先週土曜日の2月24日は春節から15日目に当たる元宵節、依然述べたように各地でランタンフェスティバルが開催され多くの人で賑わいました。平渓では恒例の天燈祭りが催され2250を超える天燈が打ち上げられましたが、残骸が付近の山地に散乱するため新北市山岳協会や地域団体が協力して回収、ゴミは160kgに上ったということです。
さて姪3號は元宵節翌日の日曜日、大稻埕へ買い物に出かけてきました。食品店には台湾で元宵節に食される湯圓が並び、結婚敷島の辦桌（料理人が食材を持ち込み調理する日本でいえば仕出し料理のようなもの）の準備が進んでいました。
春節前には年貨大街が開かれていた廸化街
ずらりと客が並んでいる店は
湯圓の有名店でした
道端に食材を拡げて調理の最中 出張調理とはいえ前菜から主菜・スープなど中華料理の
フルコースが提供されます
伊勢エビを蒸しあげています 台湾でも披露宴はホテルやレストランで行うのがほとんど
ですが迪化街の旧家では自宅で辦桌を呼んで宴会を開く家もあります
熊本県菊陽町で建設が進められてきたTSMC（台湾積体電路製造）の第一工場が本日開所式を挙行しました。現在機器の搬入や調整が行なわれており年内に稼働開始される見込みですが東京ドーム4.5個分に相当する広大な工場で国内最先端の12～28ナノメートルのロジック半導体を生産することとなり経済安全保障の観点からも地元の雇用拡大の観点からも大いに期待されるものです。また続いてAIやスマホに使用される6～7ナノメートルクラスの生産を目論む第二工場建設計画も発表されており日本と台湾の経済的結び付きは一段と強まって行くことでしょう。
さて早朝の太極拳体操や野外カラオケで有名な台北市青年公園は日本統治時代の訓練場・軍飛行場（南機場）から戦後ゴルフ場を経て1977年都市公園として開場しました。園内には遊具はもちろん室内屋外プールに野球場・テニスコート・ゴルフ場・アスレチックなどの運動施設、加えて図書館・盆栽館・屋外音楽ステージなどが揃っており近くに住んでいる甥1號は子供のころ夏休みは毎日プールに通っていました。公園の周囲には傳統市場國光市場他多くの飲食店が立ち並び昼夜問わず多くの人で賑わっています。春節前の休日、甥1號家族そろって公園前の新来来水餃川菜館で夕飯を楽しみました。
外の写真を撮り忘れたためストリートビュー
から引用しました
毛豆蝦仁 枝豆と海老の塩味炒め さっぱりとした味です
台湾ではお馴染み五更腸旺 かなり辛いです
プリっとした高麗菜水餃 ご存じのように台湾では水餃子が主流です
代表的な客家菜梅干扣肉 干した梅菜を戻し豚バラ肉と蒸し上げます
旧暦1月15日の元宵節（今年は2月24日）が近づき17日から台北市主催の2024台北ランタンフェスティバル（台北燈節）が、西門・中華路一段・北門地区で開催されています。今回の台北ランタンフェスティバルは2段階に分けて開催されており、今回一部の展示エリアとイルミネーションは春節前の2月2日から点灯されており、17日以降来月3日までメインランタンを含むすべてのエリアでランタンが灯されています。一方国として開催する2024台湾ランタンフェスティバルは16年ぶりに台南市が舞台となって旧市街の安平燈區（2月3日～3月10日）と新幹線開業に際して開発された駅近辺のの高鐵燈區（2月24日～3月10日）、2地区で開催されます。日本でも長崎ランタンフェスティバル（長崎燈會）が新地中華街で2月9日から25日まで開かれており国内外の観光客で賑わっているようです。
