『LOFT/ロフト』を見る。
黒沢清、3年ぶりの劇場公開作らしい。
この監督はわりと多作なので、
これだけ期間が開いたのは珍しい。
なんともまあ、不思議な映画だった。
観客を煙に巻くのは、この監督がよくやることだが、
『回路』『降霊』の流れを組むホラーと見せかけて、
とんでもない映画を作ったと思う。
ひとことで言うと、これはB級ホラー&コメディである。
LOFT/ロフト(2005)
スランプに陥っている作家(中谷美紀)が、
編集者(西島秀俊)の勧めで、人里離れた洋館に引っ越す。
洋館の隣には、大学の研究所があり、
そこにいる大学教授(豊川悦司)と知り合う。
その教授は、近くの沼から引き揚げた
女性のミイラを研究していた。
映画で描かれる奇怪な現象は、
すべて登場人物の目を通して描かれる。
中谷美紀の視線、
そして豊川悦司の視線、
その先に見えるものの正体を探るために、
僕ら、観客はじっと目を凝らす。
しかしいつの間にか、はぐらかされてしまうのだ。
こちらが論理的に見ようとすればするほど、
登場人物の主観が入り混じった描写が連続し、
そのうち、ただスクリーンを見つめる以外、
なす術がなくなってしまう。
翻弄されるというか、呆気にとられるというか。
シネフィル的な見方をすると、
ヒッチコックの『めまい』のような、
妙な落とし穴にいつの間にか落ちていくような感じ。
豊川悦司のオーバーアクトと
中谷美紀の叫びっぷりにも
いわゆるJホラーの文脈から逸脱したところがあり、
それはやりすぎだろ、と突っ込む場面も多数。
ひょっとしたらこれはコメディかも。
そう思うと、ちょっと腑に落ちた。
黒沢清、3年ぶりの劇場公開作らしい。
この監督はわりと多作なので、
これだけ期間が開いたのは珍しい。
なんともまあ、不思議な映画だった。
観客を煙に巻くのは、この監督がよくやることだが、
『回路』『降霊』の流れを組むホラーと見せかけて、
とんでもない映画を作ったと思う。
ひとことで言うと、これはB級ホラー&コメディである。
LOFT/ロフト(2005)
スランプに陥っている作家(中谷美紀)が、
編集者(西島秀俊)の勧めで、人里離れた洋館に引っ越す。
洋館の隣には、大学の研究所があり、
そこにいる大学教授(豊川悦司)と知り合う。
その教授は、近くの沼から引き揚げた
女性のミイラを研究していた。
映画で描かれる奇怪な現象は、
すべて登場人物の目を通して描かれる。
中谷美紀の視線、
そして豊川悦司の視線、
その先に見えるものの正体を探るために、
僕ら、観客はじっと目を凝らす。
しかしいつの間にか、はぐらかされてしまうのだ。
こちらが論理的に見ようとすればするほど、
登場人物の主観が入り混じった描写が連続し、
そのうち、ただスクリーンを見つめる以外、
なす術がなくなってしまう。
翻弄されるというか、呆気にとられるというか。
シネフィル的な見方をすると、
ヒッチコックの『めまい』のような、
妙な落とし穴にいつの間にか落ちていくような感じ。
豊川悦司のオーバーアクトと
中谷美紀の叫びっぷりにも
いわゆるJホラーの文脈から逸脱したところがあり、
それはやりすぎだろ、と突っ込む場面も多数。
ひょっとしたらこれはコメディかも。
そう思うと、ちょっと腑に落ちた。