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【アメリカの真のリーダーは大統領ではなくFRB?】誰が大統領になっても変わらないアメリカ④

2020-10-17 11:48:21 | アメリカ
前回からの続き)

 来月3日の投票日を前に大詰めを迎えている米大統領選、一見すると、ドナルド・トランプ現大統領とジョー・バイデン氏の主張する政策等は違っているように思えますが、先述したように、その本質と目的が、FRB(米の中銀)におカネ(ドル)を刷ってもらってバラまく、あるいはそれで膨張させた資産バブル(の資産効果等)で経済の浮揚を図る、みたいなところにおいて同じ・・・というより他に変えようがありません

 そして米中対立に象徴されるアメリカの貿易不均衡問題も、その根本的な原因は、中国などの貿易相手国の側にあるのではなく、輸入品にどっぷりと依存しているアメリカの側にあるわけで、その構造を変える―――メイド・イン・USAで代用できるようにする―――なんて、誰が大統領になろうが、まずできるはずはないでしょう。よって、「タリフ・マン」(tariff man:関税男)を自認する(?)トランプ大統領が関税障壁等を設けて中国産品の米市場への流入を抑えようとしても、それに代わってメキシコやベトナムなどの他国品がどんどん輸入されるから、どのみちトータルの貿易赤字は増え続けることに。で、その支払いに充てるおカネを立て替えるのは・・・巡り巡って最終的に、これまたFRBになるわけです・・・

 ・・・となると、現在のアメリカを支え、動かしているのは、大統領・・・とかその政権などではなく、FRBだということが分かります(?)。たしかにトランプ大統領のツィートは、ときにキョーレツで、なかなか興味深いです・・・が、FRBのジェローム・パウエル議長の発言やFOMC(FRBの金融政策決定会合)の決定が米経済や国民生活に与えるインパクトに比べたら、失礼ながら、ずっと小さなことに過ぎません(って、にもかかわらず、とくに本邦メディアは、トランプ氏のツィートばかりに過剰反応する印象を受けますが)・・・

 ということで、いまや米大統領をしのぐ影響力を有するに至ったFRBこそ超大国アメリカの真のリーダー(的存在)である・・・と結論付けたいところですが、そのためには、FRBがその政策でアメリカを本当にコントロールできていることが条件になるでしょう。じゃあ、できているのか、といえば・・・できていません、まったくといってよいくらいに。というのも、上記のようにFRBはドルを発行して流通させる(金融緩和する)ことはできていても、それを回収する(金融引き締めする)ことができないでいるからです。これ、ブレーキの利かない車に乗ってアクセルをふかし続けるのと同じです・・・

 このあたりは以前から書いているとおりですが、FRBはリーマン・ショック(2008年秋)直後からこれまで延々と超緩和的な政策スタンスを続けています。まあその間、金融引き締め(利上げ再開とか)をちょっとは試みましたが、それは本稿の文脈に基づけば「FRBは、中央銀行として、そして真のアメリカのリーダーとして、米経済と市場をコントロールできている」という、そぶりを見せるために過ぎず、案の定、実際には不可能でした(引き締めはちょっぴり、かつ短期間で終了)。そして結局FRBはもとの緩和路線に戻り、そのあげく、現在は実質マイナス金利(名目金利-予想インフレ率<ゼロ)を放置している(?)ありさまです・・・

 以上から、大統領(政権)以上にアメリカをリードしていると思われたFRBにも、実はそれができていないことが理解できるわけです。大統領でもなくFRBでもないのなら、では超大国アメリカを実質的に操作しているのは誰なのか・・・

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