たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

「働き方改革」関連法案の衆議院委員会採決強行に抗議する

2018年05月26日 | 社民党
「働き方改革」関連法案の衆議院委員会採決強行に抗議する(談話)
 
   2018年5月25日 社会民主党幹事長  吉川はじめ

1.政府・与党は、25日、社民党など5野党1会派の提出した加藤勝信厚生労働相の不信任決議案を衆議院本会議で否決した後、「働き方改革」関連法案の採決を衆議院厚生労働委員会で強行した。
 「働き方」はすべての国民に密接に関わる重要課題であり、拙速な取り扱いは許されない。
 しかも、森友・加計疑惑が深刻になっているにもかかわらず、疑惑の解明にフタをしたまま、長時間労働を助長し過労死を促進する「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の創設を含む悪法を力ずくで押し通そうとする安倍政権の強権的な姿勢は、断じて許されない。
 社民党は厳しく抗議するとともに、衆議院本会議上程を許さず、今国会での成立阻止へ全力で取り組む。

2.労働政策審議会で、「議論の出発点」と位置づけられていた「2013年度労働時間等総合実態調査」について、裁量労働だけでなく、一般労働者に関するデータの2割について、虚偽だったとして削除された。
 調査自体の信頼性が揺らぎ、法案全体の根拠が崩れている。新たに実態を把握するよう再度調査自体をやり直すとともに、法案自体を労働政策審議会に差し戻すべきである。

3.加藤厚労大臣は、野党の質疑にまともに答えないまま、意図的な論点ずらしやはぐらかしなどの不誠実な答弁を続け、質疑を混乱させてきた。
 それでも、高プロの危険性がますます浮き彫りになってきた。残業100時間相当で産業医の面接を受けても、そのまま働かせ200時間になっても良い。また、月のはじめに4日間休ませれば、あとは月末までずっと休憩なしの24時間勤務を連日にわたり求めることも法律上可能になる。年収1075万円の「見込み」としたうえで、所定労働時間を1日24時間労働に設定した契約を交わし、勤務時間実績が契約時間(6264時間)に不足していれば、「欠勤控除」として減額するというやり方も違法ではない。

4.高プロの要件とされる年収1075万円以上も法律事項ではない。日本経団連は年収400万円以上を求めており、塩崎元厚生労働大臣も「小さく産んで大きく育てる」としていた。
 一度導入されれば、国会審議を通さずに省令で拡大されることは必至である。
 高プロについて、加藤厚労大臣が要望を聞いた労働者はわずか12人にすぎない。労働政策審議会において労働側委員も反対意見を付し、連合や全労連、日弁連や労働弁護団、何よりも過労死の家族の会も反対を表明している。
 過労死の遺族との面会を拒否し、働く者が望まない制度を強引に押し通すことは断じて認められない。

5.与党は、残業時間の罰則付き上限規制を引き合いに、「一刻も早く長時間労働を是正しないといけない」として法案採決の強行を正当化している。
 しかし、年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間の残業を認め、きわめて不十分な水準である。建設業や自動車運転業務など猶予や除外の職種も残っている。
 審議では、月をまたげば、30日で150時間の残業も可能となる抜け道も明らかとなった。これでは、長時間残業に「お墨付き」を与え、過労死ラインの残業を容認したのと同じである。

6.痛ましい過労死や過労自殺が相次ぎ、重大な社会問題となっている今日、労働者の健康と安全を確保するための最低限のルールである労働条件規制を揺るがすことは断じて許されない。
 「同一労働同一賃金」も中途半端で不十分であり、雇用対策法を改正して、「労働生産性の向上の促進」を加えることも問題である。
 社民党は、企業のためではなく、真に働く者のための働き方改革の実現に向け、働く仲間の皆さんとともに、政府案の撤回・廃案とともに、すべての労働者が、健康とワーク・ライフ・バランスを確保しながら、健やかに働き続けられるための実効性ある法整備を求めていく。
 
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