さて日本統治時代、総督府はすべての町に神社を創建する方針を採用し桃園神社は1938年（昭和13年）落成し鎮座式が行われました。戦後は忠烈祠となり鄭成功らの像と殉國した國民党軍将兵の位牌が祀られていましたが、日華断交後國民党政府は日本統治時代の帝国主義的建造物の撤去を命じ各地の神社は取り壊されました。しかし桃園神社は地元住民の反対と一部学者の建築物としての価値評価と侵略の歴史の証拠として残すべきという主張が通り残されました。以降も忠烈祠の改築名分で取り壊しの危機がありましたが住民と学会の強い反対によって保存が決まり修復を経て1999年（平成11年）には國家三級古蹟に指定されています。現在は忠烈祠施設と歴史文化施設を併設した桃園孔子廟忠烈祠文化公園となり桃園市の貴重な観光資源となっています。
謹賀新年と日本語の新年の挨拶が表されています
しめ縄を張った手水舎も日本の神社にいるようです
日本の神様は祀られていませんが鳥居・石灯籠・社務所・拝殿・本殿とフルセットで神社
様式が残されています
拝殿 二拝（礼）二拍手一拝（礼）と参拝の作法も教えてくれます
祭神として豊受大神天照大神大國主命が表されていますが戦前の祭
神で現在日本の神様は祀られていません
絵馬奉納所 合格祈願や良縁成就など絵馬に書く言葉は日本と同じ
です
更にご朱印授け所までありました
2月14日午後、台湾が支配する金門島付近の海域で違法な操業をしていた中国漁船を台湾海洋当局の舟艇が見つけ取り締まろうとしたところこれを拒み逃走、追跡したところ転覆し乗組員4人のうち2人は救助されましたが2人は海に落ち死亡しました。この件に関し中国国務院台湾事務弁公室は台湾側へ「強烈な譴責」の意を示し「民進党当局が大陸の漁民に粗暴なやり方で対処してきたことが事件の主な原因だ」として、台湾側に真相の究明と遺族らへの適切な対応を求めました。そもそも台湾の領海内で違法操業して見つかったから逃げたわけで、台湾の舟艇が故意にぶつけて転覆させたわけでもなく、蛇行して逃げる途中に波に乗って転覆したものと思われます。また2人は台湾側が救助しており2人が亡くなったのは逃走したことによる不慮の事故と捉えるべきです。なのに「譴責」という上から目線の言葉を使ってのコメント、国内向けに弱腰ととられないための言葉選び、もしくは外交上の主張でしょうが台湾にとっては受け入れられるわけはありません。まさに非常識な国が隣に存在することを日本ももっと認識するべきでしょう。
さて碧海厨房の2回目です、瑞安街には餃子や小籠包・麺などいわゆる小吃店は沢山ありますが、中華料理・台湾料理をコースで提供できる菜館はおなじみの日日香小館とこの碧海厨房くらいしかありません。久々に帰台し台湾の味に飢えていたヨメを親戚が請客（誘う）してくれました。
右側の赤い電飾看板は24時間営業の瑞安豆漿大王です
蠔油牛肉 柔らかい牛肉をオイスターソースで炒めてあります
豚の肝・鴨の血・野菜などをたっぷりの唐辛子と煮込んだ五更昌旺
京都排骨 京都とは北京のことで下味をつけたスペアリブに片栗粉をまぶして揚げ甘辛味
で炒めてあります
四川料理を代表する一品魚香肉絲 ご飯が進みます
こちらは魚香の茄子 台湾バジル（九層塔）が効いてます
銀絲捲 蒸しパンを香ばしく揚げてあります
今日2月12日は初三睡到飽、春節当日の初一は旦那さんの実家を訪れ、初二は嫁いだ娘が実家へ帰りますから、初三はゆっくり寝て休みましょうということです。年末から料理を作ったり大掃除をしたりと忙しく働き、年初の二日間は大勢で集まりいわゆるお節料理とお酒を楽しんだので今日はそれぞれの家でゆっくりして体を休めたほうが良いですね。
さて年末ヨメが久々に帰台した際、兄弟姉妹や甥姪たちがご飯会を開いてくれました。いつもは実家裏の日日香小館へ行くことが多いのですが瑞安街の碧海厨房が美味しいとの提案があり初めて訪れてみました。
瑞安街龍門客棧餃子館のはす向かえにある碧海厨房
