Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

深さと寒さと

2007年06月03日 | 映画など
イザベル・コヘット監督『あなたなら言える秘密のこと』を見る。
前作『死ぬまでにしたい10のこと』と同じくサラ・ポーリー主演。
ドリュー・バリモアもいいが、サラ・ポーリーもいい。
陰と陽というか、明と暗というか。
深く静かな映画に似合う女優さんだ。
この新作も、静かで、そして深い。

 
LA VIDA SECRETA DE LAS PALABRAS(2006)

工場で働くハンナ(サラ・ポーリー)は、
勤務態度は真面目だが、
誰ともコミュニケーションを取ることもなく、日々を過ごしている。
なぜ彼女は寡黙なのか。
なぜ彼女は他人と繋がろうとしないのか。

ハンナは無理矢理取らされた休暇中に、
海に浮かぶ石油採掘場で、
事故で大怪我をした男(ティム・ロビンス)を介護するために、
ヘリコプターで、その石油採掘場に行く。
この採掘場というのが、海に浮かぶ工場で、
その寂しさというか寒さというか、
ビジュアル的にも、相当な荒涼感が漂う。

その中で、寡黙なハンナが、
ワケありの事故で大怪我をした男の介護をする。
採掘場には、数人の男たちが勤務しており、
どこかみんな寂しげで、コミュニケーションが下手な
連中ばかりだ。

およそ人間的な香りのない採掘場で、
感情をゆっくりと吐露し始めるハンナ。
寂しさと哀しさと残酷さが入り混じった
クライマックスに息を呑む。

監督の視線は厳しい。
しかし、「冷徹」とまではいかず、
ほどよい甘さと優しさを漂わせた描き方だな、と思った次第。





コメント (3)
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