伴う課題について現在の実態を調査・把握し「赤裸々」にすることが原点であり、私としては、公契約条例の対象となり反対を表明している建設業協会はじめ各種業界の実態を把握し、条例制定に向けた条件整備を行う決意です。
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