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【米SVB破綻で当局が預金者の預金を実質的に全額保護って…】米中堅銀破綻は金融恐慌…ではなく超インフレの前触れだ①

2023-03-15 20:58:37 | アメリカ
 ホ~ント、お約束どおり・・・過ぎる展開ですよね、この先も含めて・・・(?)

 ご存じのとおり、10日、アメリカの中堅銀行でカリフォルニア州に本拠を置くシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻しました。国内外の報道によれば同行は、
・シリコンバレーのIT企業から預金を集めて米国債などに投資して利ザヤを稼いでいたが、米FRBの利上げにともなう(長期)金利の上昇で米国債の価格が低下して資産内容が劣化していた
・そうしたなか、資金繰りが厳しくなった顧客の預金払い戻しに充てるおカネを捻出するための資産売却を余儀なくされて約18億ドルの損害が発生、さらに貸し倒れに備える意味でも資本を増強する必要に迫られた
・8日に上記損失の発生と増資計画を発表したことで株価は暴落、預金の引き出しが急増するも、資本拠出を申し出る企業等は現れず、流動性危機に
となって結局10日、米連邦預金保険公社(FDIC)がSVBの破綻とすべての預金を管理下に置いた旨を発表した、という次第です。

 このあたり、まあ当然といえば当然のことでしょう。上記から、SVB破綻の大きな理由は所有米国債等の価値の低下になりますが、それは予期せぬ出来事でも何でもなく、米FRBが昨年来続けてきた利上げによって必然的に起こることだからです。であれば米金融当局は、さっさと米国債を売り抜けないからこうなるんだよ、などと内心でSVBの失態をなじりつつ、でもこれくらいあり得ること、と淡々と、つまり想定内の破綻処理≒預金者保護を行えばよいはずです。FDICは1口座当たり最大で25万ドルまでペイオフするそうですから、今後、誰もSVBの事業を引き継がないなら、これを整理して、そうすればいいだけの話・・・

 ・・・って現実にはそうではなく、想像もしなかった事態が発生したかのようなうろたえよう(?)です・・・ってSVBの利害関係者のみならず米当局が。そこは、たとえば、当のFDICが、SVBの預金には上記25万ドルの対象外も含めて今週(13日)以降も全額アクセス可能であることを明らかにしたことにも現れています。これ、公金の濫用などと指摘されても仕方ないのでは。というのも、そうすることでFDICは、SVBの預金者には他行預金者以上の公的なセイフティーネットを優遇的に与えることになるためです。もっとも、その種の批判は百も承知で、おそらくFDICと米当局はこの局面で同預金の実質的な全額保護を言い出すしかなかったのでしょう。そうでもしてSVB顧客らを安心させないと・・・これがさらなる負の連鎖すなわちバンクラン(取り付け騒ぎ)や他の銀行の破綻続出等ひいては金融恐慌につながりかねない、ってことで・・・

 そのへんの危機感はFRBなども同じみたいです。上記に対応するのなら当たり前ですが払い戻し用などのキャッシュが大量に必要になるところ、ブルームバーグによると、FRBは同需要に向けて通常より貸し付け条件が緩やかな融資プログラム(Bank Term Funding Program)」を提供するとのこと。しかもこれ、上記保険の対象外預金を保護するための十分なスケールになるそうな・・・

 となると・・・じゃあFDICのおカネって何の意味があるの?となってきます。その原資は当然、血税。だからこそ上記の額や用途には本来、厳格な制限があるべきでしょう、銀行に緊張感を持った事業運営を促す意味でも。そんなところに、こうしてFRBが預金者保護を大義名分として実質ノーチェックでマネーを(銀行・預金者を通じて)市中に吐き出し続けたら・・・経営者はモラルハザードに陥るとともにFDICのスキームは無意味化する・・・のはもちろん、いっそう加速させることになりますよ、インフレ・・・

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