まずは豚バラ肉とセロリ・するめいか・豆腐干を炒めた客家小菜
続いて豆腐とハマグリのスープ 小さなハマグリですが出汁は十分出ています
唐辛子の辛味が効いた宮保鶏丁
胡瓜・茄子・マッシュルームなど野菜と厚揚げのトマトスープ煮込み
以前は台北市内でも田畑や河川敷で見かけることがあった水牛、最近ではすっかり姿を見ることが無くなりましたが、新北市の大漢渓河川敷で飼育されていた水牛が飼育者の高齢などにより飼育放棄され宙ぶらりんの状況に置かれていました。しかし水牛がバイクを追い回すなど人に危害を及ぼす恐れが出てきたため衛生署が捕獲を試みましたが失敗してしまいました。そこで台東の原住民に助けを求めたところ扱いに慣れた原住民達により無事捕獲、更に繁殖して30頭余りに増えていた水牛を台東の放牧地帯に移送、水牛達も温暖な気候が気に入ったのかのびのびと暮らしているそうです。
さて台湾では今日から春節休暇、16日までの9連休に入りました。個人商店は除夕（大晦日）の昼過ぎから一斉に閉店しますが以前と違い各町内といってもいいくらい無休のコンビニが出店しているので毎日の買い物に困ることはありません。また当然のことながらチェーンの飲食店やホテルのダイニングは営業しており春節期間は予約で一杯になっています。休暇に入る前の傳統市場の様子を紹介します。
再掲になりますが2010年五堵の基隆河河川敷で久々に見た水牛
和平東路二段の安東市場 今日から春節休業に入りました
比較的小さな傳統市場ですが肉・魚・野菜と食材が揃います
衣料品店に雑貨屋もあり生活に必要なものは賄うことができます
暖かだったこの日老板は気持ちよく居眠り中でした
台湾は2月8日から14まで春節休暇に入りますが、桃園機場では7日から15日までの9日間の利用者が延べ116万人に上るとの見通しを明らかにしました。出入境（出入国）のピークは8日（みそか）から11日（旧暦1月2日）までと13日（同4日）でピーク期間の1日当たり利用者は13万人を超えるとみられており新型コロナウイルス流行前の2019年の春節期間の日平均14万2千人と比べて約9割の水準まで回復することが見込まれています。前回紹介したように日本の地方空港へ出発する便に搭乗する日本人観光客には日本から派遣された出入国管理官がプレクリアランスを実施し、スムーズな帰国に資しますが空港チェックインカウンターの大混雑は避けられず空港運営会社では便出発3時間前までの空港到着を勧めています。また台湾系航空会社便に搭乗するなら桃園捷運（MRT）台北站（駅）のインタウンチェックインを利用すると機内預け荷物を捷運の専用車で空港まで運び機内に積み込んでくれますから機内持ち込み手荷物だけで移動できますし搭乗券も発行されますから空港のチェックインカウンターをスルーして保安検査へ進むことができ大変便利です。実際コロナ前の帰国時に利用しましたが夕方の混雑する時間帯でもストレスなく制限エリアに入ることができ免税店での買い物やラウンジを楽しむことができました。日系航空会社は利用できませんが台湾系の便に搭乗するならぜひ利用してみてください。
さて前々回春節前の年貨大街に触れましたが早速、姪3號が混み合う前に買い出しをと訪れ写真を撮ってきてくれましたので年末の台北の様子をご覧ください。
来年の干支龍のディスプレイが飾り付けられた廸化街永楽市場
観光客でしょうか写真を撮る人も多く見かけます
コロナ禍で禁じられていた試吃（試食）も一部復活しました コロナ前はポケットが一杯
になるほど落花生やピスタチオの試食品を貰いました
霞海城隍廟前では春聯などいわゆる縁起物の実演販売が客を集めて
いました
店頭の裸電球に灯が入り年貨大街はいよいよ活況を呈してきます
